「学区」とは? 学区制のメリット・デメリット、東京都内で人気の「名門公立小学校」も紹介!

子育て世帯の多くが避けて通ることのできない、子どもの学区問題。多くの自治体で採用されている「学区制」とは、どのような制度なのでしょうか。メリットやデメリットとともに、学区外の学校に通う方法、東京23区で「名門」と称される人気の公立小学校があるエリアについても紹介します。

学区とは?

「学区」とは、簡単に言うと、住んでいる地域によってどの公立小学校・中学校に通うか指定される制度のこと。「通学区域」「校区」と呼ばれることもあります。

市町村教育委員会は市町村内に小学校(中学校)が2校以上ある場合、就学予定の子どもが通うべき小学校または中学校(=就学校)を指定することとされています(学校教育法施行令第5条)。この就学校を指定する際の判断基準となっているのが、学区です。学区は道路や河川などの地理的状況や地域特有の事情などもふまえ、各市町村教育委員会の判断に基づいて設定されています(参照:文部科学省 よくわかる用語解説) 。

学区制のメリット
学区制では、住所により通学する学校が明確になります。子どもが公立小学校・中学校に通う予定の家庭にとって、あらかじめどこの学校に通うのかわかるのは大きなメリットです。家を探す際、「いずれわが子が通学しやすいよう、学校の近くに家を買いたい」「転校を避けるために学区内で引っ越したい」という希望もかなえやすくなります。

加えて、住んでいる地域の学校に通うことで、子どもも保護者も地域との関わりが自然と深まります。子どもは近所に友だちができることでコミュニティーを作りやすく、親は保護者同士のネットワークができ情報交換がスムーズになったりする面もあるでしょう。地域のスポーツチームやお祭りなどイベントに参加する機会も持ちやすくなります。

学区制のデメリット
学区制のデメリットは、通学する学校を自分では選べないことです。指定された学校の雰囲気や教育方針が合えばよいのですが、合わない場合も変更することができません。また、指定された学校より家から近い場所に別の学校があっても、学区外のためその学校に通えないというケースも多くあります。基本的に、学区は一定以内の所要分数で通学できるように設定されていますが、世帯数に偏りがあるエリアなどの場合、一番近い学校が指定されない可能性があるため、注意が必要です。

学区の確認方法
通常、子どもが小学校に入学する前年度の秋から冬の間に、自宅へ「入学通知書」が届き、自分の家がどこの学校の学区なのか確認することができます。公立小学校・中学校の入学のタイミングで引っ越しを予定している場合など、事前に調べておきたい場合は、自治体のウェブサイトなどで確認することも可能です。

学区外の学校に通う方法はあるの?

学区制が導入されている場合、特別な事情がある場合を除き、学区外の学校に通うことはできません。ただし、「学校選択制」が導入されていれば希望の学校を選択することが可能です。一時期は都心を中心として学校選択制を導入するエリアが増えていましたが、地域との連携を重視するため、学校選択制を見直す自治体も増加。2022年度から渋谷区の小学校で学校選択制を廃止したことは記憶に新しいところです。

学校選択制には、自治体内であればどの学校でも選択できる「自由選択制」や、市区町村をブロックで分け、ブロック内の学校を選択できる「ブロック選択制」、従来の学区に隣接する区域内の学校を選択できる「隣接区域選択制」、従来の学区プラス特定の学校を選択できる「特認校制」、従来の学区プラス特定の地域に住む人が学校を選択できる「特定地域選択制」があります。

文部科学省「就学校の指定・区域外就学の活用状況調査について(P5)」によると、2022年度時点の調査で、小学校で学校選択制を導入している教育委員会は全体の22.7%。学校選択制のなかでも増え続けているのが「特認校制」で、小学校で学校選択制を導入している教育委員会の59%を占めています。

都内で人気の公立小学校がある区は?

ここからは、東京23区内のなかでも人気の公立小学校があるエリアを紹介します。

文京区の人気公立小学校

東京大学やお茶の水女子大学をはじめとする多数の教育機関があり、全国屈指の文教エリアとして知られる文京区。公立小学校の評判もよく、特に「3S1K」と呼ばれる誠之小学校・窪町小学校・昭和小学校・千駄木小学校の4校が人気です。

私立中学校に進学する人も多いエリアですが、誠之小学校区であれば、教育レベルが高いといわれる区立第六中学校に進学できることもポイント。また、窪町小学校がある茗荷谷駅近くには、お茶の水女子大学附属中学校・高校や筑波大学附属中学校・高校、東京学芸大学附属竹早中学校もあり、国公立に進学を予定している人にとって恵まれた環境です。

