内閣府「男女共同参画白書 令和5年版」によると、共働き世帯は増加の一途を辿っており、2022年には専業主婦の世帯が430万世帯なのに対し、共働き世帯は1,191万世帯。全体の7割以上を占めています。
共働き世帯や二世帯以上の世帯が住宅を購入する場合、2人で協力して住宅ローンを返済するという選択があります。該当する住宅購入者や住宅購入検討者のうち、「収入合算」「ペアローン」「親子リレー返済」といった借り入れ方法を選択している人はどのくらいいるのでしょうか。ARUHIマガジンによる『住宅購入に関する調査2024』の結果から紹介します。
収入合算の利用者がやや増加
住宅ローンは、ひとりで住宅ローン契約を返済する「単独契約」に加え、2人の収入を合算した金額に基づき住宅ローン契約を行う「収入合算」、2人がそれぞれに主債務者となって2本の住宅ローン契約を行う「ペアローン」、親子2代にわたり順に住宅ローンを返済する「親子リレー返済」といった借り入れ方法があります。住宅購入者と住宅購入検討者に住宅ローンの借り入れ方法を聞くと「単独契約」が57.0%と6割に迫る結果に。「収入合算」が13.0%、「ペアローン」は9.5%、「親子リレー返済」は2.0%でした。
2023年の調査結果と比較すると、「単独契約」は2023年時の51.9%から57.0%と5.1ポイント増加。「収入合算」も2023年の9.6%から13.0%と3.4ポイント増加しています。一方「ペアローン」は2023年の12.2%から9.5%へ2.7ポイント減少。「親子リレー返済」も2023年の3.7%から2.0%へ1.7ポイント減少しました。【フラット35】の借り入れ時によく利用される、収入合算の利用者が増加傾向にあることが分かりました。
住宅購入者と住宅購入検討者それぞれの借り入れ方法を見ると、住宅購入者は「単独契約」が65.2%、「収入合算」は5.5%、「ペアローン」が9.5%、「親子リレー返済」が0.5%という結果に。
一方、住宅購入検討者は「単独契約」が48.4%と半数を切る結果で、「収入合算」が21.1%、「ペアローン」が9.5%、「親子リレー返済」が3.7%でした。住宅ローン金利の上昇が予測され、これから住宅を購入予定の人は返済負担の増加が懸念されています。そうしたなかで、夫婦や親子で協力して住宅ローンを返済しようと考えている世帯が増加しているとともに、金利変動がない【フラット35】の収入合算を選ぼうと考えている人の増加傾向がうかがえます。
住宅ローンの借り入れ方法を夫婦共働き世帯に絞って見ると、「単独契約」は52.0%、「収入合算」が14.8%、「ペアローン」が13.5%、親子リレーローンが2.6%という結果に。2023年の調査結果と比較すると、「単独契約」は2023年時の51.7%から52.0%とほぼ変わらず。「収入合算」は2023年の11.8%から14.8%と3.0ポイント増加している一方、「ペアローン」は2023年の16.1%から13.5%へ2.6ポイント減少、「親子リレー返済」も2023年の5.2%から2.6%へ2.6ポイント減少と、ここでも収入合算の利用者の増加が目立ちます。
住宅購入者と住宅購入検討者それぞれの借り入れ方法を比較すると、住宅購入者の夫婦共働き世帯は「単独契約」が60.3%、「収入合算」は7.1%、「ペアローン」が15.1%、「親子リレー返済」が0.8%という結果に。一方、住宅購入検討者の夫婦共働き世帯は「単独契約」が41.7%と住宅購入者よりも18.6ポイント下回り、「収入合算」が24.3%、「ペアローン」が11.7%、「親子リレー返済」が4.9%で、約4人に1人が収入合算の利用を予定していることが分かりました。
借入可能額や毎月の返済額をチェック!
まとめ
日本銀行のマイナス金利政策解除などの影響により、2024年は住宅ローン金利の上昇が予測されています。住宅購入時の金銭的な負担が大きくなるなかで、住宅ローンは夫婦や親子で利用できる借り入れ方法を選択し、借入可能額を増やそうと考えている人も多いでしょう。今回の調査結果では、全期間固定金利型の【フラット35】でよく利用される「収入合算」を選ぼうと考えている人が増えていることが分かりました。
これから住宅購入を予定している人は、単独契約とするのか、収入合算やペアローン、親子リレー返済を利用するのか、慎重な判断が必要です。迷っている人は、お近くの金融機関などでどのような借り入れ方法を選択すべきか相談をしてみてはいかがでしょうか。
住宅ローン専門金融機関のARUHIは
全国に店舗を展開中
【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2024年3月15日~3月16日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります