高収入を目指すにあたり「世帯年収1,000万円」をひとつの目標にしている人は多いでしょう。国税庁「2022年 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の1人あたりの平均給与は458万円。厚生労働省「2022年 国民生活基礎調査」で見る世帯年収は平均545.7万円。世帯年収1,000万円以上の割合は全体の12.6%です。
住宅購入者・住宅購入検討者のうち、年収1,000万円以上の世帯はどのような住宅を購入し、住宅ローンを利用しているのでしょうか。ARUHIマガジン『住宅購入に関する調査2024』の結果から紐解きます。
世帯年収1,000万円以上の人はどんな人? どんな家を買う?
まず、「世帯年収1,000万円以上」で住宅を購入した、もしくは購入予定の世帯の特徴を調べたところ、回答者の平均年齢は48.9歳で、既婚者の割合は86.1%と、全回答者の平均と比べて既婚者の割合が高い結果に。共働きの割合も高く、全体平均の72.7%に対し、世帯年収1,000万円以上の世帯は78.8%でした。夫婦がともに働くことで高い収入を維持していると考えられます。
「在宅勤務あり」と回答した人は61.5%で、全体平均の51.3%なのに比べて10ポイント近く高いことが分かりました。配偶者の在宅勤務率も、全体平均が29.5%なのに対して世帯年収1,000万円以上の配偶者は31.4%と、やや在宅勤務率が高い傾向がうかがえます。
世帯年収1,000万円以上の人は、どのような住宅に住んでいるのでしょうか。持ち家の人を対象として物件種別で見ると、「中古住宅」が44.4%(全体平均37.8%)、「注文住宅」が19.4%(同19.4%)、「新築マンション」が13.0%(同7.4%)、「中古マンション」が13.0%(同20.9%)、「建売住宅」が10.2%(全体平均14.4%)、でした。持ち家に住む全回答者の調査結果と比較して、戸建ては中古住宅、マンションは新築マンションに住んでいる人の割合が高い傾向がうかがえます。
世帯年収1,000万円以上の人の住宅ローン事情は?
世帯年収1,000万円以上の家庭の住宅購入金額は平均で5,712万4,000円(中央値5,000万円)、うち借入金額は平均で2,060万8,000円(中央値1,500万円)、「住宅ローンの毎月返済額」は平均15万2,000円(中央値12万円)、「住宅ローンの返済期間」は平均24.8年(中央値25年)でした。
全住宅購入者と住宅購入検討者の住宅購入金額は平均で3,824万4,000円(中央値3,600万円)、うち借入金額は平均1,730万7,000円(中央値1,000万円)だったことから、世帯年収1,000万円以上の住宅購入金額は全体平均の約1.5倍で、借入金額もやや多い金額となっていることが分かります。
借入可能額や毎月の返済額をチェック!
世帯年収1,000万円以上の住宅購入者と住宅購入を予定している人に、「頭金」をどのくらい用意したか(用意しているか)調査をしたところ「2,000万円以上」が45.3%と半数に迫る結果に。「600万円以上」の頭金を用意した世帯は68.6%を占めました。ちなみに、住宅購入時(購入検討者は現在)の預貯金額が「2,000万円以上」と回答した人は全体の31.7%ですが、世帯年収1,000万円以上の世帯に関しては66.4%が該当。しっかりとお金を貯めてから住宅を購入している世帯が多いと考えられます。
その一方で、世帯年収1,000万円以上で「頭金なし」と回答した人は12.4%という結果に。物件価格に対する頭金の割合を見ると、13.3%が1割未満、25%が2割未満の頭金に抑えていることから、高収入であっても頭金の額を抑えて住宅を購入する世帯も少なくないことが分かります。
まとめ
世帯年収1,000万円以上の家庭は収入とともに預貯金額も多い傾向にあり、住宅購入金額が大きくなりがちです。安定した収入があって資金に余裕があれば、住宅ローンの金利タイプや商品の選択肢は自然と増えます。また、住宅ローンの利用は、頭金を多く入れて借入金額を減らすことも、最低限の頭金に抑えて手元に資金を残す選択もできます。さまざまな選択肢があるなかで「自分にとってベストな住宅ローンの商品を選びたい」「無理のない返済計画を立てたい」という人は、FPなどの専門家、もしくは住宅ローンを取り扱う金融機関に相談をしてみてはいかがでしょうか。
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【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2024年3月15日~3月16日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング
※調査結果は、端数処理のため構成比が100%にならない場合があります