年収350万円の人が住宅ローンを組む場合の限度額と注意点は?

年収350万円の場合、いくらまでの住宅ローンを組めるのかについて悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

今回は年収350万円前後でマイホームの購入を検討している人に向け、いくらまでの住宅ローンを組めるのか、また、無理なく返済できる住宅ローンの金額とはいくらなのかについて解説します。あわせて、年収350万円の人が住宅ローンを利用する際の注意点についても紹介するので、参考にしてください。

年収350万円の場合、いくらまでの住宅ローンを利用できる?

年収350万円の人がいくらまでの住宅ローンを利用できるかを判断する指標の一つに、返済負担率があります。

返済負担率(返済比率)とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のことで、これには住宅ローン以外も含まれます。返済負担率の基準は金融機関によって異なりますが、30%~40%を上限とするのが一般的です。ただし、無理のない範囲に収めるなら30%以内にとどめたほうがよいでしょう。

年収350万の場合、返済負担率を30%とするなら年間の返済額合計は105万円、ボーナス払いはなしと考えると毎月の返済額は約9万円です。返済負担率40%の場合は、年間返済額140万円、毎月の返済額は約12万円になります。返済額は借入期間や適用される金利によって変わりますが、年収350万円の人が35年ローンを組んで借りられる金額は、毎月の返済額約12万円から計算すると、最大で3,500万円程度です。

また、年収倍率で借入金額を求める方法もあります。年収倍率とは、借入金額が年収の何倍かを示すもので、一般的には5倍~7倍が適正といわれています。年収倍率から考えると、年収350万円の人が住宅ローンで借りられる金額は2,500万円程度が上限だといえるでしょう。

最近は物件価格も高騰しており、都市部で住宅を購入しようと考えると、限度額いっぱいまでの借り入れが必要になるケースも想定されます。ただし、理由は後述しますが、限度額まで借りることには大きなリスクを伴う点に注意が必要です。

年収350万円の人が住宅ローンを組むうえで注意すべきポイントは?

では、年収350万円の人が住宅ローンを組む場合、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

注意すべきポイントについて、以下で詳しく解説します。

借入限度額を目安に住宅ローンを組むことのリスクを理解しよう
年収350万円の人が都市部で平均的な価格の住宅を購入しようと考えると、年収の10倍近い借り入れが必要になることも少なくありません。ただし、年収の10倍近い住宅ローンを組むと、手取り月収の35%~40%を住宅ローンの返済にあてることになり、家計への負担が大きくなります。

なぜなら、住宅を購入した後には住宅ローンの返済だけではなく、固定資産税や火災保険料、地震保険料さらには修繕費などが発生するからです。そうなると、手取り月収の約半分を住宅関連費が占めることになり、生活のために必要な資金が不足してしまいます。住宅関連費は手取り月収の30%以下に収めるのが理想といわれていることからも、借入限度額まで借り入れるのは避けるようにしましょう。

住宅購入価格が借入限度額ギリギリになるようであれば、リスク回避のためにもより価格の低い物件を検討し直すなどの妥協が必要です。

事前にシミュレーションを行い、無理のない返済計画を立てよう
実際に借入金額を決める際には、事前にシミュレーションを行い、住宅ローンの返済以外の費用も含めたうえで無理なく支払える額かよく確認することが大切です。

各金融機関のサイトには、借入金額や金利、借入期間を入力すれば毎月の返済額がわかるシミュレーターが用意されています。できるだけ細かくシミュレーションしたうえで、将来的に無理のない返済計画を立てるようにしましょう。

収入が減る可能性を加味しておこう
勤務先の業績の悪化や景気の影響を受けて、収入が今よりも減少する可能性は誰にでもあります。ほかにも転職や休職などが理由で収入が減少するケースも考えられるでしょう。

もし、借入限度額上限いっぱいで住宅ローンを組んでいると、収入が1 ~2割下がっただけでも返済に支障が出る可能性があります。返済できないからとそのままにしていると、最悪競売にかけられて住む家を失うことにもなりかねません。

一人分の収入で返済できる範囲内で借りよう
夫婦の収入をあわせたペアローンや収入合算を利用して、借り入れ可能額を増やす方法もあります。ただし、ペアローンや収入合算を利用する場合には、出産や病気などで片方の収入が減少もしくはなくなる可能性も考えておかなければなりません。

半年分程度の生活費を手元に残して頭金を入れよう
住宅ローンを組む際にはある程度の頭金を用意したほうがよいといわれているものの、貯蓄の大半を頭金にあてるのはおすすめしません。

頭金を支払うことは、一時的に手元資金が減ることを意味します。急な出費が必要になった際に対応できなかったり、ほかのローンに頼らなければならなかったりする可能性があります。

頭金を出すにしても、生活防衛費として生活費の3ヶ月~6ヶ月分は貯蓄で残しておくようにしましょう。

年収350万円の人が住宅ローンを利用する場合の借入適正額は?

年収350万円の人が住宅ローンを利用する場合の借入適正額は、年収の5倍つまり1,750万円程度と考えましょう。

もし、奨学金や車のローンなどほかの借り入れがあるなら、それらも含めた合計返済額が手取り月収の25%程度、そして住宅関連費全体については手取り月収の30%までに抑えるのが理想です。

なんとか返済できるだろうと思っていても、実際に住宅を購入する際には住宅購入費用だけでなく、住宅ローンにかかる費用や不動産会社に支払う手数料のほか、家具の購入費用や新居への引っ越し費用などさまざまな費用がかかります。

それらを踏まえたうえで、返済不能に陥らないように、無理のない範囲で借り入れることをおすすめします。

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まとめ

年収350万円の場合、平均的な住宅を購入しようと考えると、借入額も限度額上限に近くなってしまうケースが想定されます。

借入限度額は金融機関によって異なるので、年収の10倍近くまで借り入れられる金融機関もあります。しかし、返済能力を超えた借り入れは、後に返済不能に陥るリスクが高くおすすめできません。

今後の収入減など不測の事態が起きることも想定しながら、限度額いっぱいまでではなく無理なく返済できる適正額を目安に借り入れるようにしましょう。

(最終更新日:2024.05.01)
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