共同住宅のメリット・デメリットとは? 戸建てとマンションどちらを選ぶべき?

共同住宅とは、1つの建物に2戸以上の住宅がある住宅のことで、具体的にはマンションやアパートのことを指します。共同住宅のメリットやデメリットを調べる人のなかには、戸建てと比較している人も多いのではないでしょうか。

この記事では、共同住宅のメリット・デメリットを中心に、戸建てとどのような違いがあるのか解説します。

共同住宅とは

共同住宅とは、エントランスや階段、廊下などを共有しているけれど、その中に2戸以上の住宅がある建物のことです。このような形態の住居に長屋住宅もありますが、共同住宅と長屋住宅の違いは共有部分の有無にあります。共同住宅には共有部分がありますが、長屋には基本的にありません。

長屋は一戸建てを複数に仕切っているようなテラスハウスや二世帯住宅でよく使われるもので、共同住宅はアパートやマンションが含まれます。

集合住宅とは違う?
建築基準法では、「集合住宅」という言葉は使用しません。そのため、厳密に何が集合住宅なのか定義はされていない状態です。一般的に共同住宅や複数世帯が住む長屋住宅のことをまとめて集合住宅と呼ぶケースが多いでしょう。そのため、集合住宅と共同住宅を使い分ける必要はなく、無理に区別する必要はありません。

共同住宅のメリット

ここでは、一戸建てとマンションなどの共同住宅、どちらがよいのか迷っている人に向けて、共同住宅のメリットについて説明します。

セキュリティ性が高い
共同住宅は戸建てよりも開口部が少なく、戸建てよりも侵入窃盗に遭いにくい傾向にあるでしょう。

実際に、警視庁の「住まいる防犯110番」によると、侵入窃盗(空き巣等)の発生場所認知件数は、戸建住宅が37%と一番多く、共同住宅(3階建以下)が9.3%、共同住宅(4階建以上)が4.3%でした。

また、住むマンションを選べば、管理人が常駐しているエントランス、防犯カメラ、オートロックなど、よりセキュリティ性を高められます。

立地がよい物件が多い
戸建ては駅から少し離れた住宅街に建てられる傾向があります。駅チカの戸建ては数があまり多くないうえ、マンションに比べ高額になりがちです。逆に分譲マンションなどの共同住宅は、駅チカに建てられることが多いでしょう。

そのため、マンションなどの共同住宅のほうが、駅チカ物件を見つけやすいといえます。なかには駅直結のマンションなどもあり、共同住宅は立地のよい物件を探しやすいという点が特徴的です。

共有の施設や設備を使用できる
共同住宅にもよりますが、キッズルームやジムなどが併設されているところもあります。自宅のすぐそばにあることから使いやすく、特にその共同住宅の人だけが使えるような施設であれば、混雑せずに利用できます。

共有部分の管理や修繕計画を任せられる
住宅を購入すると、日々の清掃から定期的なメンテナンス、設備が故障したときの修理など、すべて自分で管理しなければなりません。しかし、共同住宅であれば、基本的に共同部分の清掃や管理は管理会社に任せられます。

修繕のタイミングや依頼する工務店なども自分で決めなくても済むため、家の管理はかなり楽になるでしょう。

共同住宅のデメリット

共同住宅にはさまざまなメリットがありますが、逆に把握しておくべきデメリットも、もちろんあります。どのようなデメリットか、詳しく解説します。

リノベーションがしにくい
共同住宅に住むのは自分だけではないこと、ほかの住宅の隣接する壁や屋根、床は壊せないことから、共同住宅は自由にリノベーションができません。

もし、今あるかたちを大きく変えたいと思っても、ある程度もともとの間取りを残しつつリフォームしなければならないでしょう。戸建てのように、まるごと建て替える、増築や減築といったことはできません。

管理費や修繕積立金がかかる
共同住宅は廊下や階段、エレベーターなどの共同部分の管理を管理会社に委託し、定期的に建物全体を大規模修繕する必要があります。そのため、住宅購入費用にくわえ、毎月の管理費や修繕積立金がかかります。

また、マンションの駐車場を利用するには、たいてい駐車場が別途かかります。共同住宅を購入するときには、こういった費用も考慮に入れる必要があります。

騒音問題が起こりやすい
共同住宅は上下、左右にほかの住民が住んでいるため、どうしてもお互いの生活音は聞こえてしまいます。物件によっては防音に力を入れているものもありますが、まったく音が聞こえない物件を探すのは難しいでしょう。

隣接する住民が誰になるのかは自分では選べず、騒音に悩まされる可能性は否定できません。逆に、自分たちが出す音により苦情が来る可能性もあります。共同住宅に住むのであれば、足音や子どもの声にも気を遣って生活することが必要です。

駐車場から自宅までが遠い
駐車場付きの一戸建てであれば、玄関から駐車場までの距離は近く、荷物の積み下ろしはそう大変ではありません。しかし、共同住宅だと自宅から駐車場までの距離はどうしても遠くなります。米や飲料水などの重い買い物をしたときや旅行のときなどは、台車を使うなどの工夫が必要です。

一方で、駐車場が地下などの屋内にある場合は、雨でも濡れずに車から乗り降りできるというメリットはあります。

共同住宅と一戸建てどちらがよいのか

共同住宅と一戸建てのメリット・デメリットはそれぞれあり、どちらがよいのかは家族構成やライフスタイルによってさまざまです。

子どもの足音や泣き声が気になる場合は戸建てのほうがいいでしょうし、家の管理や手間、駅からの距離を考慮するのであれば、共同住宅を選んだほうがいいかもしれません。

こちらを選んだら正解ということはないため、実際の物件を目で見て、自分たち合っているものを選びましょう。

まとめ

共同住宅とは、同じ建物内に2戸以上の住宅があり、階段やエントランスなどの共有部分を有するものをいいます。マンションやアパートがそれに該当し、戸建てに比べ管理が楽、セキュリティ性が高いといったメリットがある一方、騒音問題や自由度が低いというデメリットもあります。

騒音問題に配慮した生活に抵抗がない人、駅のそばで便利に暮らしたい人、管理を任せてしまいたい人などは、共同住宅が向いているでしょう。

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