2軒目のマイホーム、住み替え時にかかる費用の注意点は? 経験談をもとに安く抑えるポイントを紹介

持ち家を売却し、新たな家を購入する「住み替え」。今や家は一生住み続けるものではなく、ライフスタイルに合わせて住み替えるという選択が市民権を得ています。

どんな住まいを選ぶかはもちろん大切ですが、それ以上に考えなければならないのはお金の問題。住宅ローンだけではありません。特に諸費用は、売却にも購入にもそれぞれかかってきます。筆者自身も2023年3月に住み替えを経験し、お金が絡む手続きの多さとその煩雑さに驚かされました。そこで今記事では、住み替えを実行するなかで感じた、お金にまつわる注意点を3つ挙げてみました。それぞれのポイントで、できる限り支払額を減らすためのコツについても併せて紹介します。

抵当権抹消手続きは、住宅ローンを完済していれば費用を抑えることができる

持ち家を売却する際は、抵当権抹消手続きを行う必要があります。抵当権とは、住宅ローンの借り入れを行う際に購入する土地と建物に金融機関が設定する権利のこと。住宅ローンを完済したとき、不動産を売却するとき、相続が発生するときなどには抵当権の抹消手続きを行います。

抹消手続き自体はそこまで難しいものではないのですが、住宅ローンがまだ残っている状態で売却し、売却費用で一括返済する場合は司法書士に依頼しなければなりません。司法書士に支払う報酬は、事務所にもよりますが1万円から2万円程度が相場。これに実費(登録免許税は土地と建物で2,000円、その他郵送費や登記事項証明書の取得費用など)が加算されます。

一方で住宅ローンを完済していれば、自分自身で手続きを行うことが可能。筆者の場合は完済していたため、登録免許税の印紙代と住所変更登記にかかる費用(2,300円)のみで済みました。

管轄の法務局から配布された確認用紙。ちなみに住所変更は、居住区により住居表記実施に伴い必要だった手続きでした(筆者撮影)

もちろん初めてのことだったので戸惑いましたが、法務局に電話で問い合わせ、事前に相談していたのでスムーズに完了。今はオンラインでの申請もできるようです。

申請書の作成や、法務局に出向く手間を考慮すれば、報酬を支払うほうが効率的だという考えもあるかと思います。でも、少しの手間でクリアできる問題ならそのお金は新しい家づくりに回したい。そんな思いで、筆者は自分で手続きしました。

このような理由から、住み替えを検討している時点で住宅ローン残債があと少しという場合、手持ち資金は新しい家の頭金に回すより住宅ローン完済に充てるほうが個人的にはおすすめです。

売却と購入は、同じ不動産会社に依頼。手数料が安くなるかも!?

不動産の売却、購入にはそれぞれ仲介手数料がかかります。仲介手数料は売却価格に応じて変動しますが、価格が400万円以上の場合は売却金額×3%+6万円に消費税を加えた金額が上限です。

仲介手数料は、売買行為毎で2回に分割して支払うのが一般的。売買契約を行うタイミングと、不動産の引き渡し時です。筆者の場合は持ち家の売却契約と引き渡し、住み替え用の土地の契約と引き渡し、計4回に分けて払うことになります。分割とはいえ、売却にも購入にもかかってくるので大きな負担になりました。

仲介手数料の値引き交渉は媒介契約を結ぶ前にしておきました(筆者撮影)

筆者自身の住み替えでは、売却と購入を同じ不動産会社に依頼。依頼するタイミングで、どちらも成立した場合は仲介手数料の値引きをお願いできないかと打診していました。快く応じてくれ、購入時に3%、売却時に2%となり費用を大幅に抑えることに成功。ただしこれはあくまで筆者のケースで、どの会社でも値引きを行っているわけではないようです。

売却と購入を一括して同じ不動産会社に依頼するやり方は、売却活動や手続きの観点からも連絡窓口が一本化されるのでおすすめ。住み替えはただでさえやるべきことが多く、頭が混乱してくるものです。筆者の場合は売却と購入のあれこれを同じ担当者に相談できたことで、スムーズに事が進んだと感じています。

引き渡しのタイミングによっては、固定資産税がダブルでかかる

固定資産税は住み替えの最後の最後、引き渡しが済んでからかかるお金です。固定資産税は、毎年1月1日現在で土地や建物を所有している人に課税される税金。タイミングによってはかつての持ち家と新しい住まい、両方の固定資産税を課されることになります。

事前に分かっていたこととはいえ、実際に2通届くとその金額を見て体が震えます(筆者撮影)

住み替えで注文住宅を建てたわが家の場合、2022年に土地を購入。2023年に入ってから新しい住まいの引き渡し、持ち家売却を行ったため、2023年春には2通の固定資産税の納税通知書が届きました。しかも2023年1月1日時点ではまだ建物が完成していなかったため、課税標準の特例措置(住宅用地の特例)が受けられず、その金額にびっくり。

建物の完成時期を早められるような状況ではなかったので、仕方がないことではあるのですが…(筆者撮影)

現在建築中、またはこれから家を建てようと思っている人は、できる限り年内の引き渡しで予定を組むほうが税金を低く抑えられますよ。

ちなみに売却した家の固定資産税は、日割りで計算した金額を売却費用とともに買主から振り込まれています。つまり売却分の固定資産税に関しては損をしているわけではありませんが、1月1日時点で土地や建物を所有している場合、売却後に自分で支払うことになるためその金額分を手元に残しておかねばなりません。

住み替えにかかる、さまざまなお金。ついつい建築費用や家電、インテリアに意識を向けてしまいがちですが、こうした費用についても頭の片隅に置いておく必要があります。住み替えを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

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