福井県に移住者が増えている理由とは!? 福井県の移住者支援と特徴も解説します

北陸地方に位置する福井県は、豊かな自然や長い歴史、伝統文化、おいしい食材などの魅力にあふれています。さまざまな幸福度ランキングでも常に上位に選ばれ、移住者数が伸びている県でもあります。本記事では、福井県の特徴や魅力、移住支援などについて解説します。

福井県への移住者は増えている

福井県は近年移住者が増加傾向にあり、2020年と2021年には2年連続で移住者が1,000人を超えました。特に3大都市圏からの移住者の増加が顕著で、2014年と比較するとおよそ2.7倍にもなっています。

福井県の報道発表資料によると、令和2年度移住者の内訳ではIターンが約6割、20代、30代の子育て世代も全体の約6割となっています。

※参考元:
福井県「2年連続で移住者1000人越え!」
福井県「令和2年度 “新ふくい人”が 1,000人を突破しました!」

福井県が人気の理由

ここ数年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで、リモートワークが定着したこともあり、地方移住を希望する人は増えています。しかし、福井県への移住希望者が増えている理由はそれだけではないでしょう。福井県への移住人気が高い理由について解説します。

子育て世帯が住みやすい
福井県は子育て世帯にとって住みやすい県です。多様な保育ニーズに対応する細やかな保育サービスを推進しています。

さらに、福井県は2020年に「子だくさんふくいプロジェクト」をスタートさせました。これまで第3子以降が対象になっていた保育料無償化などの支援制度を、第2子から適用するなど、子育て支援を拡充しています。

また、福井県は教育レベルが高いことでも知られています。小学6年生と中学3年生を対象に毎年行われている「全国学力テスト」ではトップクラスです。また、学力だけでなく、体力テストでも小中学校ともに全国上位となっています。

移住支援の強化
福井県ではさまざまな移住支援制度を設け、移住者の受け皿を整備、拡充してきました。従来全市町が参加していた移住者増加を増やすための「ふるさと福井移住定住促進機構」を「福井暮らすはたらくサポートセンター」に名称を改め、より体制を強化しています。

また、福井県内の全自治体に、移住サポーターを配置する制度も始めました。移住サポーターは移住者が行うことにより、より移住者の気持ちに寄り添った支援が可能です。

豊かな経済力
福井県は伝統の技を受け継いだ工芸が盛んで、和紙や漆器、刃物などの7品目が国の「伝統的工芸品」に指定されています。

古くからものづくりが盛んだった福井県は、産業の集積地でもあります。繊維、化学、電気・電子、機械・金属などの分野においても最先端ないしオンリーワンの技術を有し、国内のみならず世界トップシェアを誇る企業も少なくありません。

たとえば、鯖江のメガネフレームもその一つです。鯖江市はメガネフレームの国内生産で90%以上のシェアを占めています。「鯖江ブランド」は国内のみならず世界中に知れ渡り、世界三大メガネ産地の一つとなっています。

産業の集積や伝統技術の後継者育成プロジェクトなどにより、福井県は雇用環境も良好です。県民の就業率や正規就業割合は全国上位にランキングされています。

福井県の特徴

ここからは、福井県のあらましや特徴について紹介します。

気候
福井県は北陸地域にあることから、雪深く寒い地域というイメージがあるかもしれません。しかし、気候の特徴は地域によって異なります。たしかに県東部の奥越地方は積雪量や降水量が多く、年間の晴天日数が多くありません。

これに対し、海岸部や平野部は冬も比較的温暖で年間の晴天日数も多くあります。ちなみに、福井市の緯度は埼玉県深谷市などと同じであり、気温も大差ありません。なお、近年、福井県の年間平均気温は上昇傾向、年間降雪量は減少傾向にあり、雪が降ってもかつてほどは積もらず、企業活動や生活に支障がでることが少なくなりました。

また、福井県は地震や津波の少ない県の1つです。これは、日本海側には津波の原因となる海溝型プレートがないからと考えられています。そのため、福井県は地震保険の保険料率の基準になる地域区分で、保険料が最も安い1等地に区分されています。

