二人暮らしに適した部屋の広さは何平方メートル? おすすめの間取りや注意点も解説

二人暮らしを始める場合、部屋の広さはどのくらい必要になるのでしょうか。一人暮らし用の物件と異なり、どのような基準で広さを決めればいいのか悩む人も多いのではないでしょうか。狭すぎても広すぎても不便に感じるため、今回は二人暮らしに適した住宅の広さについて考えてみましょう。また、二人暮らしにおすすめの間取りや注意点も解説するので参考にしてください。

二人暮らしには最低30平方メートルの広さが必要

国土交通省では「住生活基本計画」として、健康で文化的な生活が送れるよう、世帯人数に応じた必要な住宅の面積の水準を公表しています。それによると、二人暮らしには最低でも30平方メートルの広さが必要です。

ただし、これはあくまでも「最低居住面積水準」であり、現代の多様なライフスタイルに対応するために理想的な広さを目安とした「誘導居住面積水準」とはまた異なります。都心やその周辺のマンションなどの共同住宅での二人暮らしを想定した場合は、専有面積が55平方メートル、都市部以外の戸建住宅では75平方メートルが誘導居住面積水準の広さです。1畳(帖)あたり1.62平方メートルとすると、最低でも19畳(帖)、理想は34~46畳(帖)くらいと考えられます。

出典:住生活基本計画における「水準」について|国土交通省

二人暮らし向けの賃貸住宅を選ぶなら何平方メートル?

二人暮らし向けの賃貸住宅を借りる場合、だいたい何平方メートルの物件を選べばいいのでしょうか。最低居住面積水準の30平方メートルと、40平方メートルおよび50平方メートル以上の3通りの場合をそれぞれ考えてみましょう。

30平方メートルは最低限の広さ
30平方メートルは畳に換算すると約18.5畳(帖)です。そのなかに居室や収納場所、水回りなどが含まれるため、かなりスペースが限られてしまいます。二人で住むことはできても、収納場所が狭いため、荷物を減らして最低限のものだけに絞る必要があります。家具や家電を置くスペースも限られるため、コンパクトなサイズのものを選ぶことになるでしょう。

最低限の広さしかないのでは制約が多く、どうしても仮住まいやおためし同居といった生活になりがちで、長期間住み続けたいとは思わないでしょう。そのため、30平方メートルは将来引っ越すことを前提に、一時的な仮住まいとして借りる程度に考えるのが無難です。

家賃を抑えたいなら40平方メートル
40平方メートルは畳に換算すると約24.7畳(帖)です。40平方メートルの物件の多くが、キッチンやお風呂などの水回りを含めた面積が8畳(帖)程度のため、居住スペースは16畳強(帖)となります。間取りはたとえば、10畳(帖)のLDKと6畳(帖)の寝室、6畳(帖)のキッチンと6畳(帖)のダイニングと4.5畳(帖)の和室など、1LDKや2DKの部屋が借りられる可能性があります。

30平方メートルと比べると、寝室とリビング・ダイニングを分けられるため、格段に使い勝手が良くなるでしょう。ただし、40平方メートルで1LDKや2DKという間取りを考えた場合、収納スペースが十分とはいえません。やはり、荷物は少なめにする必要があります。

ゆとりのある暮らしには50平方メートル以上
50平方メートルは、畳に換算すると約31畳(帖)です。40平方メートルの部屋と比べると、6畳(帖)の部屋1つ分広くなります。つまり、広めの1LDKや、コンパクトな2LDKあるいは3DKの間取りから選べます。また、1LDKにサービスルームや納戸、ウォーキングクローゼットなどを設けた間取りもあり、多彩なタイプから気に入った部屋を選べるでしょう。

広めのリビングや空き部屋にリモートワークや趣味のコーナーを設けるといったことも可能です。一部屋分を収納部屋にして、ほかの部屋を広々と使うなど、好みに応じてさまざまな使い方が考えられます。50平方メートル以上の広さがあれば、二人暮らしでもゆとりのある生活が実現できるでしょう。将来的に子どもが生まれても住み続けられます。

二人暮らしにおすすめの間取り

二人暮らしにはどのような間取りが適しているのでしょうか。4種類の間取りについて、置ける家具や生活のイメージを解説します。

1LDK
1LDKは、1つの部屋(主寝室)と、8畳(帖)以上のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)がある間取りです。LDKが広めなので、ダイニングスペースにはテーブルセットを、リビングスペースには2~3人がけのソファや大型テレビを置くことができます。広くゆとりのあるLDKなら、キッチンスペースも壁付けキッチンのほかに、カウンターキッチン、L型キッチンなどの選択肢が増えるでしょう。

