子育ての観点から考える住まい選び マンションと戸建て、どっちにする?

引っ越しや住み替え、マイホーム購入など、住まいを新しくするきっかけの一つが、子どもの成長です。子どもが大きくなるにつれて、より広いスペースや各々の過ごす部屋が必要になります。

このとき悩みがちなのが、家の種類です。子育てをするうえでは、マンションと戸建て住宅どちらがより良い選択なのでしょうか。

この記事では、マンション・戸建てそれぞれのメリット・デメリットを、子育ての観点から考えます。

マンションで子育てをするメリット

まずはマンションを考えてみましょう。マンションで子育てをするメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。

立地の良い物件が多い

立地の良い物件が多いマンション

マンションで子育てをするメリットにまず挙げられるのは、立地の良い物件が多いことです。一般的にマンションが建つエリアは、戸建て住宅と比べて交通アクセスの良い場所が多く、商業施設・教育施設が近くにある傾向にあります。

保育所や学校、塾などが自宅から近ければ、子どもが自分で通ったり親が迎えに行ったりしやすいでしょう。また、親にとっても駅が近ければ通勤がしやすくなり、商業施設が近ければ買い物をしやすいというメリットがあります。

住居の立地は住みやすさに直結するため、住まい探しでは重要なポイントです。

防犯面で安心できる
マンションは防犯設備が整っている点もメリットです。オートロックや防犯カメラ、警備会社のセキュリティシステムなどを導入している物件が多いため、安心して暮らせます。

マンションはダブルロック(2重施錠)であるところが多く、高級マンションならトリプルロックを取り入れているところもあります。

両親が共働きの世帯は特に、子どもが日中1人で家にいる時間が長くなります。万が一のことを考えて、防犯設備が整っているマンションを選ぶ世帯も多いでしょう。また、人の目が多く不審者が近づきづらいのも、集合住宅のメリットです。

売却しやすい
マンションを所有している場合、売却しやすい点もメリットです。先述のとおりマンションは立地条件の良いところが多いため、戸建て住宅よりも売却しやすいとされています。

子育てが進みライフスタイルが変化すれば、生活に合った立地や間取りも変わります。たとえば子どもの進学をきっかけに、部屋数が多くスペースも広い戸建て住宅への住み替えを検討することもあるでしょう。

次のライフステージのために、住んでいたマンションを売って、住み替えの資金にあてる人も少なくありません。

マンションで子育てをするデメリット

マンションで子育てをする場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

騒音トラブルが予想される
マンションでは騒音トラブルが起きがちな点が、子育てするうえではデメリットになるでしょう。集合住宅は住民が密集して住んでいるため、上下左右に部屋がある場合は、構造上、音の問題が起きやすくなります。

特に子どもが小さいうちは、足音や泣き声などのコントロールを本人に求めることは難しいでしょう。

マンションでの騒音トラブルを避けるためには、なるべく防音性の高いマンションを選ぶ、防音カーペット・防音カーテンを取り入れるなどの対策を取る必要があります。

子どもの個室を用意できないことがある
マンションに住むと、子どもの個室を用意することが難しい場合があります。

マンションは戸建て住宅に比べて専有面積が狭くなるのが一般的です。そのため、戸建て住宅よりも部屋数が少なくなり、子どもの個室をつくることができないこともあります。

子どもが小さいうちは、いつも保護者の目が届くように同じ部屋で過ごすことも多いでしょう。しかし子どもが成長すれば、お互いのプライベートな時間を守るために個室を必要とするようになります。とはいえ、部屋数の多い住居への住み替えは金銭的な理由で難しいのが実情です。

ベランダから転落するリスク
マンションのベランダや窓から子どもが転落する事故は、定期的に起きています。マンションだけでなく戸建て住宅でもあり得ることですが、マンションの高層階に住む場合は特に注意が必要です。

子どもの転落事故の多くは、保護者が目を離した隙に、家具などを足場にしてベランダの手すりや窓辺によじ登ってしまうことで起こります。

子どもは親の想定を超える行動を起こすことがあるので、足場になりそうな物をベランダや窓際に置かないなど徹底的な対策が必要です。

戸建て住宅で子育てをするメリット

続いて、戸建て住宅で子育てをするメリットを見てみましょう。

子どもに個室を用意できる
子どもに個室を用意できる点は、戸建て住宅で子育てをする際に大きなメリットとなるでしょう。

戸建て住宅はマンションよりも広い延床面積を確保でき、部屋数を多くできるのが一般的です。そのため、親だけでなく子どもにも個室を与えられるでしょう。

子どもが増えたタイミングで戸建て住宅に住み替えをする人も少なくありません。子どもたちが成長すれば、1人につき1部屋必要になることを見越しているためです。

庭で遊ぶことができる

庭で子どもと遊べる

戸建て住宅は庭を設えることができるので、子どもを庭で遊ばせることができる点もメリットの一つです。

芝生を植えておけば、子どもやペットが庭で走り回ることもできます。またスペースに余裕がある場合は遊具を置いて遊んだり、家族でバーベキューを楽しんだりと、自宅にいながら多彩な楽しみ方ができます。

園芸が好きなら花や野菜を庭に植えて、子どもと一緒に育てるのもおすすめです。

ペットが飼える

戸建て住宅の魅力はペットが飼えること

戸建て住宅ではペットを飼うことができるのもメリットです。

マンションは、規約でペットの飼育が禁止されているケースが多いでしょう。ペット可の物件を探すこともできますが、ほかの条件と比較・考量しなければいけないので、選択肢は狭まることになります。

その点、戸建て住宅であれば、問題なくペットと一緒に暮らすことができます。どうしてもペットを飼いたいと思っている人は、戸建て住宅を中心に住まいを探すことになるでしょう。

戸建て住宅で子育てをするデメリット

戸建て住宅で子育てをするとき、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

子どもに目が届きにくい
戸建て住宅は、子どもに目が届きにくい点がデメリットです。スペースが広く、部屋数も多いため、家事をしているとき子どもから目を離す時間が生じます。

戸建て住宅は2階建てが一般的なので、どうしても死角が生まれやすい構造です。目を離した隙に階段から転落した、ベッドから落ちたなどの事故が起きやすくなります。

小さな子どもは予想外の動きをすることも多いので、戸建て住宅での子育てでは、子どもから目を離さなくて済む工夫が必要になるでしょう。

防犯面で不安がある
戸建て住宅は、防犯面に不安が生じることがあります。防犯設備が手厚いマンションと比べると、戸建て住宅はどうしても手薄と感じてしまいます。

特に夫婦共働きで一人っ子などの場合、子ども1人で留守番をする時間が多くなります。また集合住宅と違い人の目が少ない場合もあるので、不審者の訪問や空き巣の侵入などを心配する人も多いでしょう。

戸建て住宅で子育てをするなら、警備システムの導入や監視カメラの設置など、防犯対策を取る必要が出てくるかもしれません。また、子どもと防犯知識を共有しておくことも大切です。

まとめ・「子育て後」の視点も大事

子育ての視点からマンションと戸建て住宅のどちらが良いかは、意見が分かれるところです。それぞれ記事で紹介したメリット・デメリットがあり、自分たちの家族に当てはめて考える必要があるでしょう。

マイホームを購入する大事な視点は、子どもが巣立った後もその家での生活が続くという点です。「人生100年時代」を迎えた今、子育ての期間より子育て後の期間が長くなることもめずらしくありません。

結婚・育児・子育て後という生活のステージ変化やライフプランに合わせて、住まいを選ぶことが求められます。リフォームや住み替えなども含めた柔軟なマイホーム計画を立てることをおすすめします。

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