博多どんたくとは? いつ行われる? どんたくの歴史や由来について徹底解説

博多どんたくの様子

「博多どんたく」は、福岡県を代表する有名なお祭りです。開催日には福岡や九州だけでなく、全国から多くの人が集まります。この記事では、博多どんたくについて、その内容や歴史、楽しみ方について詳しく紹介します。

博多どんたくとは

博多どんたくとは、毎年5月3日と5月4日に福岡市で行われるお祭りです。正式には「福岡市民の祭り 博多どんたく港まつり」といい、「博多祇園山笠」、「筥崎宮放生会」と並ぶ博多三大祭りの一つといわれています。

主催は、福岡市と福岡商工会議所・(公財)福岡観光コンベンションビューローによる「福岡市民の祭り振興会」で、市民総参加のお祭りといえるでしょう。企業や学校など団体でパレードやイベントに参加する人も少なくありません。

市民だけでなく、国内外から200万人以上の観光客が集まるため、日本有数のお祭りといわれることもあります。開催当日は、市街地の中心のどんたく広場や各所の特設会場を中心ににぎわいをみせます。

博多どんだくの内容

博多どんたくの開催当日は、博多の市街地を中心に、市内各所に設置された特設会場で、パレードや踊りなどのさまざまなパフォーマンスが楽しめます。

メインイベントは、博多・呉服町から福岡・天神町までを「どんたく広場」と称して行われる大々的なパレードでしょう。パレードには、企業や学校、地元団体などさまざまな有志で構成された「どんたく隊」と呼ばれるグループが参加します。一般参加も可能です。

また、4つの流れで形成される「博多松ばやし」や、県警音楽隊、花自動車などの華やかなパレードも大きな見どころといえるでしょう。博多松ばやしとは、福神・恵比須・大黒の三福神が馬に乗って、博多の総鎮守「櫛田神社」から市街へと練り歩く伝統行事です。

周囲には多くの屋台なども出ており、飲食や買いものも楽しめます。

博多どんたくの歴史

市民だけでなく多くの観光客をも魅了する博多どんたく。以下では、博多どんたくの歴史について詳しく紹介します。

語源

「どんたく」の語源は、オランダ語の「ゾンターク(表記:Zondag)」だといわれています。ゾンタークとは、日曜日や休日という意味です。

かつては、半分休日だった土曜日を「半ドン」と呼んでいました。半ドンは「半分」と「ゾンターク」をつなげたもので、どんたくと同じ語源ということになります。

博多どんたくは、本来の意味からは変化して、休みの日に行われる町の行事として定着してきました。このため、今では博多どんたくという言葉が祭りそのものを示す言葉として扱われています。

由来

博多どんたくがいつから始まったのかは諸説ありますが、「筑前国続風土記」(貝原益軒著)によると、1179年に行われた「松ばやし」とされています。これが正しければ、どんたくは平安時代後期から約840年もの長きにわたる伝統行事といえるでしょう。

その後、江戸時代においても城下町である「福岡」と、町人の町である「博多」との間で270年間、博多松ばやしを通じた交流がありました。

明治時代や、昭和の戦時中には中断されることがあったものの、戦後1946年に復活。終戦間もない瓦礫の町で、有志がおはやしを響かせながら練り歩いたことが、復興に大きな力を与えたといわれています。その後、商工会議所などが中心となって、どんたくを年に一度の行事として定着させていきました。1962年には、市民総参加の「博多どんたく港まつり」となり、現在に至ります。

博多どんたくの楽しみ方・見どころ

続いて、博多どんたくの楽しみ方・見どころについて紹介します。

博多どんたくでは、前述のとおり大々的なパレードが行われ、花笠などの衣装を身にまとったどんたく隊が街中を練り歩きます。パレードでは、イラストやLED電飾、花などで鮮やかにデコレーションされた花自動車も必見です。

どんたく隊に参加している団体が参加者を募集していることがあるため、その団体に申し込みすれば、一般の人がパレードに加わることもできます。パレードは沿道からだけでなく、「観光桟敷席」といわれる有料座席からも見学できます。ただし、2023年については設置されない方針となっています。

博多どんたく以外の福岡のお祭り

次に、博多どんたく以外の福岡のお祭りとして「博多祇園山笠」と「放生会」を紹介します。これらは博多どんたくと並んで博多三大祭りといわれるお祭りです。博多どんたくと同様に見どころ満載なので、ぜひ参考にしてください。

博多祇園山笠

博多祇園山笠は、毎年7月1日から7月15日と決まった日程で行われるお祭りです。国の重要無形民俗文化財に指定されているほか、日本の他の32件の祭りと併せてユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、歴史的、芸術的価値の高いお祭りとされています。

博多祇園山笠は、櫛田神社の氏子たちが行う700年以上続く奉納行事です。起源は諸説あるものの、鎌倉時代の1241年に疫病が流行した際に、福岡・承天寺の開祖・聖一国師が祈祷水をまいて、疫病退散を祈願して回ったことにはじまるといわれています。以来、地元住民によって町内行事として祭事が伝統的に行われています。

見どころは、祭りのはじめに市内各所に飾られる「飾り山笠」や、祭りのフィナーレに執り行われる「追い山笠」です。山笠とは、「ヤマ」とも呼ばれる大きな神輿(みこし)や山車(だし)状の祭具のことです。追い山笠では、氏子たちに担がれた迫力ある7つの山笠が勢いよく町中を駆けめぐります。

放生会

福岡・博多のお祭りでは、日本三大八幡宮の一つである筥崎宮(はこざきぐう)が9月に執り行う「放生会(ほうじょうや・ほうじょうえ)」も有名です。放生会とは、仏教の殺生戒にもとづき、生きものを放ち殺生を戒める儀式のことをいいます。

筥崎宮では、千年以上前に「合戦の間多く殺生すよろしく放生会を修すべし」という御神託を受けたことにより、放生会を重要な神事として長年執り行っています。放生会は万物の生命をいつくしみ、殺生を戒め、秋の実りに感謝することを目的として行われているため、華やかというよりも厳かな儀式といえるでしょう。

1週間かけて神事が執り行われる一方で、参道一帯には露店が多く立ち並びます。参拝がてらに、にぎやかな雰囲気の中で飲食を楽しめます。

また、1年おきに実施される御神輿行列は福岡市無形民俗文化財にも指定されているものです。御神輿行列が出る年の放生会はいっそうのにぎわいを見せます。

まとめ

博多どんたくは、全国から多くの人が集まる魅力あるお祭りです。また、福岡には博多どんたくのほかにも、博多祇園山笠や放生会といった大きなお祭りがあります。それぞれに見どころがあり、歴史的・芸術的な価値も高いといえるでしょう。

5月に博多どんたく、7月に博多祇園山笠、9月に放生会と、お出かけに良い時期に開催される見どころ満載のお祭りなので、ぜひ参加してみてはどうでしょうか。

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