「調布市」の魅力を大解剖! 新宿へ20分弱の利便性&豊かな自然で子育て世代におすすめの街

調布市は武蔵野台地の南側に位置し、多摩川が流れる自然豊かな行政区です。世田谷区に隣接し、通勤利便性の高さもあり住宅地としても発展しました。今回は、自然と利便を兼ね備えた調布市の魅力と住宅事情を紹介します。

調布駅前
調布駅前(筆者撮影)

新宿副都心から約15キロメートル、甲州街道が通る交通の要衝 

調布市は東京都の中央あたりに位置しており、東は世田谷区、北は三鷹市、小金井市、西は府中市、南は狛江市に隣接しています。

五街道の一つである甲州街道が通り、江戸時代は国領などが宿場として整備されました。1913年に京王線の笹塚-調布間が開通。新宿副都心へ約15キロメートルの近さで、郊外の住宅地として注目され工場なども進出しました。高度成長期には多摩川住宅などの団地も造られ、人口も大きく増加。1964年に10万人、2000年には20万人を超え、現在も人口は増え続けています。

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多摩川住宅の街並み
多摩川住宅の街並み(筆者撮影)

【調布市のデータ】
総面積…21.58平方キロメートル
人口…23万9,213人(2023年6月1日現在)
世帯数…12万3,560世帯(2023年6月1日現在)

調布市に住み続けたいが89.4% 交通の便が良く、豊かな自然があり、買い物が便利な街

調布市の人口が増え続けているのには理由があります。一つ目は、甲州街道や中央自動車道路が通り、京王線が利用できる交通アクセスの良さ。二つ目は、多摩川や神代植物公園など豊かな自然があること。三つ目は、調布駅など買い物が便利な街が多く、生活利便性が高いことです。

調布市都市計画道路
調布市都市計画道路の整備状況(平成25年時点)出典:調布市都市計画マスタープラン

調布市民意識調査報告書 令和3年度版」によれば、「調布市に住み続けたい」と答えた人(「住み続けるつもりでいる」+「事情が許せば住み続けたい」)は89.4%に上ります。調布市に住み続けたいと答えた人に聞いた調布のまちの魅力や個性・特色の上位は、以下のようになっています。

図1

調布市の交通は、新宿と結ばれている京王線の利用が便利です。市の中央を東西に横断し、市内に駅が9駅あります。新宿駅からは特急を利用すれば20分弱で調布駅に到着できます。この調布駅を中心にバス網も整備されており、南北の移動の多くはバスが利用されています。

多摩川の向かい側は東京都稲城市や神奈川県川崎市となっており、大手・中堅メーカーの社屋が集積する多摩川沿いにも往来しやすいロケーション。調布市は、職住近接をかなえる街と言えるでしょう。

神代植物公園
神代植物公園(画像素材:PIXTA)

調布市内には神代植物公園、野川公園、多摩川河川敷、調布基地跡地などの大規模な公園緑地やオープンスペースがあります。こうした広大な憩いのスポットが身近にあるのは、調布市で暮らす大きな魅力です。
調布市内には「国分寺崖線」と呼ばれる崖地の連なりがあり、市内の高低差は約32メートルもあります。崖下からの湧水は、野川や仙川などの水源となっており調布市の豊かな自然の源となっています。

調布市野川の桜
調布市野川の桜(画像素材:PIXTA)

その中でも、開園面積50万平方メートルを超える神代植物公園は、多彩な植物を観賞できる東京都内唯一の植物公園。園内は、ばら園、つつじ園、うめ園、はぎ園をはじめ、植物の種類ごとに30ブロックに分けられており、約4,800種類、10万本・株の四季折々の樹木が植えられています。植物・園芸に関する展示会なども開かれているほか、登録制で利用できるドッグランも用意されており、愛犬と気持ちよく過ごすこともできます。

深大寺
深大寺(筆者撮影)

調布市には史跡も多く、関東有数の古刹(こさつ)である深大寺周辺には歴史的・文化的風情の感じられる街並みが残され、社寺林や周辺の里山により良好な景観が形成されています。深大寺は奈良時代に創建されたとされ、「銅像釈迦(しゃか)如来像」は、国宝に指定されています。深大寺そばなどの観光資源もあり、平日も多くの観光客でにぎわいを見せています。

