【フラット35】中古物件で適合証明書を取れない原因と対処法を解説!

【フラット35】を申し込む際に提出する書類の一つに「適合証明書」があります。適合証明書を取得できないと、原則として【フラット35】を利用できません。そのため、事前に内容をきちんと把握しておくことが大切です。そこで今回は、【フラット35】の適合証明書とは何か、中古物件で適合証明書を取れない原因と対処法について解説します。

【フラット35】の適合証明書とは?

【フラット35】の適合証明書は、購入を希望する物件が住宅金融支援機構により定められた技術基準を満たしているかどうかを証明する書類です。新築物件は適合証明検査機関へ、中古物件は適合証明検査機関または適合証明技術者へ物件検査を依頼します。検査に合格すると、適合証明書が交付されます。

中古物件の検査では、書類審査と目視による現地確認が行われるのが一般的です。検査費用は5万~10万円程度で、取得まで1~3週間程度かかります。適合証明書は【フラット35】の契約前に提出する必要があるため、早めに検査の手続きを進めましょう。適合証明検査機関については、住宅金融支援機構のサイトに記載があります。

参考:適合証明機関一覧|住宅金融支援機構

中古物件で適合証明書を取れないケースとは?

適合証明書が交付される技術基準とはどのようなものなのでしょうか。ここでは、中古物件で【フラット35】の適合証明書を取れないケースについて解説します。

建物の形式が適合していない
適合証明書を取得できる建物は、以下のいずれかに該当するものに限られます。

一戸建ては1戸が独立した住宅、重ね建ては2戸以上を縦方向に連結した住宅、連続建ては2戸以上を横方向に連結した住宅のことを指します。上下分離または左右振り分けの二世帯住宅をイメージすると分かりやすいかもしれません。共同建ては2戸以上の住宅が廊下や階段などを共用するアパート形式の住宅です。

検査済証が発行されていない
検査済証とは建物が建築基準法に適合していることを証明する書類です。購入しようとしている物件が建築基準法の要件に適合しない、または適合していることを証明できない場合は、住宅ローンを利用することが難しくなります。

検査済証は、新築・増改築の工事完了検査に合格した物件に交付され、建物の引き渡し時に施主に手渡されます。売主の紛失などで検査済証が入手できない場合は、自治体の役所で取得できる「(建築)台帳記載事項証明書」でも検査済証交付の記録が確認できるので、【フラット35】適合証明書の検査機関に相談してみましょう。

接道義務を満たしていない
接道義務とは「建築物の敷地は、道路に2m以上接していなければならない」という建築基準法第43条の規定です。【フラット35】の基準でも「原則として一般の道に2m以上接すること」が求められます。しかしながら、接道義務を満たしてない中古住宅が少なからず存在します。

住宅の規模が基準に適合していない
住宅の規模とは住宅部分の床面積のことで、車庫やバルコニーなどは除きます。床面積は壁の中心線から採寸する壁芯面積で、戸建ては70平方メートル以上、マンションは30平方メートル以上が【フラット35】の基準です。なお、店舗併用住宅の場合は、住宅部分の床面積が全体の50%以上でなければなりません。

ちなみに、マンションの専有部分は壁の内側から採寸する内法(うちのり)面積が記載されます。登記簿で床面積を確認する場合、マンションは28.31平方メートル以上あれば適合対象です。

住宅の規格が基準に適合していない
【フラット35】では、戸建て・マンションともに原則として2部屋以上あることを適合証明の基準としています。居室は家具などで仕切れる状態でも問題ありません。そのほかキッチン、トイレ、バスルームが設置されていることが要件です。

住宅の構造が基準に適合していない
【フラット35】の適合証明書を取得するには、住宅の構造が耐火構造、準耐火構造または耐久性基準に適合していなければなりません。構造は検査済証、設計図面、火災保険証券などに記載されているので、確認してみましょう。また耐久性基準とは、基礎の高さや床下換気孔などに関する基準です。在来木造または枠組壁工法、鉄筋コンクリート造など工法別に異なる基準が設けられており、設計図または現地調査で確認します。

耐震性が基準に適合していない
建物の耐震性については、次のいずれかに適合することが条件となります。

・1981(昭和56)年6月1日以後に確認済証が交付された住宅
・表示登記における新築時期が1983(昭和58)年4月1日以後である住宅
・住宅金融支援機構の定める耐震評価基準に適合する住宅

確認済証の交付日は、確認済証のほか物件販売時のパンフレットや役所で取得できる台帳記載事項証明書でも調べられます。表示登記における新築時期は、建物の登記事項証明書を確認しましょう。

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適合証明書が取れない場合の対処法

適合証明書が取れないと、【フラット35】を利用することができません。その場合どうすればよいのか、対処法を3つ紹介します。

追加工事を実施する
適合証明書のチェック項目のうち、一部は追加工事で要件を満たせるかもしれません。たとえば、住宅の規格が適合しないなら、間取り変更で対応できるでしょう。中古物件を購入するにあたり、入居前にリフォームを考えている場合は、不動産会社やリフォーム業者に【フラット35】の適合証明書を取得したい旨を相談してみてください。

ただし、工事内容によっては当初の予算を大幅に上回る可能性があります。また、前の住人が居住中の中古物件を工事することは困難です。適合証明書は【フラット35】の契約時に提出しなくてはならないため、このケースでは追加工事での対応は難しいといえるでしょう。

適合する物件を探す
追加工事での対応が難しい場合は、購入する中古物件を選びなおすのも選択肢の一つです。中古マンションを検討しているのなら、「中古マンションらくらくフラット35」を利用してみるとよいでしょう。掲載されている物件は、技術基準に適合する物件検査を受けているため、適合証明書取得の手続きが簡素化されます。

中古マンションらくらくフラット35検索

他の住宅ローンに申し込む
【フラット35】以外の住宅ローンを検討するのも一つの方法です。民間の金融機関が提供する住宅ローンであれば、適合証明書は不要のため、希望する物件を購入できる可能性があるでしょう。しかしながら、民間の住宅ローン契約には基本的に団体信用生命保険の加入が必須とされているため、健康状態に問題があれば契約を断られることもあります。

その点、【フラット35】は勤務形態や勤続年数などに条件はなく、団体信用生命保険の加入も任意です。適合証明書が取れないからと諦める前に、【フラット35】を取り扱う金融機関に相談してみてはいかがでしょうか。

参考:【フラット35】とは?|ARUHI住宅ローン

まとめ

【フラット35】を利用して中古住宅を購入する際は、物件についての適合証明書を取得し、住宅金融支援機構の定める技術基準を満たしていることを証明しなくてはなりません。基準を満たさない場合は追加工事を行うか、購入する物件を変更することになります。中古マンションを検討しているのであれば、適合証明書取得の手間を省略できる「中古マンションらくらくフラット35」での物件探しがおすすめです。

 

(最終更新日:2024.04.19)
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