住宅ローンの不安はさまざま…よくある不安を解消するための対策を紹介

マイホームを購入する際、ほとんどの人は住宅ローンの利用を検討します。しかしながら、多額の借り入れと長期にわたる返済に不安を感じる人は少なくありません。そこで今回は、住宅ローンに対してどのような不安があるのかを掘り下げ、不安を解消するための方法を紹介します。

住宅ローンに関するよくある不安

住宅ローンへの不安として多いのは、「返済していけるのか」「住宅ローンの返済が家計の負担にならないだろうか」などの返済に関することです。また、金融機関の審査も不安材料に挙げられます。

審査に通るのか
住宅ローンを組むには、まず金融機関の審査を通過しなければなりません。通常、審査は事前審査と本審査の2段階で行われます。事前審査は、申込者の返済能力を調べて融資の可否を決定するためのものです。チェック項目は、職業・勤務先・勤続年数・年齢(申込時と完済時)・資産の有無・健康状態・家族構成など多岐にわたります。

もし事前審査で「融資不可」と判断されれば本審査へは進めません。つまり、その金融機関では住宅ローンを組めないということです。そのため、審査に通るかどうかを不安に感じる人もいるでしょう。

返済していけるのか
住宅ローンを組んでマイホームを購入した後は、毎月の返済がスタートします。返済期間は借入額や返済プランによって変わりますが、30年以上の長期になるのが一般的です。途中で返済が滞ると金融機関から催促状や督促状が届き、応じなければ期限の利益(分割で返済する権利)を失います。そうなると残債を一括返済しなくてはなりません。

一括返済が難しい場合は最終的に競売にかけられ、自宅を手放さなければならない事態、さらには自己破産に陥る可能性があります。契約時の経済状態が良好でも、長期の返済中には何が起こるか分かりません。返済していけるかどうかを不安に感じるのも無理はないでしょう。

金利の上昇
住宅ローンの金利タイプは、固定金利と変動金利の2種類に分かれます。変動金利の利率は、基本的に固定金利よりも低く設定されており、長らく低金利が続く日本では変動金利タイプの住宅ローンを選ぶ人が多い傾向です。

ただし、変動金利は市場金利と連動しており、金利上昇によって毎月の返済額が増えるリスクを抱えています。金利がいつ、どのくらい変動するのかを予測するのは難しく、変動金利の住宅ローンを利用している間は常に金利上昇の不安と隣り合わせです。

家計への負担
住宅ローンの返済計画を立てる際は、将来的な支出の増加を考慮することが大切です。子どものいる家庭では、子どもの成長とともに教育費が増加するのが一般的です。年齢を重ねるにつれて病気のリスクが高まるため、医療費が増える可能性もあるでしょう。

物価上昇で家計を圧迫する可能性もゼロではありません。マイホームを維持するための修繕費も必要です。そのほかにも、家族構成やライフスタイルの変化で突発的な出費が発生することも考えられます。

考えればキリがありませんが、予測できないことは誰もが不安に感じるのではないでしょうか。そのためにも、なるべく余裕のある返済計画を立てると同時に、万が一の際に備える必要があるといえます。

退職後の返済
定年後も住宅ローンの返済が続く場合は、収入が減っても返済を続けられるのかを検討する必要があります。退職金を繰り上げ返済にあてるケースは多いですが、完済できなければ老後の生活資金を圧迫します。建物の老朽化でリフォームの必要性が出てくるかもしれませんし、老後は医療費もかかりがちです。

できれば定年前に完済したいところですが、40代50代で住宅ローンを組んだ場合は定年までに残された期間が短く、退職後にどうやって返済していくかを不安に感じる人は少なくありません。

住宅ローンの不安を解消するための対策

将来のことは誰にも分からないため、「住宅ローンの返済にまったく不安を感じない」という人は、おそらくいないのではないでしょうか。さまざまな不安を少しでも解消するために、ここからは住宅ローンを申し込む前にできる対策について解説します。

返済負担率(返済比率)を抑える
返済負担率(返済比率)とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。年間返済額には住宅ローン以外の借り入れも含まれます。理想的な返済負担率は20~25%程度とされていますが、なるべく低く抑えたほうが家計への負担は少なくなるでしょう。

なお、返済負担率は金融機関の審査項目の一つであり、基準を超えると融資を断られる可能性があります。基準は金融機関によって異なりますが、30~35%を上限とすることが多いです。

返済負担率を下げる方法としては、以下のようなものが挙げられます。

・頭金を多くして借り入れを少なくする
・物件価格を抑える
・借入期間を長くする

そのほか、ローンで購入したものの利用頻度が少ない車は思いきって売却するなどして、返済額を減らしておくのも一つの方法です。

住宅購入のタイミングを考える
マイホーム購入のタイミングは人それぞれです。結婚や出産の前後、子どもの入学などライフイベントに合わせたタイミングで購入するケースが多い傾向です。また、年収アップや頭金が貯まったなど資金の準備ができたタイミングで購入するケースもあります。

自分にとってベストなタイミングを見極めたいところですが、年齢を意識することも重要です。ほとんどの金融機関では、完済時年齢を80歳と定めています。もし35年返済とするなら、45歳には住宅ローンの返済をスタートしなくてはなりません。老後の生活に不安を感じる場合は定年前に完済できるよう、なるべく若いうちに購入したほうがよいでしょう。

金利タイプを慎重に検討する
固定金利は契約時の利率がずっと続くため、金利上昇へのリスクヘッジになりますが、市場金利が下がった場合にも高い金利を支払い続けることになります。一方、変動金利は金利上昇によって毎月の返済額が増える可能性があります。どちらを選ぶべきか迷う場合は、変動金利と固定金利を併用できるミックスローンを利用するのも一つの方法です。

ミックスローンでは、たとえば「借入額の70%を変動金利、30%を固定金利」のように自由に組み合わせることができます。金利の動向をチェックして負担増になりそうと感じるほうを繰り上げ返済していけば、最終的な総返済額を抑えることにもつながるでしょう。

まとめ

住宅ローンの不安を解消するには、まず、返済中にどのようなリスクがあるか把握する必要があります。そのうえで購入のタイミングを決めたり、金利タイプを選んだりすれば、不安は軽減されるのではないでしょうか。

ポイントは、ライフプランをしっかりと考えてシビアな返済計画を立てることです。無理なく返済を続けられるよう、借り入れを抑える工夫として頭金も準備しておきましょう。なお、金利の上昇は予測がつかないため、不安な場合は固定金利やミックスローンの利用を検討してみてください。

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