自然
福井県には、越前地方の山々の緑と若狭湾に流れる清らかな水を表した「越山若水(えつざんじゃくすい)」という言葉があります。福井県はこの言葉通り、豊かで美しい自然に恵まれています。

国の名勝で天然記念物にも指定されている「東尋坊」は、荒々しい景観で全国的に有名です。ほかにも透明度が高く美しいビーチがある「水島」や佐々木小次郎が修行したといわれる「一乗滝」、湖と日本海の壮大な眺望が魅力的な「三方五胡」など、風光明媚な観光スポットが多数あります。

歴史
福井県にはさまざまな史跡や建造物もあります。1300年の歴史を誇る越前国一之宮「氣比神宮」や、1244年に道元によって開かれた曹洞宗の大本山「永平寺」など、由緒ある神社仏閣には、国内はもとより海外からも多くの人が訪れています。

さらに、戦国大名朝倉氏の本拠地「一乗谷朝倉氏遺跡」や、現存12天守の1つがある「丸岡城」、天空の城として近年注目されている「越前大野城」、越前松平家ゆかりの「福井城址」など、戦国時代から江戸時代にかけての史跡も多く、歴史的建造物とともに四季折々の美しい景観が楽しめます。

福井県が行っている移住者支援

福井県では、移住者支援のさまざまな取り組みを行っています。主な支援策を紹介します。

移住支援金
福井県では、県外からの移住を促進するために移住支援金制度を設けています。移住支援金には、東京23区在住または通勤者が対象の「東京圏型」と、それ以外の「全国型」の2種類があります。

「東京圏型」は、対象者が福井県選定の移住支援金(東京圏型)対象企業に就業するか、起業支援金の交付決定を受けた人に交付金を支給する制度です。交付金額は1世帯で100万円(単身世帯60万円)になります。支援金を受け取るにはさまざまな条件があるので公式ホームページを確認してください。

「全国型」の支援金制度は、県と市町が連携して移住支援金の支給額や支給要件を定めています。実施している市町は、福井市、敦賀市、大野市、勝山市、鯖江市、あわら市、越前市、坂井市、永平寺町、越前町、美浜町、おおい町の12市町です。各市町独自の制度になるため、支援金や対象要件についてはそれぞれの市町に確認してください。

移住にかかる交通費支援
移住に向けた下見や就職活動などのために、県外から福井県を訪れる際の交通費を支援する制度もあります。対象者は、福井県内への移住希望者か、移住を検討している人およびその家族となります。

対象となる現地活動は、就職に向けての活動(県や市町が主催・共催する就活イベントの参加も含む)のほか、移住後の住居探しや移住を前提とした福井県の情報収集のための活動などです。

また対象となる交通費は、住所地と県内の訪問先の間を、公共交通機関で移動した場合の乗車券等の料金、自家用車で移動した場合の有料道路利用料金等です。ただし、助成額は対象者の住所に応じた額と、対象交通費のうち低いほうの額となり、最大で1万4,000円です。詳細はホームページで確認してください。

ふくい移住サポーター
県外からの移住や、移住後もサポートしてくれる「ふくい移住サポーター」という制度もあります。移住サポーターは、移住希望者と地元住民とをつないだり、地元の魅力や生活環境などを紹介したりするほか、さまざまな相談にも乗ってくれます。

移住について相談できる移住相談窓口は、福井市内のほか、東京、大阪、名古屋にもあります。移住先の住居や仕事など、移住に関する全般の相談窓口になっているため興味がある人は気軽に訪れてみるとよいでしょう。

まとめ

福井県は、幸福度ランキングで何度も日本一を獲得しています。子育て支援が充実し、自然が豊かで教育レベルも高いとあって、子育て世帯にとっては非常に魅力的な県です。福井県への移住を検討している人は、相談窓口で情報収集して、実際に現地を訪れてみてはいかがでしょうか。

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