住宅ローンの利息の計算方法とシミュレーションツールの使い方を解説!

住宅ローンを組むことで、最終的にいくらの利息を支払うことになるのかは非常に気になるところです。
今回はマイホームを購入予定の人に向けて、住宅ローンの利息の計算方法についてわかりやすく解説するとともに、総返済額を求める際や適用される金利が変わった際などに使える便利なシミュレーションツールの活用方法も併せて紹介します。

月々の住宅ローンの利息を計算する方法とは?

住宅ローンの月々の利息は、「毎月返済分の元金残高×適用金利(年利率)×1/12」で計算できます。

仮に直前のローン残高が4,000万円、住宅ローンの適用金利が年2%と仮定すると、その月の利息額は、4,000万円×0.02×1/12=6万6,666円※です。

ちなみに利息計算において、1ヶ月未満の日数がある場合、その日数については1年を365
日として日割計算した結果を用います。たとえば上の例で20日分の利息額を計算する場合の計算式は、4,000万円×0.02×20/365となり、利息額は4万3,835円※です。

※計算上、1円未満は切り捨てて表示しています。

返済方式が違うと支払う利息に差は生じるのか?

住宅ローンの返済方法には元利均等方式と元金均等方式があります。

元利均等方式は毎月の返済額が一定で、元金均等方式と比較すると、返済当初は返済額のうちに占める利息部分の割合が多く、返済が進むにつれて元本の割合が増えていく返済方式です。

一方、元金均等方式は、元金を返済期間(回数)で割り、それに返済期間に応じた利息を合わせて返済する方法です。元金均等方式の特徴は、返済開始時の返済額が一番大きく、返済が進むにつれ利息の額が減るため、徐々に返済額が少なくなっていく点にあります。

返済方式が違っても、直前のローン残高が同じであれば返済初月に支払う利息の額は同じになりますが、トータルで支払う利息は元利均等方式のほうが高くなることを覚えておきましょう。その理由については、次項で説明します。

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【返済方式別】利息支払い総額の計算方法とは?

では実際に返済方法の違いによって最終的な利息支払い総額にどのくらいの差が出るのか計算してみましょう。

ちなみに総返済利息を計算する場合は計算が複雑になるため、シミュレーションツールの活用がおすすめです。

シミュレーションの条件は、4,000万円の住宅ローンを返済期間35年、新機構団信あり、ボーナス返済なしで組んだとし、適用される金利は1.72%とします。

元利均等方式の場合
上記の条件を基に、元利均等方式で返済した場合の毎月の返済額は12万6,829円、総返済額は5,326万8,449円です。よって、最終的に支払う利息の総額は5,326万8,449円-4,000万円=1,326万8,449円になることがわかります。

元利均等方式では、毎月の返済額が変わらないため、返済計画が立てやすいというメリットがあり、多くの人が利用していますが、返済方法を元金均等方式にすると、支払う利息の総額はどのくらい変わるのでしょうか。

元金均等方式の場合
同じ条件で元金均等方式を選択した場合、返済初月の返済額は15万2,571円、総返済額は5,206万8,471円です。最終的な利息支払い総額は、5,206万8,471円-4,000万円=1,206万8,471円となり、元利均等方式を選ぶより約120万円も利息負担を削減できることがわかります。

返済方法として元金均等方式を選ぶ場合、利息の支払い総額は元利均等方式よりも少なくなりますが、初期の月々の返済負担が大きくなるなどのデメリットがある点に注意が必要です。そのため、初期の返済額が家計の負担にならない金額に収まることを前提として利用するようにしてください。

【金利プラン別】利息支払い総額の計算方法とは?

金利プランによっても、最終的な利息支払い総額は異なります。
4,000万円の住宅ローンを組んだ場合、金利プランの違いで総返済利息にどの程度の差が生まれるのか、シミュレーションツールを用いて解説します。

※住宅保証機構株式会社のサイトにあるシミュレーションツールを使用

全期間固定金利の場合
全期間固定金利とは、返済開始から完済まで同じ金利が適用される金利プランです。返済金利が完済時まで変わらないため、将来にわたって返済計画が立てやすいというメリットがあるものの、金利プランのなかでは一番高い金利が適用される点がデメリットです。
金利上昇のリスクを考えなくてよい点もメリットに挙げられますが、逆にいえば金利が下がったときの恩恵を受けられないというデメリットがあることも理解しておかなければなりません。

では、4,000万円を返済期間35年、ボーナス返済なし、全期間固定金利1.7%と仮定し、利息支払い総額をシミュレーションしてみましょう。返済方法は元利均等方式とします。

試算した結果、毎月の返済額は12万6,430円、総返済額は5,310万430円となることがわかりました。利息支払い総額は5,310万430円-4,000万円=1,310万430円です。

固定金利期間選択型の場合
固定金利でも、全期間固定金利ではなく、契約当初から5年や10年など設定した期間については固定金利とし、その後は変動金利に切り替わる金利プランもあります。固定金利期間が終了した後は必ず変動金利を選ばなければならないわけではなく、新たに期間を設定し、固定金利を選択することも可能です。
この金利プランは住宅ローン借り入れ後の数年以内にまとまった支出を予定しており、その間の金利変動リスクを取りたくない人に向いています。

では、当初10年間の金利を1.5%とし、その後の見直しで1.8%となった場合の支払い利息総額を試算してみましょう。

シミュレーションの結果、当初10年間の毎月の返済額は12万2,473円、見直し後の毎月の返済額は12万6,837円となり、総返済額は5,274万7,830円でした。