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誠之小学校 学区
窪町小学校 学区
昭和小学校 学区
千駄木小学校 学区

港区の人気公立小学校

「東京の3大名門公立小学校」と言われる3校のうち2校がある港区。青南小学校白金小学校が該当し、いずれも明治時代に創設された歴史ある小学校です。青南小学校は、青南幼稚園や青山小学校、青山中学校とともにカリキュラムを連携した一貫教育を実施しています。また、公立の中学校に進学する場合、青南小学校からは青山中学校、白金小学校からは高松中学校といった人気校に進学できます。

港区は学区制を原則としていますが、希望する場合には、一定の条件のもとに、学校を選択できる「学校選択希望制」を実施しています。小学校の場合は隣接校を選択することができ、中学校の場合はすべての港区立中学校を選択することができます。児童・生徒数の状況により選択希望ができない学校や学年があるため、確実に入学したければ学区内の住まいを探しましょう。

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青南小学校 学区
白金小学校 学区 

中央区の人気公立小学校

中央区には、創立150年を迎えた久松小学校があり、節目の年には皇族が記念式典に臨席されることで知られています。学力の向上はもちろん「豊かな心と健やかな体の育成」を目指したさまざまな取り組みも魅力です。

銀座の一等地にある泰明小学校も人気校のひとつ。学区内で住まいを探すのはハードルが高いと思われますが、中央区は特認校制度を採用しており、泰明小学校も指定校のひとつです。そのため、中央区民で選考を通過すれば通学が可能です。勝どきや月島といったタワーマンションが立ち並ぶエリアも通学圏内となるため、広い範囲で住まい探しができます。

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久松小学校 学区
泰明小学校 学区


世田谷区の人気公立小学校

「地元の学習院」と評されることもある桜町小学校の学区は、用賀〜桜新町の高級住宅街。教育環境とともに、落ち着いて暮らせる住環境を求めている人にぴったりです。
明治時代に開校した伝統校である八幡小学校は、九品仏小学校や八幡中学校とともに世田谷9年教育を推進。世田谷区内に3校ある「帰国・外国人児童・生徒指導支援校」のうちの1校でもあります。
体育健康教育推進校のひとつである松丘小学校は、勉強だけでなくスポーツにも力を入れたい人におすすめ。土曜に実施している講座寺子屋「COSMOS」などの活動も活発で、隣にプラネタリウムのある図書館がある環境も魅力です。

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桜町小学校 学区
八幡小学校 学区
松丘小学校 学区

学区の確認、学区内の物件探しにはTownUが便利!

アルヒ株式会社が運営する「TownU(タウニュー)」は、ライフスタイルや価値観に合った街をAI 技術を用いて提案する「街診断」や、街データベースや口コミ情報をチェックできる「街情報」など、住みやすい街を探す際に役立つWebサービスです。そんなTownUに、公立小学校・中学校の学区を簡単にチェックできる新機能が追加されました。

使い方は簡単です。TownUの「街を探す」で気になる駅名を検索したら、各駅のページの右端の「子育て」タブをクリック。下にスクロールすると、マップが表示されます。
マップ内の「小学校区」もしくは「中学校区」にチェックを入れると、公立小学校や中学校の学区(通学区域)や学校名、所在地が表示されます。

「子育て」タブのマップで「小学校区」をチェックすると、公立小学校の学区(通学区域)や学校所在地が確認できます。「中学校区」も同様に表示可能です
「子育て」タブのマップで「小学校区」をチェックすると、公立小学校の学区や学校所在地が確認できます。「中学校区」も同様に表示可能です
学区内の物件情報もマップ上で確認できます
学区内の物件情報もマップ上で確認できます

さらに、学区内で販売されている物件の所在地や価格などの情報も確認することも可能です。「特定の学校の学区内に引っ越したい」「住み替え後も今通っている学校にそのまま通わせたい」といったニーズに沿った物件検索をより簡単に行うことができます。「物件検索サイトをチェックしても、どの物件が通いたい学区内にあるのかわかりにくい」「学区内の物件をまとめてチェックしたい」という人にもぴったりの機能です。

※「国土数値情報(小学校区・中学校区データ)」(国土交通省)を元に表示。一部の市区町村では学区情報が公開されていないため、表示されない場合があります。最新の学区(通学区域)は各市区町村のホームページなどで確認してください

まとめ

子どもにとってよりよい環境を求めて住む場所を検討中の人にとって「学区」の情報は欠かせません。また、中学校以降も公立に通うのか、私立を受験するのかによっても適したエリアは変わってきます。先々まで見据えた子どもの教育環境と住環境などを総合的に判断しながら、住む街を探してみてはいかがでしょうか。

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