住宅ローン金利速報|前月は大幅引き下げ、今月はどうなった? 2023年5月の【フラット35】金利

新緑が目に鮮やかな季節がやってきました。今年のゴールデンウィークは、久しぶりに旅行やレジャーを計画している人も多いのではないでしょうか。2023年5月の【フラット35】金利の気になる動向をお伝えします。

2023年5月の【フラット35】金利

2023年5月の全期間固定金利型住宅ローン ARUHI フラット35の金利は融資率9割以下・返済期間21~35年、機構団信加入で1.83%となり前月から0.07ポイント引き上げに。融資比率9割以下・返済期間15~20年の金利は1.40%と、こちらも0.07ポイントの引き上げとなりました。融資比率9割以下・返済期間36~50年の金利は前月の2.24%から0.02ポイント上がり、2.26%となりました。

ARUHI 住宅ローンの実行金利一覧

建設費または購入価額(以下、物件価格)の1割~5割の頭金があれば、従来のARUHI フラット35よりさらに低金利で利用できる、ARUHI スーパーフラットの各種商品の金利は以下の通りです。

物件価格の5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット5」(※団信込み。全疾病別途)は1.70%。

物件価格の4割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット6」(※団信込み)は1.71%。

物件価格の3.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット6.5」(※団信込み)は1.72%。

物件価格の3割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット7」(※団信込み)は1.72%。

物件価額の2.5割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット7.5」(※団信込み)は1.73%。

物件価格の2割以上の頭金があれば利用できる「ARUHI スーパーフラット8」(※団信込み)は1.73%。

物件価格の1.5割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHI スーパーフラット8.5」(※団信込み)は1.82%となっています。

物件価格の1割以上の頭金があり、年収に対する年間返済額「返済負担率」が20%以内であれば利用できる「ARUHI スーパーフラット9」(※団信込み)は1.82%となっています。

最新の住宅ローン金利はこちら→【ARUHI フラット35】

まとめ

最後に今月の金利変動について、不動産や金融についてその業界の人に匹敵する知見をもつ、公認会計士ブロガー千日太郎さんにまとめていただきます。

2023年5月の【フラット35】金利は政策的に上昇が抑えられた?

米欧発の金融システム不安から一時は下がった長期金利ですが、日銀の新総裁に植田氏が就任すると、金融引き締めを警戒して再び上昇し、これを反映して住宅ローン【フラット35】の金利も上昇しています。

2023年4月から5月にかけて長期金利が0.19ポイントも上昇していますが、機構債の表面利率の上昇は約半分の0.09ポイントにとどまりました。そして【フラット35】の金利は長期金利の上昇幅はさらに小さく、0.07ポイントとなっています。

【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組みによると、住宅金融支援機構が機関投資家に機構債を販売して資金調達し住宅ローンを貸すという基本スキームとなっています。つまり機構債の表面利率はいわば資金の仕入値にあたり、【フラット35】の金利が売値にあたると考えてみれば理解しやすいと思います。

2023年3月から4月の【フラット35】の金利低下は、おおむね長期金利の低下幅と同じ幅で下がったものと見てよいと思います。欧米で発生した相次ぐ銀行の経営破綻によって投資家がリスクを回避するようになり、より安全な資産に資金が向かいやすい相場状況となっています。つまり安全資産である国債が買われ、長期金利が下がるという展開となりやすいのです。

4月から5月にかけては長期金利が上昇しました。その背景には日銀植田新総裁が金融引き締めへ政策転換するだろうという見込みがあるためです。当の植田総裁は4月10日の就任会見で黒田日銀の金融緩和政策を2%の物価目標達成まで継続すると明言していることから、前のように日銀の上限である0.5%を超える水準にまではなっていませんが、依然として高い水準で推移しています。

こうした長期金利の上昇局面で、【フラット35】の金利上昇が比較的小さく抑えられている理由は、住宅金融支援機構が政府に代わって公共的な事業を行うために設立された独立行政法人であり、国民の円滑な住宅金融を目的とするからです。急激な金利上昇局面では、利用者が困ってしまわないように住宅ローンの金利上昇幅を緩やかにして、吸収する対応を行うのです。

さらに、3月末には異次元の少子化対策として子育て世帯向けに【フラット35】の金利を引き下げる議論がスタートしています。中長期的には日銀による利上げリスクが意識されているなかで、政策を反映して金利を下げる傾向のある【フラット35】への注目度が高まっています。

※【フラット35】(買取型)の資金調達の仕組み
住宅ローンの【フラット35】(買取型)は、下図のように住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。機構債は毎月20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家たちは機構債を国が取り扱う安全な債券という考えで購入しますので、機構債の表面利率は国が発行する債券=10年国債の利回り(長期金利)に連動する傾向があります。

フラット35の仕組み

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(最終更新日:2023.08.10)
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