戸建てでのびのびとした子育てを|戸建てで育児するメリットと注意点とは

住宅購入のときには、戸建てにしようかマンションにしようか迷うことがあるでしょう。特に子育て世代は自分たちだけではなく、「子どもにとって住みやすい環境」も考えなければならず、より悩ましい問題です。

今回の記事では、「子育て世代と戸建て住宅」について解説します。育児中の世代が戸建てを選ぶメリットや注意点について紹介するので、参考にしてください。

戸建ては子育てしやすい

小さな子どもがいる子育て世代にとって戸建てはとても住みやすい環境です。戸建てのどのようなところが子育てに向いているのか解説します。

足音や大声を気にしなくてもよい
戸建てはマンションと異なり、階下によその人が住んでいません。そのため、子どもがジャンプしたり走ったりしても、足音や振動を気にしなくて済むでしょう。また、上階や左右と天井や壁越しにつながっているマンションに比べ、子どもの泣き声や騒ぎ声で迷惑をかけてしまう可能性は低くなります。

ただし、戸建てだからといって必ずしも近隣住民に迷惑をかけないとは限りません。隣家との距離が近い物件では、マンション並みに声や足音が伝わってしまうこともあります。音を気にせず生活するためには、周辺環境をよく確認するようにしましょう。

庭で遊べる
マンションの場合、庭があるのは1階の住宅のみ、もしくはすべての部屋に庭がないというところがほとんどです。それに比べ戸建ては庭がある物件が多く、子どもを庭で遊ばせられます。忙しくて公園まで連れていけないときや、体調が万全でないときも、子どもが外で遊べるのは便利でしょう。

また、庭に花壇や畑を作れば、子どもと一緒に花や野菜を育てることもでき、自宅で命を育む教育や食育を行うこともできます。

駐車場と家までの距離が近い
駐車場がある戸建ての場合、マンションに比べ駐車場から玄関までの距離が近く、旅行で荷物が多いときや、水やお米など重たいものを買ったときでもラクに運べます。小さい子どもがいるときに、子どもを連れて荷物を運ぶのは大変です。車と家の距離が近いと何かと便利になるでしょう。

また、マンションで駐車場を利用する場合は毎月駐車場代がかかります。戸建ては自分の土地を駐車場とするので、さらにお金がかかることはありません。都心のマンションでは、駐車場代として毎月2~5万円かかるところもあります。その分の費用が浮くところも戸建ての大きなメリットです。

子ども部屋を作りやすい
住宅金融支援機構の「2022年度フラット35利用者調査」によると、戸建て、マンションの平均住宅面積は以下のとおりです。

この表から、住宅面積はマンションよりも戸建てのほうが広いことがわかります。広く部屋数が多い戸建てを選べば、子どもが2、3人いる家庭でも一人ずつ子ども部屋を持てます。

子育て世代は戸建て派が多い

マイナビニュースが行った小学生以下の子どもを持つ女性へのアンケート調査によると、マンション・アパートに住む人は47.3%、戸建ては52.7%でした。わずかな差ではありますが、戸建て派の人のほうが多い結果となっています。

マンション派であっても、マンションを選んだ理由に「戸建てより安価」「戸建てを買う前の一時的な住まいとして」「社宅だから」といったものを挙げている人もいます。このことから、小さい子どもがいる世代では、戸建てに住みたいと考える人が多くいることがわかります。

戸建てで育児するときの注意点

子育て世代にとって、たくさんの魅力がある戸建てですが、戸建てに住めれば何の問題もない、というようなことはありません。子育て世代が戸建てに住むときの注意点について解説します。

階段の転落事故に気をつける
平屋の戸建てもありますが、多くは二階建てや三階建てで室内に階段があります。子どもが大きく、安定して階段を上り下りできるのであれば特に大きな問題はありません。しかし、未就園児の小さな子どもがいる世代では、子どもが階段から転げ落ちてしまう可能性があります。

東京消防庁の「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」では、階段や脚立などから「落ちる」事故により、2021年には年間1万3,621人もの人が救急搬送されていると報告しています。なかでも0歳から4歳が最も多いという結果でした。小さな子どもがいる家庭は、このような「落ちる」事故に注意が必要です。

事故を防止するために、階段の上下にゲートを設置するなど、転落事故対策を行いましょう。

静かな住宅街は見守りが必要
人通りが多くない静かな住宅地にある戸建てに住むときは、防犯面で注意が必要です。不審者は人があまりいないところによく現れるとされています。子どもが一人で出かけるとき、自宅のそばで危険な目に遭うかもしれません。

一人で出かけたときは暗くならないうちに帰宅するように注意する、なるべく親が送迎するなど、子どもが襲われないように対策が必要です。

また、玄関で不審者に襲われたとき、外側から見えないと誰にも気づいてもらえない可能性が高くなります。庭木で家がまったく見えない場合は、死角を作らないように伐採しましょう。

価値が下がりやすく住み替えしにくい
戸建ては土地と建物を購入するケースが一般的です。土地の価格の変動は地域や場所によって異なりますが、建物部分の価値は基本的に時間が経つにつれ低下します。戸建てでよくある木造建築の耐用年数は20年ほどで、20年~30年後の建物価値はほぼゼロに近くなってしまいます。

子どもが巣立ち、小さな家に住み替えようとしたとき、売却価格は購入時の価格よりもかなり下がっているかもしれません。

マンションは鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートで造られており、耐用年数は50年~100年と木造住宅に比べ長く、価値が下がりにくい傾向があります。駅チカで人気が高いマンションを購入すれば、住み替えのときもすぐに買い手がつきやすいでしょう。

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戸建てで育児を楽しむコツ

防犯面などで注意しなければならない点はありますが、庭があり広い空間に住める戸建ては子育て世代におすすめです。ここでは、戸建てをさらに楽しむためのポイントについて解説します。

子育て世代が多い地域を選ぶ
子育て世代には、自分の子どもと同世代が多い住宅街の家を選ぶことをおすすめします。そうすることにより、小学校の登下校で子どもが一人にならずに済むため安心です。自宅のそばに同年代が多ければ友達が作りやすく、子どもも楽しく過ごせるでしょう。

築年数が浅い家が多い新興住宅地では、小さな子どもがいる世代が多くなります。子どもの友だちづくりや、親同士のつながりのことを考慮するならば、こういった場所の戸建てを選ぶことをおすすめします。

自治体や地域コミュニティに積極的に参加する
防犯面で心配な面がある戸建てでは、近所の人と関わりを持つようにしたほうがよいでしょう。付き合いがあり顔見知りになっていたほうが、子どもに何かあったときに声をかけてもらいやすくなります。

道で会ったときは積極的に挨拶をしたり、道路掃除などの自治体行事に参加したりして、普段から地域とつながりを持っておくようにしましょう。

まとめ

戸建ては広く部屋数が多い傾向があり、子どもが複数いる世代ものびのびと過ごせます。また、声や足音が大きくなりやすい子どもも、階下や隣の人を気にせずに生活できる点も大きなメリットでしょう。実際に、子育て世代は戸建てに住みたいと思う人も多くいます。

ただし、防犯や、屋内階段での転落事故を防止するための対策は必要です。子どもが安心して暮らせるよう工夫を心掛けましょう。

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