「一生、実家暮らし」はアリ? 将来的に考えるべきメリット・デメリット

職場からそこまで離れておらず、特に不自由がないならば、「実家暮らし」という選択肢をとる人も一定数います。一方で、ある程度の年齢になったら自立するために家を出た方がいいという意見も少なからずあるでしょう。実家暮らしでいるメリット・デメリットについて体験談を元に紹介します。

実家暮らしのメリット

一緒に生活することで、一人では難しい部分もサポートし合うことができます

賃貸で都内に住むとなると、どうしても家賃が高くなってしまいます。地方から上京してきた人にとって、都内の実家暮らしというのは羨ましいと感じる人も多いのではないでしょうか。その他にも実家暮らしのメリットはさまざまあります。

メリット1:お金を貯めやすい

「家賃補助などの福利厚生がない企業で働いていると、なかなか貯金もできません。一人暮らしと比べると、やはり圧倒的にお金が貯まります。収入を増やそうにも、なかなか難しいと思うので、仕事上問題なければ一生実家暮らしという選択肢もあるのかな、と」(Nさん)

実家暮らしのメリットとして、最初に挙がりやすいのが金銭面。実家が持ち家ならばなおさら、恩恵を受けやすいといえます。金銭的に負担が少ないことで、「好きな仕事ができる」「お金についてあれこれ考える心理的負担もなくなる」といったポイントも考えられるでしょう。

メリット2:防犯上、安心できる

「仕事柄、長期の出張も多く、長く家を空けることもあります。そうなると、空き巣や火事の心配も出てきてしまいます。自分以外に家に誰かいるというのは、防犯の上で安心できるポイントですよね」(Kさん)

外出の機会が多いと、家のことが心配になるもの。防犯対策以外にも、植物への水やりやペットの世話などの面でも、家に誰かがいるというのはメリットになるでしょう。

メリット3:病気やケガなどの際に助け合える

「一度、一人暮らしをしていたときに体調を崩して倒れてしまい、日常生活はもちろん、通院などでも大変な思いをしました。そのとき、“もしも一人でこのまま倒れたままだったら、どうするんだろう”と不安に。それが実家に帰るきっかけになりました。もちろん、反対に両親に何かあったときも安心です」(Mさん)

病気やケガなどに対する不安は尽きないもの。一人暮らしの家で何かあったら…と想像してしまう経験は、単身者ならば一度はあるのかもしれません。誰かと一緒に住むことで支えあえる面はあるでしょう。

メリット4:高齢の親の様子がそばでわかる

「親が高齢なこともあり、実家住まいを続けています。近居なども考えましたが、遠くない未来に介護の問題なども出てくるかと思うと、同じ家に住んでいた方が便利だという結論に。どんなに備えていても、病気やケガは突然やってくるものです。万が一のときに対応しやすいのは安心ですね」(Tさん)

病気やけがだけでなく、将来的には親の介護という問題も出てきます。実家から離れた場所に住んでいると、サポートしにくいものです。介護のタイミングで一緒に住み始めるよりも、最初から実家暮らしでいた方がスムーズだといえるでしょう。

メリット5:家事や金銭面でもサポートし合える

「父が定年退職し、両親の時間も余裕ができるように。そこで家事など家のことは親に任せ、自分は仕事に集中することができました。父の仕事がなくなったぶん、収入も心配があったので、私が家にお金を入れることでそのあたりも上手に解消。お互いがうまくサポートできるのがメリットだと思います」(Oさん)

一緒に生活することで、一人では難しい部分も上手に補っていくことができます。

実家暮らしのデメリット

ネガティブな反応をあまり気にする必要はないものの、完全に理解してもらうとなると難しい部分もあります

では、デメリットとしてはどんな点があるでしょうか。ここからは、実際に実家暮らしをしている上でマイナス要素だと感じている部分を体験談をもとに挙げていきます。

デメリット1:行動に制限がある

「実家暮らしの場合、どうしても行動に制限が出てくると思います。同じ家に住んでいる以上、深夜の帰宅は気を使いますし、ある程度家族のストレスにならないように配慮しながら生活する必要があります。どうしても実家で、となると転勤などを避けることになるので、仕事でチャンスを逃す可能性も」(Kさん)

日々の生活リズムを始め、仕事やプライベートでの行動範囲を狭めるという声も。親子といえども、他人と共同生活を送る以上、ある程度の配慮は必要になってきます。相手のストレスにならないように気を配ると同時に、自分自身がストレスを感じてしまう瞬間もありそうです。

デメリット2:自立していないと指摘される

「やっぱり、実家に甘えていると周囲から思われることは少なくありません。家にお金も入れているし、家事も自分でするので、まったく自立していないとは思ってないのですが…。いくら事情があっても、周りから理解されないこともあるのは少々しんどいなと思います」(Oさん)

実家暮らしとなると、どうしても外からの印象が気になります。人それぞれ実家で暮らす事情があるので、あまりにもネガティブな反応を気にする必要はないかもしれませんが、完全に理解してもらうとなると難しいかもしれません。

一生、実家暮らしはアリ? 将来的に考えるべきポイントとは

実家暮らしでも、将来的なライフプランは立てておきたいものです

実家暮らしのメリット・デメリットは、その目的にもよっても変わってくるもの。たとえば、「できるだけ貯金を多くしたい」と一番に考えれば、共同生活を送る上でのストレスなどは特に気にならないかもしれません。
これから先も一生、実家暮らしとなると、一時的に実家に住んでいる人ともまた違って考えるべきポイントはいくつかあるでしょう。たとえば、以下のような点が挙げられます。

結婚について

「実家暮らしは婚期が遅れる」という意見も中にはあります。実際のところはさておき、自分自身に結婚の意思があるかどうかによっても、実家暮らしでよいのかは変わってくるでしょう。

生活リズムについて

家族と生活リズムに大きくズレがあると、一緒に生活する中でストレスに感じる恐れも。ある程度、同じサイクルで生活することができれば、コミュニケーションも取りやすいでしょう。

プライバシーの確保

同じ住まいで生活していると、共用スペースも多いため、プライバシーを確保するのは難しいもの。家族の生活に干渉してしまうこともあるかもしれません。もしも、介護の問題から実家暮らしをするならば、比較的サポートもしやすい近居という選択肢を取ることもできるでしょう。

将来的なライフプラン

一般的に、実家暮らしは家賃をはじめとした出費を抑えることができます。そのため、金銭的に余裕があり、自由にお金を使っていて計画的に貯蓄をしていないという人も。今後、病気やケガなど自分自身や家族の身に何か起こった場合に、ある程度の備えは必要です。

また、自分より先に家族が亡くなったときのことも考えておかなければなりません。実家暮らしでも、将来的なライフプランは立てておくようにしましょう。

日々の暮らしや人生において、どこに重きを置くかによって実家暮らしの良し悪しは変わってきます。実家暮らしをするかどうか迷ったとき、まずは自分のライフプランを考えるのが一番かもしれませんね。

(最終更新日:2019.10.05)
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