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一人暮らしの固定費が、平均いくらくらいかご存じだろうか。生活費の中でも大きな割合を占めることが多い固定費について、平均額や節約のポイントを知っておこう。
「そもそも固定費には何が含まれるのか」という基本から、今すぐ実践できる節約方法までまとめて紹介する。
固定費とは同じ金額を継続的に支払うもの
まずは、固定費の定義から確認していこう。固定費とは、生活費のうち、毎月同じ金額を継続的に支払うものを指す。
<主な固定費の例>
・家賃
・水道光熱費
・通信費
・各種保険料
・サブスクリプション料金
・スポーツジム代
・奨学金、ローン
家賃、水道光熱費、通信費は、ほとんどの一人暮らしの人に共通する固定費だ。しかし、それ以外の固定費は、暮らし方によって発生する場合としない場合がある。
自分が支払っている固定費を知りたい人は、数ヵ月分の口座の入出金明細や、クレジットカードの明細をチェックしてみよう。毎月同じ金額(またはほぼ同じ金額)が引き落とされる項目があれば、それが固定費ということになる。
一人暮らしの固定費の平均
一人暮らしの固定費にいくらかかるのかは、住んでいる場所や契約しているサブスクリプションサービスなどの定額サービスの種類によって異なる。ここでは、多くの人に共通する固定費である「家賃(住居費)」「水道光熱費」「通信費」について、平均を紹介しよう。
<一人暮らし・勤労世帯の固定費の平均>
・住居費:3万2,314円
・水道光熱費:1万1,138円
・通信費:7,643円
※総務省統計局「家計調査/家計収支編 1世帯当たり1か月間の収入と支出(単身世帯・勤労者世帯・勤労者世帯以外の世帯・無職世帯)」(2022年)
平均値を見て、住居費が安すぎると感じた人も多いのではないだろうか。上記はあくまでも単身世帯の平均値で、持ち家の単身者なども含まれることから、平均値が低く出ていると考えられる。
実際に都内で一人暮らしをするのであれば、立地や設備によって7万~12万円程度の家賃や管理費が必要だろう。上記を合計すると5万1,095円だが、住居費を7万円とした場合は、8万8,781円、12万円とした場合には、13万8,781円となる。
つまり、一般的な都市部で賃貸物件での一人暮らしでは、おおよそ9万~14万円程度の固定費が発生する可能性が高いと考えられる。
固定費の見直しは節約に効果的
固定費の見直しは、一人暮らしの生活費を節約するのにおすすめの方法だ。「貯蓄額を増やしたい」「もっと余裕のある生活がしたい」という人は、まず固定費を見直してみよう。
ここでは、固定費の見直しがおすすめの理由を2つ紹介する。
一度見直すだけで継続的に節約できる
固定費とは、毎月同じ金額を定期的に支払うものを指す。つまり、一度見直しをして金額を下げられれば、その後は継続して同じだけ節約できるのだ。
例えば、食費を節約して4万円から3万円にできたとしても、それを継続できるとは限らない。しかし、スポーツジムに通わず、自分で運動するようにして、それまで毎月支払っていたスポーツジム代1万円を解約すれば、その後は毎月1万円、確実に固定費を下げられる。
手間やストレスが少ない
固定費の削減は、見直すときだけ手続きを行えば、後は手間をかけずに簡単に節約ができる。一方、食費や日用品を節約しようとすると、買い物の度に合計額を計算したり、欲しいものを我慢したりしなければならない。これでは、ストレスが溜まってしまうだろう。
もちろん、固定費の削減も「これまでは見放題だった動画が見られなくなる」といった不便を感じることがあるかもしれない。しかし、「サブスクリプションサービスの解約」「料金プランの変更」といった手間は限定的だ。元々使用頻度が低いサービスを見直すのであれば、少し手間がかかったとしても実践しておきたい。
固定費の見直し方法
続いては、代表的な固定費の見直しのポイントを5つ紹介する。ただし、固定費として何を支払っているかは人によって異なるため、実践できるものもできないものもあるはずだ。できることから始めてみよう。
不要なサブスクリプションサービスの解約
サブスクリプションサービスの解約は、固定費の削減として大きなメリットになる。音楽配信サービスや動画配信サービス、定期購入サービス、ウォーターサーバー、クラウドストレージサービスなどの中から、使用していないものがないかチェックしてみよう。「今はあまり使っていないけど、また使うかも」というサービスは、使うときに再度加入すれば良いと割り切って、解約してしまうのもひとつの方法だ。
また、サブスクリプションサービスではないが、年会費のかかるクレジットカードや習い事、スポーツジムの会費なども、併せて見直してみることをおすすめする。
保険の見直し
民間の医療保険や生命保険などに加入している人は、保障内容と保険料が適切かどうか見直してみよう。掛け捨ての医療保険や共済なら、月1,000円から3,000円程度で最低限の保障を確保できるはずだ。
そもそも、会社勤めをしている人は、病気やケガで働けなくなったときや失業したときなどに受け取れる公的な保障制度を多数利用できる。
民間の保険は、公的な保障制度の不足分を補うために活用するものだ。保険の掛けすぎで生活が圧迫されることのないよう、この機会にしっかり見直して節約につなげてもらいたい。
ローンの繰り上げ返済
カーローンやカードローン、キャッシング、リボ払い、有利子の奨学金などを利用している人は、資金状況に応じて繰上げ返済を検討したい。繰上げ返済をすると一時的には手元の資金が減るが、その分金利を圧縮できるため、総支払額を下げられる。同時に、固定費を減らして家計をシンプルにできるというメリットもある。
ただし、万一のときのために、ある程度の現金確保も大切だ。最低限確保しておきたい預貯金を定めた上で、超えた分を繰上げ返済に回すなどの工夫をしよう。
電気やガスの契約内容の見直し
電気やガスといった光熱費は、契約会社やプラン、電気会社の契約アンペア数などを見直すことで料金を下げられる可能性がある。
契約内容が最適なプランになっているかどうか、使用状況と合わせて確認してみよう。ただし、安易に変更すると、後々料金が高額になるといった問題が起こる可能性もある。プランや会社を変更する際は、契約内容やリスクをしっかり見ておくことが大切だ。
ただし、賃貸物件の場合は、オーナーや不動産会社で、電気会社やガス会社が決められている場合もあるため、変更が可能かどうか確認したい。
引越し
家賃が安い地域や物件への引越しは、非常に節約効果が高い固定費の見直し方法だ。
ただし、引越しには費用と手間がかかる。さらに、住環境が悪化するリスクもはらんでいる。安易に安い所を選んだ結果、家の居心地が悪くて外で散財するようになってしまっては意味がない。節約を重視するあまり、居心地の良さや住宅に求める条件を軽視しないように気をつけよう。
長期的に手間なく節約するなら固定費の見直しがおすすめ
固定費は「必ずかかるお金」として、減らせないと思い込んでしまうことがある。しかし、実際には、固定費の削減は節約に効果が高く、大きな節約につながる可能性がある。
まずは、毎月何にいくら支払っているのか、固定費の棚卸をするところから始めてみよう。
※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。