住宅ローン金利速報|2ヶ月連続の引き上げ! 2025年3月の【フラット35】金利

3月に入り、4月からの新生活に向けて住宅購入や引っ越しを予定している人も多いでしょう。住宅ローン金利が気になるところですが、2月の【フラット35】金利は、日銀の政策金利引き上げ直後だったものの、小幅な上昇にとどまりました。ここから、2025年3月の【フラット35】金利はどのように推移したのでしょうか。最新の動向をお伝えします。

2025年3月の【フラット35】金利

2025年3月の全期間固定金利型住宅ローン ARUHI フラット35の金利は融資比率9割以下・返済期間21~35年、機構団信加入で1.94%と前月から0.05%引き上げに。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.55%と、こちらも前月から0.05%引き上げとなりました。融資比率9割以下・返済期間36~50年の金利は2.04%で、前月から0.05%引き上げとなっています。

ARUHI 住宅ローンの実行金利一覧

建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHI フラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHI スーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。

物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット5」(※団信込み。全疾病別途)は1.78%。

物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット6」(※団信込み)は1.79%。

物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.80%。

物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット7」(※団信込み)は1.80%。

物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.81%。

物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット8」(※団信込み)は1.81%。

物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHI スーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.93%となっています。

物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHI スーパーフラット9」(※団信込み)は1.93%となっています。

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まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

日銀利上げ警戒で長期金利が急上昇したが2025年3月【フラット35】は小幅な上昇に抑えられた

2月の長期金利は一時1.4%を超える水準まで上昇しました。1月の日銀金融政策決定会合で政策金利が0.25%引き上げられ、日銀は「経済・物価見通しが実現していくとすれば、引き続き緩和度合いを調節する」とし、今後も利上げを継続する方針であることが長期金利の上昇に拍車をかけたと言われています。

この長期金利の上昇を反映して機構債は1.49%から1.71%へ0.22ポイントも上昇しました。長期金利は住宅ローンの固定金利タイプに影響するため、通常ならば【フラット35】金利は同じ幅の0.22ポイント上がることになるのですが、住宅金融支援機構は上昇を抑えて、前月から0.05ポイント上昇の1.94%としています。

【フラット35】の金利が長期金利や機構債の上昇に対して抑えられる傾向は、日銀がマイナス金利政策を解除した2024年4月から一貫して継続中です。下表のように2024年4月の長期金利は0.78%で【フラット35】は1.82%でした。2025年3月の長期金利は1.41%と昨年4月よりも0.63ポイントも上がったのですが【フラット35】金利はわずか0.12ポイント上乗せした1.94%となっています。

もしも、長期金利と同じ幅で0.63%上がっていれば2.45%になっていたかもしれません。民間銀行の35年固定金利は軒並み2%を超えていることと比較すると、【フラット35】の金利水準が全期間固定金利としては非常に低く抑えられていることが分かります。個人的には今後も、長期金利の水準に対して【フラット35】の金利上昇が抑えられる傾向が続くことを期待しています。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組みによると、住宅金融支援機構が機関投資家に機構債を販売して資金調達し住宅ローンを貸すという基本スキームとなっています。つまり機構債の表面利率はいわば資金の仕入値にあたり、【フラット35】の金利が売値にあたります。

これまでも金利の上昇局面にあっては【フラット35】の上昇は抑えられてきましたが、その理由は住宅金融支援機構が国の子会社的な位置づけにあり、営利を目的としないからです。また、政府の少子化対策として子育て世帯が申請できる子育てプラスでは、当初期間の金利が最大年1%引き下げとなります。

民間銀行の固定金利は長期金利の影響を受けるため上昇が見込まれます。変動金利については1月の日銀の政策金利の引き上げを受けて、多くの銀行で4月から変動金利の基準金利が見直されることになります。民間銀行の住宅ローンの金利上昇が見込まれる環境下で、政策的に金利を引き下げてくれる【フラット35】は心強いものになっています。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。

【フラット35】の仕組み

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<ARUHI フラット35 商品概要>(2025年3月現在)
【実質年率】15.0%以下
【返済方式】元利均等返済方式・元金均等返済方式
【遅延損害金】年14.5%(年365日の日割計算)
【返済期間】1年~50年
【返済回数】11回~599回
【担保】住宅金融支援機構が第一順位で抵当権設定
【貸金業者の商号】SBIアルヒ株式会社
【貸金業登録番号】関東財務局長(3)第01512号
<ARUHI スーパーフラット 商品概要>(2025年3月現在)
【実質年率】15.0%以下
【返済方式】元利均等返済方式・元金均等返済方式
【遅延損害金】年14.0%(年365日の日割計算)
【返済期間】1年~35年
【返済回数】10回~419回
【担保】SBIアルヒ株式会社が第一順位で抵当権設定
【貸金業者の商号】SBIアルヒ株式会社
【貸金業登録番号】関東財務局長(3)第01512号
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