深大寺周辺の街並み
深大寺周辺の街並み(筆者撮影)

電気通信大学をはじめ、桐朋学園、白百合女子大学、東京慈恵会医科大学が立地する学園都市であることも調布市の特徴。ラグビーワールドカップの会場にもなった味の素スタジアムや調布市総合体育館などのスポーツ施設も充実しています。

武蔵野の森総合スポーツプラザ
武蔵野の森総合スポーツプラザ(画像素材:PIXTA)

2017年には、味の素スタジアムの西側に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会会場ともなった武蔵野の森総合スポーツプラザが開業しました。子どもが健やかに成長する場が豊富にあるのも調布市の魅力でしょう。

調布市花火大会
調布市花火大会(画像素材:PIXTA)

また、多摩川などの自然風景がある調布市は、映画の撮影所など映画・映像関連の企業が集まる街としても知られています。調布市では、「映画のまち調布ガイドブック」を作成するなど、映画のまちとしてのPR活動も実施。「映画のまち調布 シネマフェスティバル」も行われています。

京王線の地下化・高架化で街の回遊性が大きく向上

調布市の市街地は、1913年に開業した京王線の駅を中心に形成されています。調布市内では、京王線が甲州街道とほぼ並んで通っているので電車アクセスと同様に各駅からは車のアクセスも良好です。

つつじヶ丘駅周辺
つつじヶ丘駅(筆者撮影)

調布市内の2022年度の1日当たりの駅乗降客数は、10万人台の調布駅が最も多く、次いで6万人台の仙川駅、さらに3万人台のつつじヶ丘駅、国領駅と続きます。飛田給、柴崎駅、布田駅、西調布駅、京王多摩川駅の乗降客数は1万人台となっており、ほかの駅に比べ街がコンパクトです。

2004年からは、柴崎駅~西調布駅の約2.8キロメートルの区間と京王相模原線の調布駅~京王多摩川駅の約0.9キロメートルの区間を地下化する調布駅付近連続立体交差事業を実施。2012年に工事が終了し、2014年に事業が完了しました。これにより市内18ヶ所の踏切が解消され、8ヶ所の都市計画道路が立体化されました。

調布駅前のロータリー
調布駅前のロータリー(筆者撮影)

地下化によって生まれた鉄道敷地の空間は、にぎわいや交流、うるおいや安らぎの空間として有効活用されています。調布駅を訪ねると地下化による効果の大きさが実感できます。駅前には、広大な広場空間が設けられ、開放感とゆとりあるスペースが生まれています。利用者数の多い既成の市街地でこれだけの空間が生まれたのは、地下化の大きなメリットでしょう。

トリエ京王調布A館
トリエ京王調布A館(筆者撮影)

2017年には、調布駅の地上部分にトリエ京王調布A館がオープン。トリエ京王調布はA館、B館、C館の3つの施設で構成され、駅上のA館には食品やレストラン、ファッションなどのお店が。B館には、家電量販店であるビックカメラ、C館の2階から4階には、イオンシネマシアタス調布などが入っています。また、C館の1階にはカフェなどが入っているほか、線路跡のスペースに憩いのスペース「てつみち」が設けられています。小さい子どもと一緒にベンチでくつろぐ家族の姿も見られます。

憩いのスペース「てつみち」
憩いの空間「てつみち」(筆者撮影)

調布市では、1万6,000平方メートル超の広さがある調布駅前広場整備計画を2021年3月に決定。約2,000平方メートルのイベント空間を設けるなど、4つのゾーンを設定し、2026年3月の完成に向けて工事が進められています。イベント空間では、マルシェやお祭りなどが行われる予定です。

整備中の調布駅前の広場
整備中の調布駅前の広場(筆者撮影)

2005年に市街地再開発事業が完了している国領駅も、地下化によって2016年に広大な広場空間が生まれています。線路で分断された南北の空間で歩行者が往来しやすくなり、頻繁に起こっていた渋滞も解消。京王線の地下化は、調布市で暮らす人々に大きな利便性向上をもたらしました。

