年収400万円の人が無理なく返せる住宅ローンの金額とリスクを軽減する方法

いくらくらいの住宅ローンを組むのが適正なのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

本記事では、年収400万円程度でマイホームの購入を考えている人に向けて、いくらくらいの住宅ローンを組むのが適正なのかについて解説します。

適正な借入額を知ることは、無理なく返済を続けるためにも大切です。

あわせて年収400万円の人が住宅ローンを組むうえでどのようなリスクがあるのか、またそれを軽減する方法についてもわかりやすく解説しますので、参考にしてください。

年収400万円の人が無理なく返せる金額はいくらまで?

年収とはあくまでも社会保険料や税金などを引かれる前の収入額であり、実際の手取り額とは異なります。

では、年収400万円の手取り額はいくらくらいなのでしょうか。

仮に30代で扶養している配偶者がおり、子どもがいないケースを想定してみましょう。計算においてボーナスはなしとします。

この場合、手取り額は約319万円、月額に換算すると約27万円です。
子どもの有無や扶養している配偶者がいるかどうかで最終的な手取り額は異なりますが、年収400万円の場合、概ね月の手取り収入は25万円~28万円程度になると予想できます。

そして、住宅ローンを組んだときに無理なく返済できる金額の目安は手取り額(月額)の25%までといわれており、それを当てはめると毎月の返済額は6万円~7万円程度です。もし、奨学金や車のローンなどほかの借り入れがある場合はそれらの返済分も含めなければなりませんので、住宅ローンの返済に回せる額はさらに下がることになります。

年収400万円の人が無理をすれば借りられる金額の上限は?

月収をもとに借り入れられる金額を計算するには「返済負担率(返済比率)」を使う方法があります。返済負担率とは、年収に占める年間のローン返済額の割合のことで、ローン返済額には住宅ローン以外の返済も含まれます。

無理をすれば借りられる金額の目安は、収入(額面)の30%~40%までといわれており、各金融機関が独自で上限を設けています。ただ、公表されていない場合がほとんどなので、知ることはできません。

返済負担率は審査の過程でチェックされる項目で、各金融機関が定める割合を超えた場合は審査に通らない、もしくは希望する額までの借り入れができない可能性が高くなると考えておきましょう。

月収(額面)の30%~40%を目安と考えると、無理をして借りた際の毎月の返済額は10万円~13万円程度になります。返済期間を35年と仮定すると、3,200万円~4,000万円が借入可能額の上限です。

このようにほかの借り入れがない場合は、最大で年収の10倍にあたる4,000万円程度まで借りられる可能性もありますが、借りられる金額と無理なく返済できる金額は異なります。

無理をして借り入れ、途中で返済が難しくなるリスクを避けるためにも、できるだけ返済負担率を目安とされる手取りの25%までに設定し、毎月の返済額が6万円~7万円程度に収まるように借入金額を調整しましょう。

住宅ローン破綻のリスクを下げるために検討すべき選択肢は?

無理な借り入れを行ってしまうと、貯蓄に回せるお金がなくなるため、急な出費や今後発生するライフイベントによっては住宅ローンの返済が困難になる可能性があります。そのような状態は絶対に避けなければなりません。

住宅ローン破綻を防ぐためには、以下に挙げる内容を意識しましょう。

頭金を入れる
住宅ローン破綻のリスクを下げるための方法として一番に挙げられるのが、頭金を入れることです。
頭金を入れることで、その分借入金額が少なくなり、毎月の返済額を抑えることにつながります。最近では一定割合の頭金を用意することで金利を優遇する金融機関も増えているため、ぜひ検討してみましょう。

頭金を入れずに平均的な価格帯の住宅を購入しようと考えると、どうしても返済負担率が高くなり、毎月の返済額が家計を圧迫してしまいます。その結果、住宅ローン破綻のリスクが高まることになるのです。

ただし、頭金を入れる場合は、一時的に手持ち資金が減ることになるため、最低でも3ヶ月~6ヶ月分の生活費を生活防衛資金として残したうえで準備することが大切です。

元金均等返済を選択し、将来の負担を減らす
住宅ローンの返済方法には、元利均等返済と元金均等返済があります。

元利均等返済とは毎月の返済額を一定にし、その中で利息と元本の割合が変化していく返済方法です。最初は返済額における利息の割合が大きく、返済が進むにつれ、利息の割合が減っていきます。

一方、元金均等返済は、元金の返済を毎月一定にし、それに利息をあわせて返済します。そのため、最初の月の返済額が一番多く、返済が進むにつれ、返済額が減っていくという特徴があります。

2つの返済方法のうち、総返済額を減らせる効果が高いのは元金均等返済です。もし、頭金が用意できなくても初期の返済額が多い期間に耐えられるなら、元金均等返済を選択しましょう。返済のたびに返済額が減っていき、家計の負担も徐々に軽くなるため、住宅ローン破綻のリスクを抑えられます。

繰り上げ返済でリタイア時期までの完済を目指す
多くの住宅ローン商品の完済時年齢は80歳までです。ただ、リタイア後の収入源は主に年金のみとなってしまうため、現役時代と比べると、住宅ローンの返済が負担になることが想定されます。

そのため、現役時代に計画的に繰り上げ返済を利用し、リタイア時までに完済することを目標にしましょう。

繰り上げ返済は期間短縮型と返済額削減型があり、期間短縮型のほうが利息負担を抑える効果が高いといわれています。毎月の返済額が負担にならないなら、期間短縮型を選択することをおすすめします。

住宅関連費も含めて無理なく支払える金額に調整する
マイホームを持つにあたっては、その後に発生する固定資産税の支払いや修繕費用を考えておかなければなりません。また、住宅ローンを組む際や住宅を購入する際には諸費用がかかり、諸費用だけでもまとまった金額が必要になります。

そのため、単に物件の購入価格から算出した返済額ではなく、手続上の諸費用や今後発生する税金や費用も含めたうえで毎月無理のない返済ができる額に収めることが大切です。固定資産税が毎年どのくらいかかるのか、また修繕費用はどのくらい考えておけばよいのかなどの情報を早めに取り入れ、そのうえで無理なく返済できる額に調整するようにしましょう。

まとめ

年収400万円の人が無理なく返済できる額は毎月6万円~7万円です。借入期間を35年に設定するなら、借入金額は1,800万円~2,200万円程度が妥当といえるでしょう。

頭金を用意したり、返済方法を工夫したりするなどして余裕を持って返済できる額を借り入れ、返済計画を立てるようにしましょう。その際には、住宅購入費用以外の費用が発生するのを忘れないことも大切です。

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