JR青梅線昭島駅北口徒歩7~8分圏に、商業施設はもちろん、映画館や各種スポーツ施設などが集まる「都市型リゾートエリア」、東京・昭島モリパークがあります。現在、エリア初という住宅の建設が進んでおり、全体では3棟の計画があるとか。計画的に整備されてきたエリアを見てきました。
東京都のほぼ中央に位置する昭島市
東京都昭島市は都心から西に約35キロメートル、東京都のほぼ中央に位置しています。東側、北側には立川市、西側には福生市、あきる野市、南側には八王子市、日野市があると言えば、おおよその場所はイメージできるのではないでしょうか。
中央線、青梅線で都心から40~50分
都心からはJR中央線、青梅線で向かいます。両線を繋ぐ中央線青梅特快、中央線快速などを利用すれば、東京駅から乗換なしで50分強、新宿からは40分前後というところ。時間帯によっては立川駅での乗り換えが必要なこともあります。
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かつては海だった昭島市、公式キャラクターはクジラ
市の南側には多摩川が流れており、1961(昭和36)年夏にクジラの化石が発見されたことから、市の公式キャラクターはアキシマクジラのアッキーとアイラン。それ以外でも市内のあちこちでクジラのイラストを見かけます。かつての昭島市の周辺は海だったのです。多摩川から北側は立川段丘と呼ばれる台地(武蔵野台地と総称されています)が広がっており、昭島駅周辺もその台地上にあります。
市の北端近くには江戸時代に江戸の中心部に水を運ぶために整備された玉川上水が流れており、ここは尾根上の高台。上水は水源地からその地域で一番高いところを少しずつ下りながら、できるだけ遠くまで水を運ぶように設計されたからです。この高台には早くから人が住んでおり、縄文時代の土器や住居跡なども残されています。
その後、市域のうちの拝島(昭島駅の隣駅)エリアが戦国時代には城下町のような存在として、江戸時代には宿場町として栄えます。市域のその他エリアは1928(昭和3)年に昭和村となり、明治末から大正時代には養蚕で栄えました。
1940年代以降に発展した昭島エリア
その昭島エリアに変化が起き始めるのは1940年代以降。戦時体制下で立川飛行場に近いことなどから、飛行機を中心とする軍需工場と陸軍施設が相次いで建設されたのです。人口も急増した昭和村は1941(昭和16)年に町制を施行、昭和町になりました。
昭島市の誕生は1954(昭和29)年。昭和町と拝島村が合併して東京都では7番目の市となります。昭島という市名は2つの自治体名を合わせたものです。市政施行後は工場誘致で産業の振興が図られたほか、都心への通勤圏ということから大型団地の建設も進められてきました。
飛行機会社跡地を計画的に転換
その歴史が如実に分かるのが昭島駅北口エリアです。駅前の掲示板(上写真)を見ると左手に薄い水色に塗られた、工場などが集まっている地域があります。また、その反対側、右手には黄色く塗られた建物群があり、つつじが丘ハイツという文字が。これが団地です。歴史が実際の地図に反映されているというわけです。
「昭島・昭和の森」からモリパークへ
そして、工場エリア、団地エリアに挟まれた地域が今回取り上げる「都市型リゾートエリア」、東京・昭島 モリパークです。ここには1937(昭和12)年に航空機製造を目的として創業した昭和飛行機工業株式会社がありました。
そのため、以前は「昭島・昭和の森」と呼ばれていましたが、2021年4月に現在のモリパークという名称に変更されています。
昭島市のお隣、立川市でも、もともとは飛行機を製造していた立川飛行機株式会社(創設時は株式会社石川島飛行機製作所。現在は株式会社立飛ホールディングス)が市中心部に広大な土地を所有、地域を開発してきましたが、昭島市でも同じようなことが行われてきたというわけです。
では、このエリアにはどのような施設があるのでしょう。北口を下りたところから紹介していきましょう。
複合商業施設に複数のスポーツ施設などが集中
まず、最初に目に留まるのが駅前のロータリーの東側にある大規模商業施設モリタウンです。
スーパー、専門店街、シネコンが集まったモリタウン
この施設はイトーヨーカドー昭島店と専門店街、飲食店街、シネマコンプレックスMOVIX昭島、ペットフォレスト、ニトリ、スポーツデポなど複数の店舗群からなっており、日常の買い物から遊びまでほぼなんでもそろうという場所。複数の駐車場も備えており、広範囲から買い物客を集めているようです。
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アウトドアヴィレッジには巨大クライミングウォールも