バス便エリアなら4,000万円台で新築戸建てが買えるエリアも マンション価格は上昇中

調布市の鉄道路線は、京王線と京王相模原線の2路線のみのため、深大寺周辺などバスでアクセスする地域も多くあります。調布市染地には、狛江市とまたがる東京都住宅供給公社が手掛けた1966〜1969年竣工の大規模団地「多摩川住宅」があります。約50ヘクタールの大規模団地で、高度成長期における東京の人口増に対応するため多摩川に近い広大な田園地帯に建設されました。

「シティテラス多摩川」の建設地
「シティテラス多摩川」の建設地(筆者撮影)

現在、「多摩川住宅」は再生の時期を迎えています。建て替え事業によって、その「ホ号棟」380戸が大規模マンション「シティテラス多摩川」として生まれ変わり、2023年10月より販売が行われる予定です。第1期24戸の予定販売価格は、専有面積55.57平方メートル~75.09平方メートルに対し、3,390万円~5,390万円予定。調布駅までは「多摩川住宅中央」バス停から「調布駅南口」バス停まで約13分などバスアクセスが中心となるため、リーズナブルな価格設定となっています。

シティテラス多摩川完成予想CG
シティテラス多摩川完成予想CG(出典:多摩川住宅リリース

戸建て住宅も分譲も活発で、バス便エリアなら4,000万円台で十分検討可能です。また、敷地面積を抑えた戸建てなら、駅徒歩圏でも5,000万円台で検討できる物件も。戸建て住宅は、比較的探しやすいエリアと言えるでしょう。

調布駅前の街路
調布駅前の街並み(筆者撮影)

一方、駅から歩ける新築マンション価格は上昇しています。商業利便性が高く人気のある仙川駅や調布駅などでは、3LDKタイプの中心価格が6,000万円台を上回る場合も。駅に近い立地のマンション適地が限られているため、相応の価格設定になっています。また、特急・急行電車が停車しない西調布駅では、3LDKタイプが4,000万円台で検討できるなど、駅によって相場観が大きく異なります。

通勤利便性では、特急停車駅である調布駅が最も便利。次いで急行停車駅であるつつじヶ丘、快速急行が利用できる仙川駅となります。日中の電車の本数も駅ごとに異なるので、よく確認しましょう。

次に調布市内の筆者おすすめの街を紹介します。

にぎわいある商店街と多彩な店がそろう暮らしやすい街・仙川

仙川駅前
仙川駅前(筆者撮影)

一つ目におすすめしたいのが世田谷区に隣接する仙川駅です。仙川駅は、千歳烏山駅の隣に位置する住宅街。駅周辺に商店街や商業施設が集積する生活利便性の高い街で、白百合女子大学や桐朋学園などの教育施設のそろった文教のまちでもあります。

仙川の住宅街
仙川駅の街並み(筆者撮影)

仙川駅周辺の商業地域および近隣商業地域の一部は駅の景観形成推進地区に指定されており、建物の屋外階段や設備を見えにくく配置するなど美観に配慮した街づくりが進められています。2020年には仙川駅のビルがリニューアルされ、商業施設側の改札も新たに設けられました。

仙川商店街
仙川商店街(筆者撮影)

駅周辺には、300店舗以上のお店が並ぶ仙川商店街(通称「ハーモニータウンせんがわ」)が立地します。スーパーなどの食料品店やグルメ、ファッション、本、健康、クリニックなどさまざまなお店がそろっています。両サイドに個性的なお店が並び楽しみながら買い物ができます。

クイーンズ伊勢丹
クイーンズ伊勢丹(筆者撮影)

また、駅ビルに入る京王ストアをはじめ商業施設も充実しています。クイーンズ伊勢丹やブロードスクエア仙川などしゃれた商業ビルも駅周辺に点在。島忠ホームズ仙川店などのホームセンターも立地します。多彩なライフスタイルに応える買い物施設が充実した街と言えるでしょう。

仙川の街並み
仙川の街の風景(筆者撮影)

