住宅ローンアドバイザー資格取得の難易度は?
さて、気になる難易度ですが、どのようになっているのでしょうか。
住宅金融普及協会の場合、平成28年度の第1回講座では、受講者数1,738名に対して修了者数1,468名で修了率は84.5%でした。修了の判定基準は、効果測定において40問中28問以上正解し、かつ計算問題10問のうち6問以上正解することとなっています。また、全日本不動産協会の場合、合格率は7割程度となっています。
金融検定協会の住宅ローンアドバイザー(HLA)認定試験では、平成26年の受験者数5,863人に対して合格者数は2,646人、合格率は45.1%となっています。
住宅金融普及協会、全日本不動産協会の効果測定では、テキストを参照することが可能です。講座テキストには返済額早見表があり、「金利」「返済期間」「借入額」がわかれば総返済額や毎月返済額がすぐに計算できるようになっていますので、講座の内容をしっかり理解すれば、難易度はそれほど高くなく、合格できる可能性は高いといえるでしょう。合格率を高めたいのであれば、認定試験に比べると費用はかかりますが、住宅金融普及協会か全日本不動産協会のどちらかで講座を受講することをおすすめします。
ファイナンシャル・プランナー(FP)とは何が違うの?
上述の通り、ファイナンシャル・プランナーが住宅ローンアドバイザーの資格を取得するケースも少なくありません。一見、似ているように見えるこの2つの資格は何が違うのでしょうか。
一言で言うなら「アドバイス可能な範囲が違う」ということになるでしょう。住宅ローンアドバイザーは、住宅ローンのプロといえる存在です。金利や返済方法はもちろん、借り換えや税制の知識、さらには住宅ローンのリスクや注意点など、住宅ローンに特化した深い知識を有する資格ですが、アドバイスできるのは住宅ローンに関することに限定されてしまいます。
一方、ファイナンシャル・プランナーは家計の専門家といえる存在です。試験科目を見ると、その範囲は「ライフプランニング・退職後プラン」「税金」「保険」「相続・事業承継」「金融」と幅広くなっています。そのため、住宅ローンだけでなく、保険や老後資金なども含めた総合的なアドバイスが可能です。ただし、住宅ローンアドバイザーと比べると住宅ローンの具体的な商品知識などは乏しいかもしれません。
<住宅ローンアドバイザーとファイナンシャル・プランナーの比較>
資格名 | 一言で言うと | 内容 |
住宅ローンアドバイザー | 住宅ローンのプロ | 住宅ローンに特化した深い知識を有する資格。アドバイスできるのは住宅ローンに関することに限定。 |
ファイナンシャル・プランナー | 家計の専門家 | 住宅ローンだけでなく、保険や老後資金なども含めた総合的なアドバイスが可能。ただし、住宅ローンアドバイザーと比べると住宅ローンの具体的な商品知識などは乏しい場合も。 |
こう考えると、理想は両方の知識をもったアドバイザーということになるかもしれません。実際に、住宅購入に関するアドバイザーとして活躍している人の中には、両方の資格を持っている人が少なくありません。
住宅ローンアドバイザーに相談するには?
では、どこに行けば住宅ローンアドバイザーに相談することができるのでしょうか。
住宅金融普及協会や全日本不動産協会のホームページでは、住宅ローンアドバイザーの検索をしたり、紹介を受けたりできるサービスを提供しています。こうしたサービスを活用するのもひとつの方法です。また、金融機関の住宅ローンプラザなど住宅ローン専用窓口でも、住宅ローンアドバイザーの有資格者が対応してくれる場合があります。
ただし、アドバイザーを選ぶ上で大切なのは、中立的な立場で相談を受けてくれるかどうかという点だといえるでしょう。たとえば、金融機関や不動産会社と提携しているアドバイザーは、斡旋や紹介を行うことで提携先の会社から報酬を受け取ることで生計を立てているケースが多いようです。そうなると、本当に中立的な立場でアドバイスしてくれるかどうかは注意が必要です。
そこでおすすめしたいのは、インターネットで検索するなどして、独立のアドバイザーを選ぶこと。ただ、住宅ローンアドバイザーの資格だけで独立するのは難しいので、ファイナンシャル・プランナーや司法書士などの有資格者が住宅ローンアドバイザーの資格を併せ持っている場合が多いと思われます。独立のアドバイザーの場合、相談料が必要になるケースがほとんどですが、初回は無料で料金が発生するのは2回目以降からという料金体系を取っている場合も多いようです。一度、相談してみてはいかがでしょうか。