住宅ローンは借入額に金利分を足した金額を返済するため、金利はなるべく低いほうが支払いの負担が減ります。
最終的に支払う金利分を減らすために、変動金利から固定金利への変更を検討している人もいるでしょう。そこで、この記事では変動金利から固定金利へ変更するメリットや、変更すべきタイミングなどを解説します。
住宅ローンの金利はおもに3種類
住宅ローンの金利には、変動金利型・全期間固定金利型・固定金利期間選択型の3種類があります。どんな違いあるのか、それぞれの特徴についてまとめました。
変動金利型
変動金利型は、金利の上昇下降に応じて住宅ローンの適用金利が変動するタイプです。基本的に固定金利型よりも金利が低く設定されますが、金融情勢の影響を受けるため、金利上昇局面では固定金利よりも高くなるリスクがあります。
住宅ローンの借入額は高額な場合が多いことから、1%の金利変動で返済額が万単位で変わってしまうこともあります。そのため、変動金利ではわずかな金利の上昇でも、予想したよりも大幅に返済額が増えることもあるでしょう。
全期間固定金利型
全期間固定金利型は、社会情勢により金利が上昇または低下しても適用金利は一定です。
変動金利ではわずかな金利の上昇でも月々の返済額が大幅に変わることがありますが、固定金利型なら金利上昇による返済額増額のリスクはありません。
しかし、金融情勢の影響を受けないということは、金利が低下した場合でも支払額は減らないということになります。金利が変わらない、もしくは下がるような場面では、変動金利型よりも高い金利をずっと払い続ける可能性がある点も考えておきましょう。
固定金利期間選択型
固定金利期間選択型は、一定期間の金利が固定で、その後は変動金利になるタイプです。金融機関にもよりますが、固定金利とできる期間は、2年・3年・5年・7年・10年・15年・20年などさまざまです。
また、固定金利の適用金利は、一般的に固定金利期間が短いほうが低金利になる傾向があります。最初に設定した固定金利期間が終わったときに、その後あらためて固定か変動か選べますが、金利はそのときの金融情勢にあわせて適用されます。
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住宅ローンの金利の種類は途中で変更できる?
金融情勢により金利が上昇または低下すると、「金利の種類を変更すれば支払額を抑えられるのではないか?」と考える人もいるかもしれません。結論からいうと、住宅ローンの金利の種類を途中で変更することは可能です。
ただし、固定金利の特約などで固定金利から変動金利には変更できないケースもあります。金利タイプによって変更できるかどうかが異なるため、借り入れをした金融機関に問い合わせてみましょう。
変動から固定に変更するメリット
固定金利は金利上昇リスクがなく毎月の支出が一定であるため、突然支払う住宅ローンの金額が増えて家計が破綻するようなことは起こりにくくなります。
また、変動金利では最終的な総支払額がいくらになるのかわかりませんが、固定金利にすれば確定できます。そのため、長期的なお金の計画を立てやすくなるでしょう。
変動から固定に変更すべきタイミング
変動金利から固定金利に変更すると、支払額が大きくなってしまう可能性もあるため、タイミングの見極めが重要です。変更金利から固定金利に変更するとよいタイミングについて解説します。
固定金利のほうが低金利
現在契約しているものよりも金利が低い固定金利の住宅ローンがあれば、確実に支払額が下がります。そのため、固定金利のほうが低金利で現在の負担を減らしたいというときには変更がおすすめです。
ただし、将来的に金利が下がる可能性があり、変動金利のままにしたほうが最終的に支払う金利分が少なくなるかもしれません。今後金利が上昇するのであれば正しい選択となりますが、金融情勢を完全に予測することは誰にもできません。
金利が上昇すると支払が困難になるとき
変動金利型は、適用金利が下がることもあれば上がることもあり、支払額が安定しません。そのため、現状で貯蓄ができてないなど、金利が上昇したら家計が破綻すると予測できるときも、固定金利に切り替えるよいタイミングです。
固定金利は契約期間中ずっと同じ金利で支払額も一定です。したがって、固定金利に変更すれば、少なくとも支払額が大幅に増える事態は避けられます。ただし、固定金利にして支払額が増えるのであれば、変更してもやはり家計が破綻する可能性があります。適用金利や支払額などをシミュレーションして、慎重に検討しましょう。
支払額を安定させたいとき
固定金利は変動金利と違って金利が変わらないので、支払額が一定になります。そのため、変動金利で家計の管理が面倒だと感じる人は、支払額を安定させる目的で変更することもあります。毎月同じ返済額で、金利の上昇による返済額の負担増に不安を感じたくない場合は、固定金利への切り替えを検討するとよいでしょう。
変動から固定に変更するときの注意点
変動金利から固定金利への変更はメリットばかりではありません。かえって負担が増えてしまわないように、慎重に判断することが大切です。ここでは、変更金利から固定金利へ変更するときの注意点を紹介します。
金利が上がってから変更しても遅いケースがある
最初は変動金利で契約しておいて、金利が上がるタイミングで固定金利に変更すればよいと考える人も多いでしょう。しかし、同じ時期の変動金利と固定金利を比較すると、基本的に固定金利のほうが高くなります。変動金利が上がったタイミングでは、すでに固定金利も上がっていることが一般的です。
たとえば、変動金利が0.3%から1.3%へ上昇したとします。そのタイミングで固定金利へ切り替えようとすると、固定金利と変動金利には約1%の金利差があるとされているため、固定金利はだいたい2.3%になると考えられます。変動金利から固定金利へ切り替えた結果、2%も金利が高くなってしまうのです。
金利が上昇する直前に固定金利に変更できればよいのですが、金利の相場を予測することはほぼ不可能です。金利が上がってから固定金利へ切り替えると、返済額が大きく増えてしまうことがあるので注意しましょう。
手数料がかかるところもある
金利のタイプ変更の際に、同じ金融機関でも手数料がかかることがあります。金利の変動があったタイミングで変動金利と固定金利をうまく切り替えようと考える人もいるかもしれませんが、何度も変更すると手数料分で損をしてしまうかもしれません。
変動金利から固定金利に変更するときには、金利だけではなく手数料も含めてシミュレーションをしましょう。
まとめ
住宅ローンを変動金利から固定金利に変更することは可能です。ただし、必ずしも金利分の負担を減らせるとは限りません。適用する固定金利が契約中の変動金利より低かったり、支払額を一定にしたかったりするときは、変更するメリットがあるでしょう。
金利タイプの変更には手数料がかかる場合もあるので、金利だけではなく手数料も含めた総額でシミュレーションをして、慎重に切り替えを検討しましょう。
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(最終更新日:2024.04.19)