低年収でも住宅ローンを組む方法|年収100万円台ならいくらまで借りられる?

年収100万円台の人でも、住宅ローンを組んでのマイホーム購入は可能なのでしょうか。収入が少なくてもマイホームを取得したいと考えている人に向けて、低収入でも住宅ローンを利用するための方法を紹介します。また、年収が少ないと住宅ローンが組みにくい理由、年収100万円台の人の借入限度額についてもわかりやすく解説します。

低年収でも住宅ローンは組めるのか?

結論からいうと、年収100万円台の低年収でも絶対に住宅ローンが組めないということはありません。金融機関によっては審査を通過できることもあります。ただ、融資の要件が厳しくなるうえ、利用できる商品や金融機関の選択肢は少ないのが実情です。

【フラット35】など一部の住宅ローンは、年収100万円台の人や正社員でない人でも利用できる可能性があります。ただし、借りる金額が少ない場合でも、継続して安定的な収入が見込める必要があるという大前提は変わりません。

低年収だと住宅ローンを利用しにくい理由とは

金融機関が融資の可否を判断するうえで、大きな要素になるのが年収です。年収が多く安定している人ほど返済能力が高いと判断されるため、住宅ローンを借り入れやすくなります。年収100万円台だと、仮に融資を受けられたとしても大きな金額は借りられないでしょう。なぜ低年収の人は住宅ローンを利用しにくいのか、理由を詳しく解説します。

『正社員』『年収300万円以上』などを融資条件としている金融機関が多いため
たいていの金融機関は融資の条件を明記していません。そのため、実際にどれくらいの年収があれば住宅ローンを利用できるのかわからないケースが多くなっています。

融資条件を明らかにしている金融機関では、雇用形態や収入に関して「正社員」「年収200〜400万円以上」などの条件を設けていることが少なくありません。融資条件を明示していなくても、同じような基準を設けている金融機関もあると考えられます。このことから低年収だと条件を満たさず、融資を受けられない可能性が高いと推察できます。

借りられる金額かつ住宅ローンが利用できる物件が少ないため
たとえ契約できたとしても、借りられる金額が少ないというのも、年収100万円台の人が住宅ローンを利用しにくい理由の一つです。

借り入れできる金額の範囲内でマイホームを購入しようとすると、安価で売られている築古の木造住宅などを中心に検討することになります。しかし、こうした物件は老朽化が進んでおり担保価値が見込めません。担保価値が低いと万が一の際の債権回収が難しくなるため、金融機関は融資を見送る可能性が高いでしょう。

仮に住宅ローンを組めたとしても、収入と担保価値の低さにより短期間でしか借りられないことも考えられます。返済期間が短ければ毎月の返済額は増えるため、たとえ借入額が少なくても、金融機関が求める返済負担率の条件を満たせないかもしれません。返済負担率(返済比率)とは年収に占める年間ローン返済額の割合のことです。年収が低いと、返済負担率をいっそう低く抑えるよう求められるケースが多くなります。そのため、自己資金を多く用意できなければ、住宅ローンを組んでマイホームを購入するのは難しいでしょう。

返済負担率などの条件が厳しくなる場合があるため
上述のとおり、低年収だと返済負担率に関する条件が厳しくなることが多いのも、年収100万円台の人が住宅ローンを利用しにくい理由です。

【フラット35】を例に見ると、年収400万円以上では返済負担率35%以下が基準となっているのに対し、年収400万円未満では返済負担率30%以下と厳しくなっています。ほかの住宅ローンでも「年収300万円以下」「年収200万円以下」といったラインで、返済負担率20%以下などの条件が設定される場合が見られます。

年収180万円の人が返済負担率20%以下でローンを組むとすると、年間返済額が36万円となり、35年ローンでは利息込みで最大1,260万円までしか借りられません。総返済額が1,260万円以内ということは、金利が2%の場合に借りられるのは約900万円までです。返済負担率30%以下でも年間ローン返済額の上限は54万円で、35年ローン・金利2%だと、利息込みで1,890万円(借入金額は約1,350万円)が限度です。

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年収100万円台でいくらまで住宅ローンを組める?