著名建築家が設計した建物が並ぶなど、デザイン性の高い建物が多いのも仙川駅の魅力です。街並みの統一感があり、歩いていて心地よく感じます。文豪・武者小路実篤が邸宅を構えたところでもあり、旧邸宅のある実篤公園も立地しています。

仙川駅の住宅事情は、市街化が進んだ街でもあり新築マンションの供給は限られています。中古マンションストックは一定数あるため、徒歩10分圏で十分探せるでしょう。70平米台の3LDKタイプなら5,000万円台から検討できます。

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駅前の市街地再開発事業により生活利便性がアップ 野川などの自然も身近な国領

国領駅とタワーマンション
国領駅とタワーマンション(筆者撮影)

続いては国領駅です。国領駅は、調布市の中でも市街地再開発事業によっていち早く街が整備されたところ。マルエツなどが入る国領駅南地区第一種市街地再開発事業や、国領駅北地区第一種市街地再開発事業が2005年度までに完了しています。住宅と商業機能が調和した市街地が形成され、公共広場や駅前広場が整備されました。また、線路の地下化による道路の整備も進められています。

国領駅前の商業施設
国領駅前の商業施設(筆者撮影)

国領駅は多摩川住宅にも近い場所に位置し、住宅街として発展した街です。駅前にはマルエツや西友などのスーパーがあるほか、イトーヨーカドー国領店も立地し買い物施設が充実しています。柴崎駅と国領駅の間には野川のせせらぎが流れ、自然も身近にあります。歩道も整備されているところが多く、ファミリー層に暮らしやすい住環境が魅力です。

イトーヨーカドー国領店
イトーヨーカドー国領店(筆者撮影)

国領駅周辺では新築戸建ての分譲が目立ち、価格は5,000万円台が中心。ファミリーでも手が届きやすいエリアと言えるでしょう。中古マンションのストックも豊富で、築年数によっては3LDKタイプが4,000万円台で購入可能です。駅周辺の築浅マンションは人気があり、3LDKタイプが6,000万円を超える物件も少なくありません。予算に応じて物件種別を検討すると良いでしょう。

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特急停車駅で新宿駅へスムーズにアクセス 駅周辺に買い物スポット充実の調布

三つ目に紹介するのが、調布駅です。調布駅の魅力は、商業利便性と通勤利便性がともに備わっていること。新宿駅まで20分前後でアクセスできるなど、交通利便性が高い街です。調布パルコやトリエ京王調布に加え、西友調布店やオーケー調布店などの買い物施設の充実は、調布駅で暮らす大きなメリットでしょう。

調布の都市風景
調布の都市風景(筆者撮影)

また、喫茶・レストラン、中央図書館、コミュニティFM放送局なども入る調布文化会館たづくりが立地。隣には調布市の市庁舎が位置します。また、駅前の調布市グリーンホールは、老朽化にともない建て替えの構想もあります。

調布東山病院
調布東山病院(筆者撮影)

成熟した街でもあり、調布東山病院などの医療施設も充実。駅前広場の整備も進行中で、ママ・マルシェ in 調布などのイベントも実施されています。子育て層からカップル、シニアまで幅広い人が安心して暮らせる街と言えるでしょう。

人気の高い駅ということもあり、新築戸建ては調布駅徒歩圏であれば最低でも6,000万円程度の予算は必要になります。また、新築マンションの分譲は限られていますが、中古マンションの流通件数は一定数あります。駅近の3LDKタイプであれば6,000万円台程度の予算は見ておいたほうが良いでしょう。

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豊かな自然があり歴史や文化、スポーツなどの施設も充実した調布市ですが、留意したいポイントは多摩川などの河川があること。調布市の洪水ハザードマップによれば、多摩川に面したエリアだけでなく野川に面したエリアも浸水リスクがあります。事前に最新の洪水ハザードマップを確認しましょう。

武蔵野の森スポーツプラザ
武蔵野の森スポーツプラザ周辺(画像素材:PIXTA)

世田谷区に隣接する調布市には、多摩川や武蔵野が育んだ自然や歴史、文化が受け継がれ、この街ならではの豊かなライフスタイルがあります。都心通勤も便利な調布市の住まい探し。これから子育てをスタートする家族におすすめしたい街です。

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