昭和30年~40年代頃に全国で次々と建てられた「団地」老朽化が進んでちょっと時代遅れになっていた感がありましたが、最近になって「リノベーション団地」として再び注目を集めています。今回は、個性的な団地事情についてARUHIマガジン編集部が調べてみました。
MUJIやIKEA、東急ハンズとのコラボ物件
かつて日本住宅公団として団地建設を進めてきた都市再生機構(UR都市機構)は、平成24年から無印良品とのコラボ事業「MUJI×UR団地リノベーションプロジェクト」をスタート。このために開発したダンボールの可動式ふすまや麻の畳、MUJIブランドの家具や雑貨を使って、デザイナーズマンションのように真新しくおしゃれな部屋にリノベーションしています。現在は関東、関西のほか、中部、九州エリアでもMUJIコラボ物件を展開しています。また、名古屋市の「アーバンラフレ志賀」や横浜市「左近山団地」では、IKEAのオリジナルシステムキッチンを導入。白を基調としたスタイリッシュな室内に映えるデザインになっています。東急ハンズとのコラボした横浜市「金沢シーサイドタウン並木一丁目第二団地」では、2畳ほどの押し入れを東急ハンズのキットを使って2段ベッドにしたり、作り付けの机やクローゼットにしたりと、クリエイティブで機能的な部屋に生まれ変わっています。
おしゃれなだけじゃない、地域との共生をめざした物件も
小田急線「座間」駅から徒歩1分の「ホシノタニ団地」は、「星がつながって星座になるように人と人をつなぐ場所になりたい」との思いで付けられた名前。小田急電鉄の社宅だった築50年以上の4棟のうち、2棟がリノベーションされました。和室の2DKから1LDKのような広々としたワンルームへと生まれ変わっています。敷地内にあるアドバイザー付きの貸し農園(シェア畑)は、あえて入居者以外の近隣住民にも開放されており、地域の人との交流の場にする目的でも活用されています。この農園の食材を使った農家カフェや子育て支援施設もあり、団地内だけでなく地域に開かれたコミュニティをめざして様々な取り組みが行われています。
このほか、横浜市の「洋光台団地」では建築家の隈研吾氏とクリエイター佐藤可士和氏を中心とした「団地の未来プロジェクト」も進行しています。現代のスタイリッシュな生活空間と昔ながらの団地の良さを活かした生活スタイルが、注目を集めている理由なのかもしれません。
(※写真はイメージです)
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