結果として利息支払い総額は、5,274万7,830円-4,000万円=1,274万7,830円で、金利見直し後25年間の金利が全期間固定金利の場合より高くなったにもかかわらず、支払う利息は総額で約35万円少なくなることがわかります。

変動金利の場合
変動金利とは、原則として半年に1度金利の見直しが行われる金利プランです。見直された金利は返済額にすぐに反映されるわけではなく、5年ルールといって5年間は返済額が変わらない仕組みが取られています。また5年後の返済額見直しの際にも見直し前と比べて変動幅が25%を超えないよう、125%ルールも設けられている点が特徴です。
ただし、最近のネット銀行では5年ルールや125%ルールを採用していないところもあるため、事前に確認するようにしてください。

変動金利で住宅ローンを組んだと仮定し、当初10年間は1%、11年目~20年目は1.5%、その後2%の金利が適用された場合に支払う利息の総額を計算してみましょう。

試算した結果、毎月の返済額は最初の10年間が11万2,914円、1回目の見直し後の10年間は毎月11万9,824円の返済となり、2回目の見直し後は12万4,218円と、金利の上昇とともに徐々に上がっていきます。そして、最終的な総返済額は5,028万7,831円で、利息支払い総額は5,028万7,831円-4,000万円=1,028万7,831円となりました。

今回設定した条件下では、利息支払い総額が一番抑えられる金利プランは変動金利という結果になりました。ただし、全期間固定金利と変動金利の金利差が1%程度の場合、期間中に2%程度金利が上昇すると、全期間固定金利を選んだほうが、総返済額が少なくなるという逆転現象が生じます。将来のことは誰も正確に予測することはできないため、状況の変化に応じて、どの選択が最適なのか判断できるようにしておきましょう。

金利が変動すると住宅ローンの返済総額にどの程度の影響が出るのか?

長らく低金利の金利政策が続いていた日本ですが、2023年7月の下旬に日銀が長期金利の変動幅の上限を1%程度まで容認することを発表しました。それを受け、7月末には10年ものの国債金利が9年ぶりに0.6%台にまで上昇する動きを見せています。
さらに、多くの金融機関では8月に入って固定金利を引き上げる動きが見られました。

変動金利を選択している場合、市場金利が上昇すると支払うべき利息も増え、総返済額も当初予定していたよりも高くなります。

そこで、ここからは金利が1%上がった場合や1%下がった場合を例に挙げ、金利の上昇および下落によって返済総額や利息がどのように変化するのかについて解説します。

シミュレーションを行うにあたり、住宅ローンの条件は借入金額が4,000万円、借入期間35年、元利均等方式とし、当初の金利を2%と仮定します。そして、10年間の固定金利の後、残期間の金利が見直しになった場合、総返済額および利息支払い総額にどのくらいの影響があるのかについて見ていきましょう。

金利が全期間変動しなかった場合
金利が見直し後も変わらず、結局2%のまま全期間変動しなかった場合、毎月の返済額は全期間13万2,505円、総返済額は5,565万1,862円になります。その場合の最終的な利息支払い総額は5,565万1,862円-4,000万円=1,565万1,862円です。

金利が1%上がった場合
では、当初10年間の金利が2%で、その後3%に金利が上昇した際の毎月の返済額および総返済額、利息支払い総額を試算してみましょう。

試算した結果、最初の10年間の毎月の返済額は13万2,505円、金利上昇後は14万8,247円に増加します。総返済額は6,037万4,671円となり、利息支払い総額は6,037万4,671円-4,000万円=2,037万4,671円と大幅に増加する結果となりました。

全期間金利が変動しなかった場合に比べて、利息負担が約472万円増える計算です。

残りの返済期間が長いほど、金利の上昇がもたらす利息負担額の増加は大きくなるため、毎月の返済額が家計を圧迫するようなら、金利上昇のタイミングで今よりも低い金利の住宅ローンに借り換える、もしくは繰り上げ返済を行うなどの対策を考える必要があるでしょう。

金利が1%下がった場合
逆に金利が1%下がった場合を想定してみましょう。

当初10年間の金利が2%で、その後1%に下がった場合、毎月の返済額などはどのように変化するのでしょうか。

シミュレーションの結果、当初10年間の毎月の返済額は13万2,505円、そして10年後に金利が1%に下がると、その後の返済額は11万7,817円に下がります。結果として総返済額は5,124万5,689円となり、利息支払い総額は5,124万5,689円-4,000万円=1,124万5,689円と、全期間金利が変わらなかった場合に比べ約441万円も利息負担が減り、さらに金利が1%上昇したケースと比較すると約913万円も負担する利息に差があることがわかりました。

金利が下がるとその後の利息負担が減り、最終的な利息支払い総額も抑えられます。また、毎月の返済額も減ることになるため、返済額の減少分については貯蓄に回し、まとまった金額になったら繰り上げ返済を行うことで、さらに利息負担を軽減できます。

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まとめ

住宅ローンを利用する際の月々の利息は、「毎月返済分の元金残高×適用金利(年利率)×1/12」で計算できます。

ただし、最終的な総返済額や利息支払い総額を調べるにあたっては、計算が複雑になるため、金利が変わった場合の利息の計算も含め、シミュレーションツールを利用することをおすすめします。

特に金利プランを選ぶ際には、さまざまな条件でシミュレーションを行い、最終的な利息支払い総額を確認したうえで、自分に合った金利プランを選ぶようにしましょう。

(最終更新日:2023.12.15)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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