ロータリーを北へ向かうと、左手にはモリパーク アウトドアヴィレッジがあります。ここは約2万1,000平方メートルの敷地にアウトドアブランドの直営店やレストランなどが並んでおり、一番奥にはモリパークスポーツ ウォール&スタジオが。
ここにはクライミングジムやヨガスタジオなどがあります。屋外には高さ16.5メートルものクライミングウォールがあり、国際大会開催も可能なのだとか。また、週末を中心にアウトドア関連のイベントなども行われ、家族で楽しめそうです。
アウトドアヴィレッジの向かい、通りの右手にはモリタウンと向かい合うようにスパを備えた総合フィットネスクラブがあります。エアロビクスやヨガ、格闘技系など多彩なプログラムが用意されています。
スポーツ施設ではモリタウンの北側に伸びるいちょう並木沿いにスイミングスクールがあり、インドア、アウトドアのテニスコートもあります。さまざまなスポーツ施設がそろう、いつでもスポーツが楽しめるエリアというわけです。
いちょう並木沿いには小さな農園もありました。
徒歩10分圏内外に多数の施設が集中
商業施設ではモリタウンの北東にホームセンター、大型家電店、ゴルフショップ、複数のファミリーレストランなども集まっています。
また、前述した団地エリアと大型商業施設エリアの間には昭島市民会館、市民会館公園があり、団地敷地内には昭島市児童センターも。歩いて10分ほどの範囲に実にさまざまな機能、施設が集中しているというわけです。
いちょう並木沿いでエリア初の住宅を建設中
そんなモリパークのいちょう並木沿いで現在、エリア初のマンション「プレミスト昭島モリパークレジデンス」の建設が進んでいます。駅から歩いて5分ほどという立地で、2023年1月に着工しています。建物は地上13階建てで総戸数は481戸。6月にマンションパビリオンがプレオープン、9月中旬から販売を開始する予定で、第1期1次の価格は3,798万円~8,098万円(2023年9月5日現在)。竣工は2024年8月を予定しています。
全3棟、総戸数850戸超というプロジェクト
しかも、建設計画はこれだけではありません。
現在、第一弾のマンションのためにマンションパビリオンがある敷地も今後、マンション建設が予定されており、こちらは地上9階建て、総戸数約100戸という計画です。
もうひとつ、駅に近い場所でも予定があり、そちらは地上14階建て、総戸数は約270戸。合計すると全体では850戸を超えることになり、まちの変化としては非常に大きなものになるはずです。すべてが完成するのは2028年度ということです。
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ゴルフコースを巨大物流施設にするという計画も
昭島駅北口エリアの変化はこれだけではありません。現在、玉川上水の手前には昭和の森ゴルフコースがあり、フォレスト・イン昭和館というホテルもあるのですが、この一帯に巨大な物流施設ができる計画があるのです。
そのため、昭和の森ゴルフコースは2023年10月25日に営業を終了することとなっており、練習場は6月30日に営業を終了しています。フォレスト・イン昭和館についてはまだホームページ等にも正式な情報が掲載されていないため、詳細は分かりません。
異論もあり、予断を許さない状況
ただ、事業者が東京都環境局に提出した環境影響評価調査計画書ではホテルのある土地にも複合用途施設、物流施設などが建つ計画となっており、いずれは去就がはっきりすることでしょう。
計画が公表されて以来、地元では交通渋滞、緑地の消失などを懸念する声などが上がっており、各種協議はこれからとのこと。当初の計画では2024年に着工、2026年頃から順次竣工して、全体の竣工は2028~2029年の予定となっていますが、計画通りに工事が始まるかどうかは予断を許しません。
しかしながら、土地はすでに売却されており、計画通りの物流施設が誕生するにせよ、変更が生じて違うものになるにせよ、変化が起きることは間違いのないところ。今後の動向が気になります。
都内で唯一地下水利用の「水のおいしいまち」
さて、最後に昭島市のほかのまちにない魅力について。昭島市は東京都の市区町村で唯一地下水(深層地下水)のみを水源としています。水道水源は地下70メートルより深い層を流れる深層地下水をくみ上げたもので、市では「ミネラルウォーターと変わらないおいしさ」としてPRしています。
駅南口には水を汲めるスポットもあるので、昭島市を訪ねる際には水筒を持参するのもよいでしょう。
また、北口エリアではシャトルバスが走っており、移動もラクラク。スポーツ好き、緑の中で暮らしたい、子育てしたい人ならのんびりした雰囲気も含めて一度訪れてみる価値のある地域ではないでしょうか。
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