まだある? 首都圏で「70平方メートル台の新築マンションが4,000万円台」で買えそうなエリア

新築マンションの高騰がやまず、都心やその周辺、また郊外でも人気住宅地だと、一般的な会社員ではなかなか手が届かなくなっています。でも、探してみれば、比較的購入しやすい価格で手に入るエリアもあります。4,000万円台で新築マンションが買えそうな注目エリアを紹介しましょう。

東京23区の平均価格は8,236万円に

新築マンション価格が上がり続けています。首都圏全体では2013年には4,929万円だった平均価格が、2022年は6,288万円に。2013年と比べて約27.6%も上がっています。東京23区の平均価格に限ると、2013年の5,853万円が2022年は8,236万円と、約40.7%も上がっているのです。

首都圏と東京23区の新築マンションの平均価格
出典:株式会社不動産経済研究所「全国新築分譲マンション市場動向2022年

仮に、2022年の東京23区の平均価格である8,236万円で購入する場合、1,236万円の自己資金を用意できたとしても、7,000万円の借り入れが必要です。金利1.96%の【フラット35】を35年の元利均等・ボーナス返済なしで利用すると、毎月返済額は23万449円。年収に占める年間返済額の割合(返済負担率)を、より安全な範囲と言われる25%に抑えるためには、1,107万円の年収が必要になります。

テレワークやフレックスタイムを導入している企業も少なくないですし、「何が何でも東京23区」という強いこだわりがある人以外は、東京23区外まで選択肢を広げるのも一案です。

4,000万円台で買えそうな人気のエリアもある

たとえば、4,500万円で新築マンションが買えるエリアであれば、500万円の自己資金で、借入額を4,000万円まで削減できます。同じように、金利1.96%、35年元利均等・ボーナス返済なしのローンの場合、毎月返済額は13万1,685円。返済負担率を25%に抑えるために必要な年収は633万円です。そうなると、買えるという人も増えるのではないでしょうか。

そこで、4,000万円台で新築マンションが手に入りそうな注目のエリアを探してみましょう。

図表2は、マンションの相場情報サイトである「マンションエンジン」で駅別の検索数が多い上位10駅の70平方メートル台のマンション相場をまとめたものです。

マンション相場
マンションエンジン」2023年3月10日時点のアクセスランキングをもとに筆者作成

1位のつくばエクスプレス「流山おおたかの森」駅は4,255万円、5位のつくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅は4,358万円、7位JR東海道本線「川崎」駅は4,906万円、9位JR東海道本線の「辻堂」駅は4,976万円となっています。

検索数の多い上位の人気エリアにも4,000万円台で買えそうなエリアもあるのです。

「千葉のニコタマ」も相場は4,000万円台

たとえば、「流山おおたかの森」駅は、千葉県流山市にあり、つくばエクスプレスだけではなく、東武野田線(東武アーバンパークライン)が乗り入れています。

つくばエクスプレスだと秋葉原駅まで快速で約27分、途中の北千住駅で東京メトロ日比谷線に乗り換えると銀座駅まで約46分ですから、通勤・通学も便利。駅前には大型商業施設がそろう一方、駅名にもあるように絶滅危惧種であるオオタカが生息する森が駅周辺から広がっていて、緑の多い恵まれた住環境が残っています。東急田園都市線の人気住宅地である「二子玉川」駅を感じさせる趣があるところから、「千葉のニコタマ」と言われることもあるほどです。

また、流山市は、市を挙げて子育て支援に取り組んでおり、子育てしやすい街としても知られています。その結果、若い世代の流入が多く、35歳~39歳のボリュームが増加。それによって、図表3にあるように、0歳~14歳人口の転入超過数(転入者数から転出者数を差し引いた数。転入超過数がマイナスの場合は、転出超過を示す)が多くなっています。

