福岡県は平均年収が高い? 年代別・男女別・産業別の平均年収や求人状況を解説

九州地方の工業・商業の中心地として知られる福岡県。北九州工業地帯を中心に鉄鋼や化学、機械工業などが発達し、さらに近年ではIT企業の進出も目立ちます。経済が活発な福岡県で職に就く場合、どれくらいの年収が見込めるのでしょうか。

今回は、福岡県の平均年収について詳しく解説します。福岡県での就職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

福岡県の平均年収はいくら?

さっそく福岡県の平均年収を見ていきましょう。総務省統計局が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」の調査結果をもとに、福岡県の平均年収を年齢・男女別・産業別に解説します。

福岡県の平均年収
「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、福岡県のきまって支給する現金給与額は平均32万4,300円(月額)、年間賞与その他特別給与額は82万1,400円です。月額の現金給与額12ヶ月分と年間賞与その他特別給与額をあわせた平均年収は471万3,000円となります。

これに対し、全国の平均現金給与額は34万100円、年間賞与その他特別給与額は88万4,500円、これらをもとに算出した平均年収は496万5,700円です。

全国平均と比べると、福岡県の平均年収はやや低い水準だといえるでしょう。

年齢別・男女別の平均年収
福岡県の平均年収を、年齢別・男女別に見ていきましょう。

年齢別平均年収は50~54歳になるまでなだらかに上がり、60歳を境に大きく下がっています。

最も高い50~54歳の平均年収額は564万5,300円。一方で最も低いのは19歳以下で263万2,500円、次いで平均年収が低いのは70歳以上で310万2700円でした。

また男女別の調査では男性の平均年収が524万7,500円、女性の平均年収が385万9,600円と、男女間で138万円以上もの差があることがわかりました。

なお正規の労働時間である所定内実労働時間数の平均は、男性が月167時間、女性が月163時間。残業などの超過実労働時間数の平均は男性が16時間、女性が7時間でした。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)|令和4年賃金構造基本統計調査

産業別の平均年収
続いて、福岡県の平均年収を産業別に見ていきましょう。

平均年収が最も高いのは電気・ガス・熱供給・水道業、次いで建設業、学校教育となりました。また、情報通信業や学術研究、専門・技術サービス業、金融業、保険業も年収が高い傾向にあります。

反対に、繊維工業や宿泊業、飲食サービス業、食品製造業などの平均年収は、表内に挙げた産業のなかでは低めでした。

なお、表内の産業で平均年収が最も低い繊維工業の平均勤続年数は20.1年、所定内実労働時間数の平均は178時間、超過実労働時間数の平均は8時間。

対して、最も高い平均年収の電気・ガス・熱供給・水道業の平均勤続年数は22.3年、所定内実労働時間数の平均は161時間、超過実労働時間数の平均は10時間でした。

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)|令和4年賃金構造基本統計調査

福岡県の主な産業

福岡県での就業を検討するときには、主な産業をおさえておくことも大切です。ここからは、福岡県の主な産業を紹介します。

工業・製造業
福岡県では工業・製造業が発達しています。古くから鉄鋼・石炭が盛んでしたが、近年では自動車・自動車関連部品に代表される輸送用機関器具の製造が活発です。日産自動車九州・トヨタ自動車九州・日産車体九州3つの自動車メーカーの工場に加え、約600社の関連企業が置かれています。

自動車部品の製造では、半導体や自動車タイヤなどのゴム製品、環境にやさしい次世代のエネルギーとして世界から注目される水素・燃料電池の研究・開発などが、国内で高いシェアを獲得しています。

福岡県では食料品製造業も盛んです。調味料や海藻加工品などのシェア率は特に高く、全国有数のシェア率を誇っています。

情報通信業
福岡県は情報通信業が発展しているのも特徴です。ゼンリンやベガコーポレーション、エクシーズなど、日本を代表するIT関連企業が福岡県に拠点を置いています。

福岡は都市機能の充実ぶりや、海外との行き来にも便利であることに加え、行政による情報通信業へのバックアップも充実しています。

特に北九州市はIT企業の誘致の実績が高く、日本でもシェア率が高いメッセージアプリを運営する旧LINE(現LINEヤフー)や旧ヤフー(現LINEヤフー)、GMOインターネットグループなど名だたる企業の誘致に成功しています。大企業が拠点の一つに福岡県を選んだことで、関連企業の移転やサテライトオフィスの開設も進み、さらなる発展をみせました。

IT分野への就業を考えている人は、福岡県での仕事探しもぜひ視野に入れてみましょう。

農業・水産業
工業や情報通信業のほかに、福岡県で盛んな産業として挙げられるのが農業・水産業です。

福岡県では稲作や野菜・果樹などの栽培も盛んで、お米の「夢つくし」「元気つくし」、いちごの「あまおう」、ラーメン用小麦の「ラー麦」、博多和牛などブランド農産・畜産物も数多く出荷されています。

また、福岡県は有明海・筑前海・豊前海に面していることから、博多漁港を中心に漁業や養殖業も盛んです。特にマダイやイサキ、ガザミ類などは日本国内でも有数の水揚げ量を誇っています。特に生産量が多いのは養殖のりで、全国の約2割を占めています。

福岡県の求人状況は?

福岡県の有効求人倍率は、2022年以降1.1~1.3倍くらいで推移しており、2023年7月の有効求人倍率は1.20倍でした。

厚生労働省が発表した同時期の有効求人倍率が1.29倍だったので、統計と比べるとほぼ同程度といえます。

福岡県のなかでも福岡市は特に求人が多く、就職や転職がしやすいエリアです。また北九州市は建設業・製造業、運輸・通信業、製造業の求人が多い傾向にあります。

福岡県で就職先を探すなら、まずは求人の数が多い福岡市・北九州市を中心に探してみましょう。

出典:雇用情勢(令和5年7月分)について | 福岡労働局

まとめ

福岡の平均年収は471万3,000円。全国平均よりもやや低い数字ですが、福岡市・北九州市を中心に自動車産業やITなどの情報通信業などが発展し、求人数も多いのが特徴です。

特にIT関連企業は、行政による誘致活動が活発な地域もあるので、働く環境が整備されているところも数多くあります。年収だけでなく、どの産業が強いのか、どんな環境で働けるのかもふまえて検討してみましょう。

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