いま気になる「郊外の平屋住宅」はどう探す? 建築基準を満たすか要チェック

ウィズコロナの住まいでは、都心の人混みから離れて、コンパクトに郊外や田舎の平屋の中古住宅をリノベして暮らすのもひとつの方法です。しかし、そうした物件で住宅ローンが借りられるのか、将来建て替えや売却はできるのかなど、心配な点もあります。今回は平屋の中古住宅を安心して購入するためのチェックポイントをお伝えします。

平屋の中古住宅の探し方

いざ平屋の中古住宅をといっても、特に大都市圏では物件の数も少なく、見つけにくいものです。そんなとき、全国に空き家登録された物件から情報を探してみてはどうでしょう。

戸建ての空き家数は1998年から2018年の21年間で183万戸から317万戸と約1.7倍に増加しています。(総務省統計局・平成 30 年住宅・土地統計調査より)

こうした背景から全国の約6割の自治体が「空き家等対策計画」を策定しています。代表的な対策としては、空き家物件情報を自治体のホームページで公開する「空き家バンク」や全国の空き家情報を一元管理する国土交通省の「全国版空き家・空き地バンク」等があります。空き家を市場で流通させるために、民間の不動産会社に委託し、空き家の利活用や売却などを目的として、専門家による相談窓口も設けています。

空き家バンクのサイトには、自治体による住宅購入の奨励金や子育て施策、住まい探しの経費補助等の支援策も載っています。物件情報の詳細から自治体のホームページや支援策にリンクしているので、資金計画のときにも役立ちます

そのほかにも平屋の中古住宅に特化した不動産会社等のサイトや、田舎暮らしのライフスタイル提案型のサイトの物件情報もあります。一般的な住宅情報サイトでも、「平屋」「中古」で検索すると、東京近郊の情報も意外に多く出てきます。現地に行く前に、インターネットを利用して気になる地域の平屋の中古住宅を探してみましょう。

平屋の中古住宅の魅力は?

平屋の中古住宅には、新築住宅やマンションにはない風情豊かな物件が数多くあります。例えばお風呂もユニットバスではなく、きれいな色のタイルを貼り合わせていたり、石造りのお風呂だったりといった具合です。畳の部屋に障子や襖、木のぬくもりを感じられる欄間など、古き良き日本の風情もあります。また、よく手入れされた庭があり、畑やガーデニングを楽しめる物件もあります。

都心のタワーマンションでの暮らしとはまた違って、自然や木のぬくもりに囲まれて過ごしたい、という人には良い選択肢でしょう。平屋なら高齢になっても階段の上り下りがなく、長く自宅で暮らせる安心感もあります。

平屋の中古住宅を購入するときの注意点

築古の物件は、格安で手に入れたのちに、自分好みにリノベーションできる楽しみもあります。しかし、購入資金とリフォーム資金を併せて住宅ローンを借りるには、購入する時点で図面や見積書など、リフォームの概要が決まっていないと申し込めません。ゆっくりとリノベーションを考えたい場合、購入後にリフォームローンを別途借りるかリフォーム資金は現金で準備する必要があります。

いずれにしても、田舎や築古の住宅の場合、金融機関からの担保評価もきびしく、高額なローンが借りられない物件もあります。特に、現在の建築基準法の基準を満たしていない物件は、返済が滞ったとき、金融機関が担保とした物件を売却してローンを回収することがむずかしくなるため、住宅ローンを借りにくくなります。建築基準法を満たさない物件とはどんなものか、注意するポイントをあげてみます。

建ぺい率・容積率に違反していないか

建ぺい率は敷地の面積に対する建築面積の割合、容積率は延べ床面積の割合のことです。例えば100平米の土地の建ぺい率が40%、容積率が80%の場合、1階の床面積は40平米、2階と合わせた床面積は80平米が上限です。平屋の場合40平米が床面積の上限となってしまいます。築古住宅の場合、元々面積を違反して建てている物件や、増築したのに登記をしていない物件ではないかなど、注意しましょう。

境界が確定している土地か

先祖代々の土地に家を建てている場合など、敷地の境界がはっきりせず、面積を確定できない物件もあります。住宅ローンの審査では測量図等の資料を提出しますが、格安物件だからと現金で購入する場合などは、金融機関の審査の目が入りません。敷地の境界が確定しているかどうか必ず確認しましょう。

接道義務を満たしているか

建物の敷地は幅4m以上の公道に2m以上接していることが条件です。道路の条件を満たしていないと建物の新築はもちろん、建築確認申請が必要な大がかりな増改築もできなくなります。道路の要件を満たさず接道義務に違反している物件は、広告や重要事項説明書に「再建築不可」などと明記されています。必ず確認しましょう。

都市計画法上の市街化調整区域に建っていないか?

市街化区域が積極的に市街地や公共施設などの開発を行う地域なのに対し、市街化調整区域は原則として既存の建物を除いては農地を維持することが意図された地域です。従って都道府県知事の許可なく市街化調整区域に新築住宅を建てることはできません。しかし、自然を求めて家探しをすると、市街化調整区域内で格安な中古物件に巡り合い、安さにも惹かれて購入を考える人がいます。市街化調整区域内の建物は、軽微な増改築等でも都道府県知事の開発許可の対象となる場合があります。また、住宅ローンが借りられるかどうかも確認して契約しましょう。

昭和56年の耐震基準を満たしていない

建築基準法の耐震基準が大きく改正された昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を受けて建てられた建物が「旧耐震」です。しかし、「旧耐震」の建物でも、耐震改修をして新耐震の基準を満たす住宅性能評価書等を取れば「新耐震」の建物となり、住宅ローンも借りやすくなります。

ほかにも築古の建物の場合、ガス管や水道管といったインフラが古く、交換を余儀なくされることもありますので、購入前に確認しておきましょう。

住宅ローン減税は受けられるか?

年末の住宅ローン残高の1%が払った税金から戻ってくる住宅ローン減税の基準は、木造住宅であれば築20年以内の建物です。ただし、築20年を超えていても耐震基準適合証明書、既存住宅性能評価書、既存住宅売買瑕疵保険に加入のいずれかで、耐震基準を満たしていることが証明できれば減税を受けられます。

ほかにも、登記簿上の床面積が50平米以上、物件の引き渡しを受けてから6ヶ月以内に自らが居住することなどの要件を満たす必要があります。週末のセカンドハウスのように利用する場合は対象となりません。

どの物件でも減税を受けられるわけではないので、契約前に必ず確認しておきましょう。

まとめ

今回は郊外や田舎の中古平屋住宅を購入する場合について考えてみました。今後は通勤が必要なときは会社の近くに、それ以外の休日やテレワーク期間は緑の自然豊かな田舎暮らし、という二拠点生活も考えられます。都会と対照的な田舎の中古住宅探しは、街中での家探しでは全く想像もつかない家に巡り合うかもしれません。

ただ、購入した家が、将来的に負の資産となってしまっては買う意味がありません。維持管理できるのか、自分たちが住まなくなったら住む人がいるのか、売却できるのか、よく考え、注意点をチェックした上で購入しましょう。

参考サイト
国土交通省:平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計結果の概要
全国版空き家・空き地バンク
空き家バンク

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