0歳~14歳の転入超過数の多い市町村
出典:総務省統計局「住民基本台帳人口移動報告

総務省統計局の調査によると、流山市は0歳~14歳の転入超過数の多い市町村の4位に入っています。

しかも、流山市によると、市民へのアンケート調査「ながれやま まちづくり達成度アンケート(令和5年2月)」では、87.1%の人が「住み心地がよい」とし、90.5%の人がこれからも流山市に「住み続けたい」と回答しているそうです。
マンション購入を検討している人にとっては、ぜひとも注目しておきたいエリアのひとつと言っていいでしょう。

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スマートシティ化する柏の葉キャンパス

マンションエンジンの検索数5位のつくばエクスプレス「柏の葉キャンパス」駅は、70平方メートル台の新築マンション相場は4,358万円です。

「柏の葉キャンパス」駅は「流山おおたかの森」からつくば方面に向かったひとつ先の駅ですから、都心方面への交通アクセスの良さは「流山おおたかの森」駅とさほど変わりません。また、東京大学、千葉大学のキャンパスや産業技術総合研究所などの研究機関、ベンチャー企業などが多数進出し、スマートシティが形成されつつあります。

駅前には、三井不動産主導で商業施設や、大規模なマンションも建設され、住宅地としての人気も高まっています。
流山市同様、柏市も子育て支援にも力を入れており、新築マンションを買って転入してくる若い世代が多い市です。0歳~14歳の転入超過数の多い市町村ランキングでは、先の図表3にあるように8位に入っています。

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辻堂も5,000万円以内で購入可能?

マンションエンジン検索数9位のJR東海道本線「辻堂」駅の70平方メートル台の新築マンション相場は4,976万円と、ギリギリ4,000万円台です。

「辻堂」駅は、東海道本線で東京駅方面に向かう列車と、新宿駅方面に向かう湘南新宿ラインも利用できます。東京方面だと品川駅まで40分ほど、東京駅までは50分ほどです。藤沢駅や大船駅などで乗り換えれば、渋谷駅は50分ほどで、新宿駅も1時間以内です。

駅前には大型商業施設の「テラスモール湘南」があり、大規模な病院や公共施設もそろっています。利便性が高いため、戸建て住宅だけではなく、大規模なマンションも増加しています。0歳~14歳の転入超過数の多い市町村ランキング(図表3)でも、藤沢市が7位にランクイン。小さな子どものいる世帯には住みやすい街として認知されているのでしょう。

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新線や新駅で注目のエリアもある

新線・新駅の開業で注目されるエリアでも、相場が4,000万円台のエリアがあります。

ひとつは2023年3月18日に相鉄本線と東急目黒線の相互直通運転が開始された「海老名」駅です。「海老名」駅は、神奈川県海老名市にあり、小田急小田原線、相模鉄道本線、JR相模線が乗り入れていて、もともと新宿駅や横浜駅と直結していました。東急目黒線との相互直通運転の開始によって、新たに目黒方面にも直結するようになり、さらに利便性が高まりました。

海老名駅前では超高層マンションなどの建設が続いています。マンションエンジンのデータによると、70平方メートル台の新築マンション相場は4,929万円です。

同じく2023年3月18日に開業したのが、JR京葉線の新駅「幕張豊砂」駅です。新習志野駅と海浜幕張駅の間に設けられ、千葉市美浜区に属します。マンションエンジンの調べでは、千葉市美浜区の70平方メートル台の新築マンション相場は4,255万円です。

既存の駅からは距離があり、車利用でないとやや不便だったイオンモール幕張新都心と直結する新駅ですから、利便性が飛躍的に高まりました。周辺の新築マンションには注目しておきたいところです。

新築マンション価格が上がっているのはたしかですが、探してみれば、まだまだ十分に手の届く価格帯で分譲されているエリアもあります。ここでは相場が4,000万円台のエリアに限りましたが、改めて自分たちが購入できる価格帯を再確認したうえで、各種のデータをもとに購入可能なエリアを探してみてはいかがでしょうか。

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