5,000万円の家を買うなら頭金はどれくらい用意したらいい?
頭金を入れれば借入額が減り、返済の負担もその分減ります。一方、あえて頭金を入れずに全額融資を受け、頭金の分を将来必要になる教育費などの準備に回したほうがいいのか、悩むところでもあります。
そこで、頭金の額で、どのくらい毎月の返済額、総返済額それに利息総支払額が変わるかみていきます。ご自宅の家計収支と照らし合わせてみてください。
<前提条件>
・住宅購入価格:5,000万円
・金利:年1.8%の全期間固定金利
・返済期間:35年
<頭金の額による毎月返済額、総返済額などの違い>
頭金の額 | 借入額 | 毎月返済額 | 総返済額 | 利息総支払額 |
なし | 5,000万円 | 16万545円 | 約6,742万円 | 約1,742万円 |
250万円 | 4,750万円 | 15万2,518円 | 約6,405万円 | 約1,655万円 |
500万円 | 4,500万円 | 14万4,491円 | 約6,068万円 | 約1,568万円 |
1,000万円 | 4,000万円 | 12万8,436円 | 約5,394万円 | 約1,394万円 |
1,500万円 | 3,500万円 | 11万2,381円 | 約4,720万円 | 約1,220万円 |
頭金なしの場合と頭金を1,500万円入れた場合とを比較すると、毎月返済額は約4万8,000円の差になり、総利息額の差は約500万円となります。
頭金を入れれば、その額に応じて毎月返済額と利息負担額は小さくなります。また、要件を満たしていれば住宅ローン控除を受けることができますが、頭金を入れて借入額を抑えれば、その分、住宅ローン控除額は小さくなります。
頭金の額と、返済負担、それに住宅ローン控除の額を考慮して、頭金の額をいくらにするのか慎重に判断してください。
ダブルインカムで世帯年収アップ! 5,000万円の家も夢じゃない?
先ほど「5,000万円の住宅ローンを組むには、最低でも年収600万円以上、できれば年収800万円くらいが必要」とお伝えしました。一人の債務者が住宅ローンを返済する場合、ある程度の年収がなければハードルが高く感じますが、夫婦2人で返済する場合はどうでしょうか? 総務省の家計調査(2017年)によると、夫のみ有業の世帯の平均実収入は50万2,839円(年換算で603万4,068円)なのに対し、夫婦共働き世帯の平均実収入は60万8,491円(年換算で730万1,892円)。夫婦で返済をする想定なら、何とか5,000万円程度の家も手が届く印象です。
とは言え、これからお子様を…と考えている場合など、出産や育児を経て職場復帰ができるのか、今まで通りの収入を得られるのか不透明な面は否めません。共働きの体制が崩れても、無理なく住宅ローンの返済を続けることができる金額を借り入れることをお勧めします。
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(関連記事:共働き夫婦の住宅ローンはペアローンがいい? メリット・デメリット、注意点を解説)
まとめ
5,000万円の住宅を購入するために必要な年収や、頭金の考え方について、ご理解いただけたでしょうか。最も大切なことは、5,000万円の住宅購入に必要な資金を、金融機関が住宅ローンで融資してくれたとしても、毎月無理なく返済していけるかどうかはまた別問題です。
また、私のところに住宅購入の相談にいらっしゃる人の中には、「同じ年収の家庭ではどれくらいの家を購入しているのか」という質問をされる人がいます。ですが、たとえ同じ年収の人でも、家計収支はそれぞれ違うので、無理なく返済できる額は違っています。住宅ローンは、毎月無理なく返済できる額から融資を受ける額を決めることが重要なのです。身の丈に合わないお金を借りれば、返済を続けるのは難しくなりますし、最悪の場合は家計が破綻して取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。
気に入った物件が見つかると、少々予算オーバーしても「なんとかなる」と考えてしまいがちです。ですが、住宅という一生の買い物に、衝動買いは禁物です。
金利情勢や現在の家計状況はもちろん、将来の家計収支の見通しや、親からの援助の有無なども勘案して、無理のない資金計画を考えることが何よりも大切です。
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(最終更新日:2023.07.18)