濡れた傘、帰宅後どこに置く? 梅雨に欠かせない「傘」について調査データをもとに解説

鬱陶しい梅雨の季節になりました。この時期の外出時に活躍するのが「傘」です。長い時間に雨が降るので、折り畳み傘よりも長傘を持つことが多くなります。そこで、今回は「傘の置き場所」について考えてみたいと思います。

梅雨時に持ち歩く傘は長傘? 折り畳み傘?

梅雨の時期に向けて、積水ハウス(株)の住生活研究所が全国の20~60代の既婚男女を対象(500人)に「梅雨の暮らしに関する調査」を実施しました。

梅雨の時期に持ち歩く雨具を聞いたところ、「終日雨の日」では、「長い傘(ビニール傘以外)」が49.7%、「ビニール傘」が23.9%で、合わせて73.6%が長傘を持ち歩いていました。「一部の時間で雨が降る日」になると、「折り畳みの傘」を持ち歩く人が42.4%に一気に増えますが、それでも合わせて41.8%の人が長傘を持ち歩いています。

ス 住生活研究所「梅雨の暮らしに関する調査(2023年)
出典:積水ハウス 住生活研究所「梅雨の暮らしに関する調査(2023年)」

持っている長傘の数は1人平均2.4本。女性のほうが持っている数が多い

では、長傘は何本くらい持っているのでしょうか?

(株)LIFULLが一人暮らしの20歳〜69歳男女を対象に(1,207人)「靴と傘の数・玄関収納に関する調査」を実施しています。一人暮らしの場合、長傘は平均2.4本、男女別では男性が平均2.1本、女性が平均2.7本なので、女性のほうが多いようです。年代別に見ると、年代が上がるにつれて平均本数も増える傾向が見られます。

一人暮らしの靴と傘の数・玄関収納に関する調査
出典:LIFULL「一人暮らしの靴と傘の数・玄関収納に関する調査」を抜粋して編集部で作成

では、傘はどこに保管しているのでしょうか?

さきほどの積水ハウスの調査に戻りますが、傘や雨具の普段の保管場所について聞いた結果を見ると、長傘はビニール傘以外もビニール傘も、9割を超える人が、「玄関の外」「玄関土間」「下駄箱・玄関収納」「シューズインクローク(土間収納)」の玄関まわりに保管をしていました。

折り畳み傘が「下駄箱・玄関収納」や「部屋の中」に保管することが多いことと比べると対照的です。長傘は、長くてかさばるからでしょう。

梅雨の暮らしに関する調査(2023年)
出典:積水ハウス 住生活研究所「梅雨の暮らしに関する調査(2023年)」

困るのは濡れた傘で玄関が濡れること?

同じ調査で、「梅雨の時期の持ち物についての困りごと」を聞いたところ、多かった困りごとのTOP3は次のような結果になりました。濡れた傘やレインコートの置き場所に困ることが多いようです。

■梅雨の時期の持ち物についての困りごと TOP3
「雨の日に玄関や部屋が濡れる・汚れる」38.6%
「雨予報の日に、持ち歩くのが重い・かさばる」37.4%
「雨具を置いた場所が濡れる」36.0%

では、濡れた傘はどこに置いているのでしょうか?
傘は普段の保管場所と比べても、圧倒的に「玄関の外」か「玄関土間」になります。折り畳み傘も似た傾向が見られます。

梅雨の暮らしに関する調査(2023年)
出典:積水ハウス 住生活研究所「梅雨の暮らしに関する調査(2023年)」

分譲マンションの玄関の外に傘は置けない?

戸建ての場合は、それぞれの家庭のルールによるでしょうが、集合住宅の場合は生活ルールが定められています。集合住宅の中でも、分譲マンションでは管理組合の「管理規約」でさまざまなルールが定められています。一般的に、マンションの各住戸の玄関ポーチやバルコニーは、管理組合で管理する共用部分とされています。基本的に玄関の外側は共用部分になりますので、傘などの私物を玄関の外に置くことは禁じられています。

つまり、玄関の外の窓枠や新聞受けなどに傘をかけるといったこともNGとなります。もっとも、一時的に傘を置くことぐらいなら許されるケースも多いと思いますが、何日も外に置いておくと管理組合(または管理会社)から注意されるということもありえます。

となると、玄関の内側の土間の部分に濡れた傘の置き場所を用意する必要があるでしょう。最近は、マグネットで玄関扉の内側に張り付けるタイプの傘立てなど、便利なグッズも売られていますので、こうしたものを活用して、傘の置き場所を作ってあげましょう。

傘は適切に保管しよう

また、濡れたまま傘を畳んで放っておくと、傘の生地が変色したり、骨が錆びてしまったり、あるいは生乾き臭が発生したりしてしまうので、注意が必要です。濡れた傘の水滴を軽く落としたら、傘を開いて布で拭いて、浴室などで陰干しをするのがよいでしょう。換気扇や浴室乾燥機を使うと早く乾くと思います。

梅雨時のいま、傘の置き場所に工夫をして、できるだけ湿気を室内に取り込まないようにしたいものです。

執筆者:山本 久美子(住宅ジャーナリスト)

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