電気会社や料金プランで電気代は変わる!?
計算式を見てもわかるように、「単価」によって、電気代は変わってきます。つまり、どこの電力会社と契約しているのか、どんな料金プランを選んでいるのかによって電気代は大きく変わります。単価が高いと、同じエアコンを使っていても電気代は高くなってしまいます。従来は地域の大手電力会社が販売を独占しており、電力会社を選択できませんでしたが、2016年4月より「電力自由化」が始まりました。
今ではさまざまな事業者のなかから電力会社を選択できますが、多くの人にとっては月々の電気代を節約できるかどうかが注目ポイントとなるでしょう。
同じ電力会社であっても、プランを変更することで節約が可能になる場合があります。たとえば、深夜料金が安くなるプランなどです。電力会社によっては基本料金がなく、使ったぶんだけ電気代を払うというシンプルなプランも提供しています。
住宅環境によっても電気代は変わる!
今住んでいる住居、あるいはこれから住もうとしている住居が「エコな住宅環境」であるなら、地球環境にとっても、お財布にとっても優しいことは間違いありません。
エアコンの暖房費という面から見ると、外気温と室内温度の差が大きいほど電気代は高くなります。そのため、電気代に影響を与える住宅環境にはどのようなものがあるのかを考えることが大切です。
まず、住む地域の季節ごとの気温、時間帯による寒暖の差、天候などがもっとも大きな要素であることは当然です。これらは変えようがない要素なので、ここでは省略します。
暖房費の節約には「窓」の活用を意識すること
住宅環境においてエアコンの電気代に影響を与えるのは「窓」です。一般的な住居においては、熱の移動の50%以上が窓によって発生します。
仮に一軒家をはじめから自由に設計できるなら、日射量がもっとも多い南側に大きな窓を配置し、できるだけ多くの熱量を住居に取り込むことが暖房費を節約する最良の方法となります。
これは、部屋が広くなるほど重要になります。窓が熱の移動場所ということを意識していれば、部屋の向きにも配慮して設計することができるでしょう。
また、まぶしいからといってすべての部屋で遮光カーテンを利用するのは電気代の面から見れば非効率です。
ほかの暖房器具の電気代はいくら?
「エアコンは電気代がかかる」とはよく聞く言葉です。石油が安い、ガスが安いなどといろいろ意見が分かれますが、1時間あたりの電気代と比較してみましょう。
ここでは、より現実に近い「期間消費電力量」と東京電力の第2段階料金27円/kWh(2016年当時)を単価として採用しました。2013年に定められたJIS規格によると、期間消費電力量とは「東京都の1年間の外気温において、暖房期間なら11月8日~4月16日、毎日6時~24時までの18時間、20℃の温度に設定して運用する」とあります。
この条件で比較すると、7~10畳用エアコンの暖房時の期間消費電力量が602kWhの場合、1時間あたりの消費電力量は「602kWh÷5.5ヶ月÷31日÷18時間=0.196kWh」となります。したがって、1時間あたりの電気代は「0.196×27=5.292円=約5.3円」です。住んでいる地域にもよりますが、東京都の場合は単純に消費電力で計算するよりも安くなりました。
他の暖房機器についても比較してみましょう。10~13畳用石油ファンヒーターでは約7.1~23.8円です。7~9畳用ガスファンヒーターでは約13.8円、6~8畳向けの電気セラミックファンヒーターでは約16.2~32.4円となります。高いと言われているエアコンですが、期間消費電力量で計算すると、意外に安いことがわかります。
【暖房器具の電気代比較】
暖房器具 | 1時間あたりの電気代 |
7~10畳用エアコン | 約5.3円 |
10~13畳用石油ファンヒーター | 約7.1~23.8円 |
7~9畳用ガスファンヒーター | 約13.8円 |
6~8畳向けの電気セラミックファンヒーター | 約16.2~32.4円 |