住宅ローン審査に影響するクレジットカードの使い方とは?
住宅ローン審査に大きく影響するのは、延滞とキャッシング枠、リボ払いや分割払い等の使い方です。
住宅ローンの審査では各金融機関によって返済負担率(年収に対する年間返済額の割合、返済比率ともいいます)が定められており、「返済負担率が35%以下なら借入可能」などと基準が決められています。キャッシングやリボ払い、分割払いがある場合、すでに別の借り入れがあるとみなされてしまうため、返済負担率に影響します。つまり、その分だけ返済負担率が高くなってしまうので、住宅ローンの借入可能額が減ってしまう可能性があるのです。
そのため、住宅ローンを借りる際に「希望の借入額を借りられない」ということがあります。審査に影響するクレジットカードの具体的な使い方を確認しておきましょう。
・延滞
延滞とは指定された期日に支払いができなかったことです。個人信用情報に登録される延滞は61日以上や3ヶ月以上など、長期間支払いの遅れがある場合です。延滞情報が登録されてしまうと5年間、破産にいたると10年間は住宅ローンの借り入れはほぼ不可能になってしまいます。
また、延滞にならなくても支払いの入出金の状況は24ヶ月など過去一定期間登録されます。さらに住宅ローンを申し込んだ金融機関によっては、個人信用情報機関に登録されていなくても、その金融機関の口座の支払い状況を過去にさかのぼって独自に調査することがあります。
万全を期すためにはショッピングでもキャッシングでも支払いが遅れないように心がけておくことが大切です。
・キャッシング
キャッシングはクレジットカードの機能を使った借金です。提携先のATM等からカードを使って極度額まで現金を引き出すことができます。個人信用情報機関にもキャッシング契約やキャッシング残高が登録されます。
過去も含めてキャッシングを利用したことがあると、現在は残高がなくてもキャッシング枠そのものが負債とみなされることがあります。10万、20万といった枠ならまだしもゴールドカードなど100万円といったキャッシング枠が付いていると影響が大きくなります。自分が持っているクレジットカードを調べて、不要なキャッシング枠がついていれば、事前に解約しておくのも一つの方法です。
また、一度も使ったことがないキャッシング枠は負債に含まない金融機関も多いようですが、使用しないのであればキャッシング枠は解約しておきましょう。
・リボ払い・分割払い
リボ払い(リボルビング払い)とは、クレジットカードを利用した件数や利用額にかかわらず、毎月一定額を支払う方法です。支払の計画が立てやすく便利に見えますが、実際には年利15%など高額な手数料がかかります。
年利15%だと4万円の買い物をして15回払いとすると1回の手数料は1ヶ月31日で計算すると509円。15回では7,506円※にもなります。
※8月支払い分からの計算例
1ヶ月31日の月:40,000円×15%÷365日×31日=509円×9ヶ月=4,581円
1ヶ月30日の月:40,000円×15%÷365日×30日=493円×5ヶ月=2,465円
1ヶ月28日の月:40,000円×15%÷365日×28日=460円×1ヶ月=460円
リボ払い機能が付いているクレジットカードは個人信用情報にも登録されます。
延滞はもちろんですが、年利15%のローンを組んでいるのと同じ見方をされる場合もありますので、住宅ローンを申し込む時点では完済しておく、または解約しておいたほうが賢明です。
また、ショッピングで注意したいのは、3回以上の分割払いです。10%を超える手数料がかかることもあり、住宅ローンの審査上は不利になる可能性もあります。ショッピングでの支払回数は2回以内におさめましょう。
・クレジットカードの保有枚数
楽天カードやANAカード、JALカードといったポイントやマイルでの還元を打ち出しているクレジットカードがあることや、高速道路で利用するETCカードの普及も影響しているのでしょうか、便利とお得でついついカードの枚数が増えてしまうのがクレジットカードです。しかし、カードにキャッシングやリボ払い等の契約が付帯していると、使っていなくてもその枠が借金とみなされる可能性もあります。
また、支払日の管理がおろそかになりうっかり引き落としができなかった、ということになると入金状況の履歴も登録されてしまいます。住宅ローン借入時には不要なクレジットカードや、不要なキャッシング枠、リボ払いは解約しておきましょう。
・家族カードや専業主婦の妻名義のカード利用状況も注意
最後に、家族カードを作っていると、妻や子どもが知らないうちにショッピングやキャッシングをしている場合があります。
また、専業主婦の妻がクレジットカードを作るとき、夫の年収を信用としてカード審査が行われています。こうしたケースでは妻や子どもが使ったカードの支払いが遅延すると夫の利用履歴に登録されます。住宅ローン申込前にしっかりと家族の使用状況も確認しておきましょう。
住宅ローンの審査が通ってからは、同じ金融機関のクレジットカードを新規で契約することによって、預金やローンの金利が優遇される場合もあります。
借り入れ後はポイントや金利の優遇を上手に使って新居の家財をそろえたり、子どもの教育費とローン返済が重なる時期のショッピングに一時的に利用するなど、工夫次第で生活を楽しくすることもできます。
一括払いやボーナス払いなど金利が付かない支払方法で使用する、期日には必ず支払いができるように家計の中で支払いの計画を立てて使用する、この2点に注意すればクレジットカードは便利な存在です。
現金を持たない手軽さ、ポイントが貯まる楽しみ、支払いを先に延ばせるメリットを十分に生かしながら住宅ローンを組んだ後も、家計やライフプランの中でクレジットカードと上手に付き合っていきましょう。
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