2015年、住宅購入を支援する多くの制度が打ち出されました。利用できる制度を賢く利用し、少しでも家計の負担を抑えたいものです。後になって「知らずに損した」ということがないよう、内容をチェックしておきましょう。うれしい「5つの制度」の概要、および改正点のポイントをご紹介します。
1.<住宅ローン控除>控除額はそのまま、期間延長
住宅ローンを利用して住宅を購入すれば、年末のローン残高の1%を限度に、支払った所得税が戻ってきます。この「住宅ローン控除」を利用できる期間が1年半延長され、2019年6月30日までの入居分が対象となりました。控除額などについてはこれまでどおりです。
一般住宅であれば年間最大40万円、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅であれば、年間最大50万円まで税金が控除されます。支払っている所得税額がその金額に達していない人でも、所得税だけでは控除しきれなければ、住民税から差し引いてもらえます。ただし、住宅ローン控除を受けるには、入居の翌年に確定申告が必要ですので注意しましょう。
認定住宅 | 一般住宅 | |
---|---|---|
対象となる居住年 | 2019年6月30日まで | 2019年6月30日まで |
年末のローン残高の限度額 | 5,000万円 | 4,000万円 |
控除率 | 1% | 1% |
最大控除額(年) | 50万円 | 40万円 |
控除期間 | 10年 | 10年 |
住民税からの 最大控除額(年)※ |
13万6,500円 | 13万6,500円 |
2.<贈与税の非課税枠>1,500万円までに拡大
住宅を取得するために親や祖父母から贈与を受けた場合、一定額まで「贈与税はかからない」という制度があります。2015年は、その非課税枠が拡大され、「良質な住宅用家屋※」であれば1,500万円まで、「その他の住宅」については1,000万円までと、昨年より500万円ずつ拡大し、さらに贈与を受けやすくなりました。
また、2017年4月から消費税10%への引き上げがある場合、非課税枠はさらに拡大されます。予定では、2016年10月からの1年間は、3,000万円(一般住宅は2,500万円)までが非課税となります。ただし、2016年9月までは駆け込み需要を抑えるため、非課税枠が小さくなっているので注意しておきましょう。うまく贈与を受けるためには、先の予定を知っておくことも大事です。
<贈与税非課税枠の今後の予定>
3.<【フラット35】S>金利引き下げ幅は2倍の0.6%に
【フラット35】Sは、耐震性や省エネ性などに優れた住宅であれば、【フラット35】の金利を当初5年間もしくは10年間、引き下げるというものです。引き下げ幅はこれまで0.3%でしたが、2015年2月9日実行分から、倍の0.6%へ拡大されました。【フラット35】Sを利用すれば、一定期間の間、低い金利で借り入れすることができます。
金利Aプラン | 金利Bプラン |
---|---|
当初10年間 0.6%引き下げ | 当初5年間 0.6%引き下げ |
長期優良住宅、認定低炭素住宅、耐震等級3、高齢者等配慮対策等級4以上など | 断熱等性能等級4、耐震等級2以上、高齢者等配慮対策等級3以上など |
<【フラット35】よりどのくらいお得?>
【例】借入金額3,000万円 借入期間35年 金利1.54%
ボーナス返済なし、元利均等返済、団体信用生命保険込み
4.<すまい給付金>そのまま延長に
すまい給付金は、もともと税額が少なく、「住宅ローン控除」の恩恵が小さい層に現金を給付する制度です。年収510万円以下(目安)の人が住宅を購入したとき、最大で30万円受け取れるというもので、今後、消費税が10%に引き上げられた場合には、年収は775万円(目安)以下、給付額は最大50万円に増額されます。
消費税の引き上げ延期に伴い、すまい給付金の対象期間が1年半延長され、2019年6月までの実施となっています。つまり2019年6月末までに引き渡し・入居が完了していれば、現金の給付を受けることができます。
年収の目安 | 給付基礎額 | |
---|---|---|
消費税8%で購入 | 510万円以下 | 10万円~30万円 |
消費税10%で購入 | 775万円以下 | 10万円~50万円 |
5.<省エネ住宅ポイント>30万ポイントで復活
省エネ住宅ポイントは、エコ住宅を新築・購入、またはエコリフォームした場合に発行されるポイントです。ただし、自分が住むための住宅であることが条件となっています。以前の住宅エコポイントが2年半ぶりに復活したもので、1ポイントは1円相当として、エコ商品や地域の特産物、全国で使える商品券などに交換できます。予算がなくなり次第終了してしまうので、事前に確認することをおすすめします。
発行ポイント数 | |
---|---|
エコ住宅 新築・購入 | 30万ポイント(一律) |
エコリフォーム | 30万ポイント(最大) |
エコリフォーム+耐震改修 | 45万ポイント(最大) |
新築・エコリフォーム | 平成26年12月27日以降に工事の請負契約が締結され、平成28年3月31日までに工事に着手、平成27年2月3日以降に工事完了するもの |
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完成済み住宅購入 | 平成26年12月26日までに工事が完了し、平成27年2月3日以降に売買契約を締結した新築住宅 |
「5つの追い風制度」の概要を知っていただけましたか? 各制度とも、適用については細かな条件が定められています。利用したいときは、税務署や専門家、制度を取り扱う機関のホームページなどで詳細を確認するようにしてください。
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(最終更新日:2019.10.05)