寝室以外にくつろげるスペースが確保できるため、二人暮らしでも快適に暮らせます。1LDKは、子どもが生まれてもしばらくは暮らせる間取りです。

1DK
30平方メートル台の広さなら、1DKの間取りが一般的でしょう。1DKは、1つの部屋とDK(ダイニングキッチン)がある間取りです。ダイニングキッチンの広さは4.5畳(帖)以上8畳(帖)未満となるため、冷蔵庫や食器棚などを置くと動線を確保しなければならず、コンパクトなダイニングテーブルがギリギリ置けるぐらいでしょう。

寝室はリビングと兼用になることが多く、少しでも広く使うためにベッドを折りたたみ式にしたり布団を上げ下ろししたりするケースもあります。築年数が古い物件に多い間取りなので、家賃を抑えたい場合におすすめです。

参照元:不動産公正取引協議会連合会「表示規約施行規則、実施細則、DKLDKの広さ(畳数)の目安となる指導基準 」

2DK

2DKは、2つの部屋とDKがある間取りです。2DKならダイニングキッチン以外に2部屋あるため、それぞれのプライベートな空間を確保できます。2DKの場合、ダイニングキッチンは狭いことが多く、くつろげるスペースを確保できない場合もあります。

他方で独立した部屋が2つあるため、友達や兄弟姉妹などとルームシェアしたい場合におすすめの間取りです。また、夫婦やカップルで生活時間帯が異なるなど、別々の個室が欲しい場合にも便利です。築年数が古くても、家賃を抑えて個室を優先したいときに検討するとよいでしょう。

2LDK
2LDKは、2つの部屋と10畳(帖)以上のLDKがある間取りです。面積は50~60平方メートル台となります。LDKが広いため、ダイニングスペースにテーブルセット、リビングスペースにゆったりとしたソファとセンターテーブル、大型テレビなどが置けます。無理のない動線が確保できれば、快適なくつろぎスペースが作れるでしょう。

主寝室のほかに書斎や趣味の部屋を設けたり、それぞれに個室を割り当てたりすることもできます。2LDKあれば、子どもが生まれたても十分に住み続けられます。

二人暮らしで賃貸住宅を借りる際の注意点

今まで実家暮らしや一人暮らしをしていた場合と異なり、二人暮らしではいろいろと勝手が違って戸惑うこともあるでしょう。ここでは、賃貸住宅を借りて二人暮らしを始める際の注意点を解説します。

契約ルールを確認する
賃貸物件によっては、契約上二人暮らしができないケースもあります。たとえば、今まで一人で住んでいた部屋に無断で同居人を住まわせるわけにはいきません。また、単身者専用の賃貸は一人暮らし限定で貸し出しているため、二人暮らしに十分な広さがあっても二人で住むと契約違反になってしまいます。

また、二人暮らし可の物件であっても、親子や兄弟姉妹、数ヶ月以内に結婚予定のカップルに限定している物件もあるため、事前に入居条件をよく確認しなければなりません。さらに、子どもの同居を認めていないケースもあるので、将来的なことも考慮して物件を選びましょう。

費用の負担割合を決める
賃貸物件を借りる際には、敷金や礼金、前家賃、火災保険料、引っ越し代、家具・家電の購入費など、さまざまな初期費用がかかります。さらに、毎月の家賃や光熱費、食費なども発生するうえ、賃貸の契約更新時には更新手数料の支払いも必要です。

二人暮らしをするなら、これらの費用をどちらがいくら負担するのか決めておかなければなりません。二人の収入や家事負担なども検討のうえ、お互いに不満を感じることがないよう事前のすり合わせが重要です。

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まとめ

二人暮らしには、最低でも30平方メートルの広さが必要であり、40~50平方メートル程度あると快適な暮らしができます。また、間取りはリビングと寝室が分かれている1LDK以上の物件がおすすめです。

二人暮らしを始める際は、賃貸契約や生活上のルール、費用の負担割合などに注意しましょう。また、お互いの荷物の量なども把握してから部屋探しをすると、後悔したり窮屈に感じたりする可能性を少なくできます。

(最終更新日:2024.04.19)
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