広い県土と豊かな自然が魅力的な岩手県。そんな岩手県で大自然に囲まれた暮らしをしてみたいと考える人は多いのではないでしょうか。しかし、「都心と比較すると不便なのではないか」「厳しい寒さや雪国の暮らしに馴染めるか心配」など、移住となると抵抗を感じる人も少なくありません。
そこで、岩手県の暮らしはどのようなものか、岩手県で暮らす魅力について紹介します。
岩手県の基本情報
岩手県は世界遺産や景勝など観光資源の多い県として知られています。そのため、観光に訪れたことがある人は多いかもしれませんが、移住して暮らすとなると、その土地の特徴について押さえておかなければなりません。岩手県の基本的な情報について解説します。
岩手県はとても広い県
岩手県は日本の47都道府県で北海道に次ぐ面積を誇る非常に広い県です。その面積は1万5,275.01平方キロメートルです。面積の数字だけでは、その広さを実感しづらいかもしれません。たとえば、埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の南関東すべての都県を合計しても、その面積は約1万3,500平方キロメートルです。つまり、南関東すべてをあわせても、岩手県には及びません。
人口・世帯数
岩手県の推計人口(令和5年3月1日時点)は117万3,284人です。1961年に144万9,324人の第一のピーク、1985年に1,43万3,611人の第二のピークを迎えて以降、ゆるやかに減少しています。世帯数は53万3,318世帯です。
人口密度も全国で2番目に低く、豊かな自然のなかで伸び伸びと暮らしたいという人にはぴったりの環境です。
出典:岩手県 【統計情報 更新情報】
気候
岩手県で暮らす際に、最も気になることの一つが気候でしょう。雪国の印象が強い岩手県ですが、そのイメージ通り冬は厳しい寒さに見舞われます。ただ、県土が広いため、岩手県内でも場所によって気候に違いがあります。
岩手県の内陸部のほとんどは山岳丘陵地帯です。特に山沿いの地方は、冬に降雪が多いのが特徴です。一方、北上川沿いの平野部は、積雪量はそこまでではないものの寒さが厳しく、逆に夏は暑い内陸性の気候になります。沿岸部は海洋性の気候ですが、宮古市以北では寒流の影響により気温が低い傾向があります。
岩手県に移住する際には、土地ごとの気候も考えて住む場所を決めるとよいでしょう。
賃貸住宅の家賃相場
移住を考えたとき、固定費として毎月かかる家賃相場についても押さえておく必要があります。賃貸住宅の家賃相場は、ワンルームの場合で盛岡市がおよそ4.5万円、奥州市なら3.0万円ほどです。ファミリータイプの3LDK/4Kでは、盛岡市なら9.0万円、奥州市は5.5万円が相場です。
東京ではワンルームでも10万円以上の家賃がかかることが多いので、それと比較するとかなり低価格で部屋を借りられます。首都圏と同じ価格でも広い部屋を借りられるので、ゆとりのある暮らしが実現できます。家賃だけではなく土地の価格も安いため、住宅も購入しやすいでしょう。
岩手県へ移住する魅力
人口密度が低く、家賃が安いというメリットのほかにも、岩手県ならではの大きな魅力があふれています。ここでは、岩手県へ移住する魅力について解説します。
安心・安全の暮らしができる
都心部から移住するとき、気になるのが安心・安全に暮らせる周辺環境かどうかです。地方は都心に比べると交通が発達していないことが多く、たとえば万が一のときに病院にかかれないと困ってしまうでしょう。その点、岩手県では医療ネットワークが充実しています。
県内には20の県立病院が設置されていて、地域の人々の健康を守っています。また、2011年の東日本大震災の経験から、県や各市町村は復興計画等に基づき、防潮堤や水門などの津波防災施設の整備が進めてきました。「災害に強い安全なまちづくり」として、さまざまな対策を講じています。
子育てにやさしい街づくり
岩手県は子育て支援にも力を入れていて、妊娠・出産・保育までの一貫した取り組みを行っています。たとえば、岩手県周産期医療情報ネットワーク「いーはとーぶ」を使って、市町村と周産期医療機関を結び、妊婦さんや赤ちゃんの情報を共有しています。
このシステムを活用することで、異常が起きたときはすぐに医療機関で適切な処置ができるので安心です。また、産婦人科医が不在の地域では遠隔で妊婦健診を受けることもできます。
さらに、岩手県は全国的にみても待機児童の数が少なく、出産後に職場復帰しやすい環境を整えています。最近では共働き世帯が多く、子どもの預け先を探すのに苦労する家庭も多いので、たくさんの保育園や幼稚園、こども園があるのはこれから子育てをはじめる夫婦にとって安心感につながるでしょう。
子ども・子育て支援情報公表システム「ここdeサーチ」や、岩手県子育て応援ポータルサイト「いわて子育てiらんど」で、保育所の情報や支援制度をチェックすることができます。
岩手県の移住支援制度
岩手県では移住支援制度として、さまざまな分野で資金面のサポートをしています。条件に該当するものがあれば、ぜひ支援制度を活用してみましょう。
移住支援金制度
移住する人の経済的負担を軽減するために、岩手県では3つの支援金制度が用意されています。
1.岩手県移住支援金
東京23区(在住者または通勤者)から岩手県へ移住し、要件を満たした人に移住支援金を支給する事業です。
〈支給額〉
・世帯:100万円
・単身:60万円
さらに、18歳未満の子どもがいる世帯には子ども1人につき100万円が加算されます。岩手県内の企業に就職する人はもちろん、岩手県でテレワークをする人や起業する人も対象になるため、幅広い人が活用できる支援金制度です。
2.いわて若者移住支援金[一般向け]
東京圏から岩手県へ移住する若者に対して支援金を支給する制度です。要件として、東京圏に通算5年以上在住していた39歳以下の人が対象になります。
〈支給額〉
・世帯:25万円
・単身:15万円
申請者本人が18歳〜25歳ならプラス5万円、女性ならプラス5万円の支給があり、併用が可能です。さらに、申請世帯に18歳未満の子供がいる場合は、1人につき25万円が加算されます。
3.いわて若者移住支援金[新卒者向け]
東京圏に在住し東京圏の大学等を卒業したあと、岩手県内に移住し、移住支援金対象法人に就業した39歳以下の人を対象にした支援金制度です。
〈支給額〉
・一律15万円
申請者が25歳以下の場合はプラス5万円、女性の場合もプラス5万円が支給されます。一般向けの支援金制度と同様に加算額は併用でき、25歳以下の女性であれば10万円が加算されます。
令和5年度地方創生起業支援金
デジタル技術を活用して新たに起業する人や、付加価値の高い産業分野でデジタル技術を活用して新たな事業を実施(第二創業)・事業継承する人を対象に支援金を支給します。
〈支給額〉
起業、または新たな事業の実施に必要な経費の2分の1(最大200万円)
募集期間は令和5年4月1日から令和5年6月8日17時までです。岩手県でデジタル技術を使った事業を検討している場合は応募してみましょう。
まとめ
豊かな自然をはじめ、安心・安全なまちづくりに力を入れているなど、魅力がいっぱいの岩手県。充実した移住支援制度もあるので、経済的な負担を減らして移住することができます。ゆったりと自然のなかで暮らしたい人や、伸び伸びと子育てをしたいという人は岩手県への移住を検討してみてはいかがでしょうか。