年収100万円台で住宅ローンを組むとき、いくらくらいまで借りられるのでしょうか。【フラット35】の基準である返済負担率30%以下を満たすものとして、以下の条件で借りる場合の借入限度額を見ていきましょう。

なお、試算にはこちらのシミュレーションを利用します。
現在の年収から試算 | 住宅ローンシミュレーション

シミュレーション結果を年収別にまとめると以下のとおりです。

上記より、年収100万円台で35年ローンが組める物件を見つけられたとしても、借り入れられるのは700万〜1,400万円程度となります。

また、ローン審査は数多くの基準から総合的に判断するものであり、年収や返済負担率の基準を満たしていても、必ずしも通るとは限りません。

年収が低い人が住宅ローン審査に通過するために検討すべきことは?

年収100万円台の人が住宅ローン審査に通過する可能性を高めるためには、どのような対策を検討すべきか解説します。

自己資金を多めに用意する
前述のとおり、年収100万円台で35年ローンを組む場合、借りられるのは多くても700万〜1,400万円程度です。この金額は一般的な物件の相場を大きく下回るため、マイホームを購入するには頭金(自己資金)を多く用意しておく必要があります。また、審査の通過可能性を高めるためにも、頭金を入れて返済負担率を20〜25%程度に収めたいところです。

『ペアローン』や『収入合算』『親子リレー返済』などを検討する
収入が低いために単独では住宅ローンを組めない場合、夫婦や親子で連携するという選択肢を検討しましょう。具体的には「ペアローン」「収入合算」「親子リレー返済」の活用が効果的です。

ペアローンとは、購入する住宅に対する親子・夫婦の持分割合に応じて、各自で別々の住宅ローンを組み、お互いに連帯保証人となる方法です。これに対し、住宅ローンの申込者本人の年収に、近親者(配偶者や父母、子など)の年収を加えて、住宅ローンを借り入れる方法を収入合算と言います。

親子リレー返済は親が当初の一定期間返済し、タイミングが来たら返済義務が子に引き継がれるという方法です。親子の収入を合算できるのでペアローンや収入合算と同様、より多くの金額を借りられるようになります。

リフォームを検討する
相続・贈与で取得した実家を所有していたり、現金で購入可能な安い中古物件が見つかったりしたケースでは、リフォームして住むのも有効な選択肢です。リフォームにかかる費用だけを工面すればよいので、借入額そのものを抑えられる可能性があります。

リフォーム単体で借り入れる場合、住宅ローンではなくリフォームローンを利用するのが基本です。ただし、リフォームローンは住宅ローンに比べて金利が高く、返済期間も短く設定されるケースが多いので注意しましょう。

なお、【フラット35】にも「中古住宅購入+リフォーム」もしくは「リフォーム済み中古住宅の購入」の場合に利用できる「【フラット35】リノベ」という商品があります。年収400万円未満で返済負担率30%以下という基準は通常の【フラット35】と同様ですが、借入希望額自体が少ないので、低収入でも条件を満たせる可能性は高まるでしょう。

まとめ

年収100万円台の低年収でも住宅ローンを利用できる可能性はありますが、対応している金融機関は少なく、借りられる金額も少なくなります。購入可能な価格帯では住宅ローンが利用できる物件がそもそも多くないこともあり、単独で住宅ローンを組む選択肢は限られるでしょう。

年収100万円台の場合、仮に35年ローンを組めたとしても、借入可能額は700万〜1,400万円程度です。年収100万円台でマイホームを購入するなら自己資金の増額、夫婦や親子での収入合算、中古物件のリフォームといった方法も検討しましょう。

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(最終更新日:2024.04.19)
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