【フラット35】は決算書の提出がない! 個人事業主や自営業が利用しやすい住宅ローン!

個人事業主や自営業の人は収入が不安定なケースがあり、【フラット35】をはじめとした、住宅ローンの審査に通らないのではないかと不安に感じる人も少なくないでしょう。そこでこの記事では、個人事業主や自営業の人が【フラット35】を利用する場合、審査や必要書類がどのようになっているのか解説します。

【フラット35】とは

【フラット35】は、住宅金融支援機構と全国300以上の金融機関が連携して提供する住宅ローン商品です。金利は借入時から完済時までの全期間固定金利で、返済額が大きく変わることはありません。そのため、最後まで安定した資金計画を立てられます。

返済期間中に繰上返済や返済方法の変更を行っても手数料がかからないほか、事情に合わせて返済プランを変更するサポート体制などもあり、契約者の負担を軽くする制度が整っています。

個人事業主・自営業に該当する人

個人事業主とは、株式会社などの法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことを指します。会社員と企業間のような雇用関係はありません。家族や知り合いと事業を営んでいても、法人を設立していなければ個人事業主の扱いになります。

自営業は「自ら事業を営む人全般」を指し、本来は家業を営む人や自ら創立した企業の経営者なども含む言葉です。ただ、一般的には個人で事業を営む人を指す場合が多く、個人事業主と同じ意味と考えてよいでしょう。

どちらも働き方による分類であり、業種や業態は問いません。

個人事業主・自営業は住宅ローンに通りにくい?

個人事業主・自営業の人は、住宅ローンの審査に通りにくいといわれます。これは、個人事業主・自営業だと収入が不安定になりやすいためです。

住宅ローンに限らず、ローンを借り入れると毎月返済をしなければなりません。そのため、毎月安定的に収入が入ってくる給与所得者のほうが、返済能力は高いと見なされます。特に住宅ローンは返済期間が長期にわたることから、より長期に安定的な収入状況が求められます。

しかし、個人事業主・自営業の人は毎月の収入にばらつきがある場合がほとんどです。たとえ現在の所得が高くても安定性には欠けるため、同じくらいの収入がある給与所得者に比べて審査のハードルが高いとされます。

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個人事業主・自営業が【フラット35】に提出する書類

住宅ローンの審査が通りにくいとされる個人事業主・自営業の人が【フラット35】を申し込む場合、次に挙げる書類を提出する必要があります。

・【フラット35】借入申込書
・今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書
・納税証明書(所得金額用)および確定申告書の写しなどの所得証明書類
・工事請負契約書の写しなどの建設費が確認できる書類
・土地の登記事項証明書

個人事業主・自営業といった給与所得者以外の人だけが提出しなければならない書類が、3番目の納税証明書や確定申告書です。

これらの書類は「借入申込年の前年および前々年の公的収入証明書」と記載があるので、2期分の確定申告書が必要になります。上記書類を準備できない人は金融機関へ問い合わせてみましょう。

決算書は必要ない
個人事業主・自営業の人が住宅ローンを申し込む際、決算書を求める金融機関もあります。決算書とは年間の収支状況や財務状況を表した書類のことで、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書(以上、財務三表)などが含まれます。

個人事業主のような小規模な事業主の場合、決算書を作成していないケースも多く、決算書の提出が求められる住宅ローンはそもそも利用できません。【フラット35】では上記のような決算書の提出は求められないため、作成していない個人事業主・自営業の人でも問題なく申し込み可能です。

【フラット35】が個人事業主・自営業にとって借りやすい理由

【フラット35】は、個人事業主や自営業の人でも比較的借りやすい住宅ローンといわれます。以下ではその理由を解説します。

事業年数の指定がない
【フラット35】は、申し込みにあたって事業年数の指定はありません。

一般的な住宅ローンでは、事業年数が長いほど事業に安定性があると見なされ、独立後3年以上経過していると審査に通りやすいともいわれます。事業年数2年以上などの要件を設けている住宅ローンもあり、事業を始めて間もない個人事業主はより融資を受けにくいのが実情です。

その点、【フラット35】には事業年数の指定がないため、独立してからそれほど期間が経過していない人でも申し込めます。ただし、先述のとおり確定申告書の提出は必要なので注意しましょう。

返済負担率は前年1年間の収入で判断
【フラット35】は年収に応じて返済負担率の条件が定められており、基準を下回っていることが申込要件となっています。

具体的には、年収400万円未満の場合には総返済負担率30%以下、年収400万円以上であれば総返済負担率35%以下が基準です。総返済負担率とは、住宅ローン以外の自動車ローンや教育ローンなども含めた、すべてのローンの年間合計返済額が年収に占める割合のことをいいます。

上記の要件を満たしているかどうかを判断するベースは、直近1年間の情報です。確定申告書は2期分の提出が必要ですが、基本的に返済負担率は前年分で計算されます。

【フラット35】でも確実に借りられるわけではないため注意

個人事業主・自営業者であっても、【フラット35】なら借りやすいと紹介してきました。しかし、あくまでも「借りやすい」のであって、必ずしも審査に通るわけではありません。

たとえば、住宅ローン以外に自動車ローンや教育ローンを多く借り入れている、過去にクレジットカードやローンの滞納履歴があるなど、何らかの理由によって審査に落ちてしまう可能性はあります。

また、審査に落ちたとしても理由は明らかにされません。審査通過の可能性を少しでも上げるためには、次章で解説するポイントを意識しましょう。

まとめ

【フラット35】は決算書の提出が不要であること、直近1年間の収入で返済負担率が判断されることなどから、個人事業主・自営業の人にとっても借りやすい住宅ローンといえます。

しかし、借りやすいからといって必ず借りられるわけではありません。配偶者との収入合算による返済能力アップ、他ローンの完済・頭金の用意による借入額圧縮など、審査が有利になる工夫をしたうえでの申し込みがおすすめです。

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(最終更新日:2024.04.19)
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