ファイターズの新球場誕生で注目が集まる「北広島」。周辺では大規模な開発プロジェクトが進行中

2023年3月、エスコンフィールドHOKKAIDO(以下:エスコンフィールド)が開業したことにより、北広島市が注目を集めています。

北海道日本ハムファイターズの試合観戦で北広島市に訪れる北海道民が増加し、それに伴って北広島駅西口周辺では大規模な活性化事業が進められています。

この記事では、北広島市で新たに生まれた新球場の詳細や、北広島駅西口周辺エリアで進められている活性化事業を見ていきましょう。

日ハム新球場誕生で注目が集まる北広島

プロ野球・北海道日本ハムファイターズが、札幌市内にある札幌ドームから、北広島市のエスコンフィールドに球場を移転しました。

エスコンフィールドが完成したことで、北広島市内では経済効果が期待されており、また再開発も進んでいます。

札幌駅は電車で約16分の場所にある北広島市
札幌市に隣接する北広島市は、JR札幌駅から快速「エアポート」に乗車すると、わずか16分で北広島駅に到着します。

北広島市の人口は約5万7,000人(2023年5月時点)で、札幌都市圏内のベッドタウン需要がありながら、新千歳空港にも電車で約21分とアクセスのよい場所に位置しています。北広島市は札幌市と新千歳空港の間の丘陵地帯にあり、豊かな自然を有するのが特徴です。

2023年3月にボールパークが開業

ボールパーク全体イメージⒸH.N.F.

2023年3月14日、新球場・エスコンフィールドを核とした北海道ボールパークFビレッジ(以下:ボールパーク)が開業しました。ボールパークは球場以外にも、飲食や買い物、レジャーなどを楽しめる空間となっています。

エスコンフィールドは、米国の設計会社「HKS」(本社テキサス州)が設計した球場であり、メジャー施設のような球場となっています。多数の飲食店のほか、温泉や宿泊、レジャー施設などを備えた、来場者があらゆる娯楽を楽しめる場所です。

グラウンドの様子ⒸH.N.F.

エスコンフィールド開業で北広島市では再開発事業が進む
エスコンフィールド開業によって、北広島市ではアクセス拠点「北広島駅」を中心とした再開発事業が進められています。次から、北広島市で進められている再開発事業をいくつか紹介します。

北広島駅西口周辺の活性化事業『キタヒロ・ホームタウンーBASE2021-2029』

『キタヒロ・ホームタウンーBASE2021-2029』とは、ボールパーク建設によって注目される北広島市において、北広島駅西口の低未利用地を活性化する事業です。本事業は、エスコンフィールドなどを開発した日本エスコンと北広島市のパートナーシップ締結による、官民創世のプロジェクトです。

ホームタウンのような街を目指し北広島駅西口にベース拠点をつくる
『地域の住民・事業者・観光客・ファン・ビジネスマンなどまちを大好きな多くの人・多様な人材があつまる「ホームタウンのベース拠点」』をコンセプトに、活性化事業が進められています。北広島駅西口周辺では、野球観戦前に商業施設で楽しめたり、街に訪れた人同士が交流したりする空間の創出を目指します。

活性化事業のコンセプト『キタヒロ・ホームタウンーBASE』(株式会社日本エスコン提供)

北広島駅西口では、具体的に以下の3つのエリアにわけて活性化事業が進められています。

1. 駅前エリア…駅周辺の市街地のつながりを強化する複合交流地点
2. 北エリア・その他エリア…分譲住宅設備などを初めとした生活基盤の整備
3. 駅西口周辺エリア…沿道景観や歩行者空間の整備などによる歩車共存の街並みづくり

本活性化事業は、2020年度~209年度までの約10年間の事業期間を使い、段階的に進められる予定です。

第1弾プロジェクトとしての駅前広場などの活性化事業

駅西口 周辺エリアの各ゾーン(株式会社日本エスコン提供)

北広島駅西口周辺エリアの活性化事業は、駅前エリアに含まれる市有地Aの整備から始まります。市有地Aは、次の3つのエリアで構成されています。

1. 駅前広場
2. 複合交流拠点
3. 立体的広場・公園

駅前広場の整備で新たなまちの玄関をつくる
1つめの駅前広場の活性化事業では、ボールパークへ向かうシャトルバスが、新たな専用乗降場やバス待機場に停車します。この整備により、既存の路線バスや送迎車などとお互いに影響を与えることなく、シャトルバスを運用できるようになります。

2021年11月時点での駅前広場活性化事業の完成イメージ(株式会社日本エスコン提供)

また、既存利用者との同線分散を図るため、新たに歩行者デッキを整備します。この駅前広場の活性化事業の完成予定は2023年です。

現在の北広島駅西口駅前広場(2023年8月15日筆者撮影)

複合交流拠点や立体的広場・高専の整備で新たな交流の場をつくる
2つめの複合交流拠点では、地上14階建てのビルが建設され、工場併設型店舗やスポーツジム、クリニック、ホテルなどが入居します。完成予定は2024年です。

3つめの立体的広場・公園では、従来の駅前西口公園の機能を拡充し、屋内外それぞれに広場や公園を整備します。この公共空間の整備によって、駅前広場の憩いの場の創出や、地元飲食店によるキッチンカーなどの出店を図ります。立体的広場・公園の完成予定は、2024年です。

北広公園周辺で進む活性化事業

北広島駅西口駅前広場から歩道橋を挟んですぐの場所に、市有地Bおよび北広公園があります。このエリアでは、居住交流拠点の整備、および北広公園の再活性が進められています。

居住交流拠点の整備による居住誘導を図る
市有地Bを活用し、分譲住宅や子育て支援設備、生活利便施設などの整備を行います。15階建ての分譲住宅が建設され、3階には交流ラウンジができます。

本活性化事業によって、若者や子育て世代などの交流拠点をつくり、居住誘導を促すのが狙いです。居住交流施設の完成予定は、2025年度です。

市有地B2022年12月時点での完成予想イメージ(株式会社日本エスコン提供)

北広公園の利活用により居住交流施設の価値を最大化する
居住交流施設の価値を最大化するため、現在の北広公園を利活用します。北広公園は自然環境を活かしたつくりとなっており、憩いの場やアクティビティのある場を創出しています。

北広公園の遊具エリア(筆者撮影)

また、イベントを開催できる空間や、子どものための教育環境のある空間を整備することで、居住交流施設との相乗効果を生み出します。この北広公園の整備は、2023年から進められる予定です(2023年8月15日時点では特に整備している様子はありませんでした)。

北広島駅西口周辺エリアではその他再開発事業が進む

これまで紹介したエリア以外にも、北広島駅西口周辺エリアでは活性化事業が進められています。中でも、注目すべき活性化事業をいくつか紹介します。

市有地C・Dでは分譲住宅・駐車場整備が進む
北広島駅西口周辺の北口エリアにある市有地C・Dでは、分譲住宅などの整備が行われます。暮らしを便利にする生活利便機能などを低層部に誘致し、多様な世代に対応した住宅環境を目指します。

さらに、分譲住宅などの整備に加え、市有地Dで進められるのが公共駐車場の整備です。公共駐車場を整備することで、野球観戦者を含めた、あらゆる人を受け入れられる環境を創出します。

民有地でも低未利用地活用や機能更新を図る
北広島駅西口周辺エリアでは、市有地に留まらず、民有地も含んだ一体のまちづくりの波及を目指しています。当エリア内にある民有地所有者と方向性を共有し、課題解決による低未利用地活用や機能更新を図ります。

また、機能更新を通じて生活の利便性を向上したり、歩行者空間の整備を目指したりするとのことです。

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