9,000万円の家を買える人の年収はどのくらい? 9,000万円を借り入れたときの返済額は?

家を購入するにあたり、自分の年収で足りるのか心配になる人もいるのではないでしょうか。特に9,000万円という高額な住宅の購入を検討している人にとっては、どのくらいの年収が必要なのか具体的な数字を知りたいと思うでしょう。

そこでこの記事では9,000万円の家を購入する際に必要な年収はどのくらいなのか、また、9,000万円の物件を購入するにあたり住宅ローンを利用する場合の注意点についても解説します。

9,000万円の家はどのようなもの?

首都圏以外では、9,000万円あれば30坪くらいの5LDKの家や3階建ての2世帯住宅で8LDKの家を購入できる地方もあります。

しかし、2023年現在では建築資材が高騰しており、それにともない不動産価格も上昇傾向にあります。そのため、都内や都内近郊の新築戸建てでは、9,000万円の家だと15~20坪程度となることも珍しくありません。

9,000万円の家を買える人の年収とは

では、9,000万円の家を買える人の年収とはどのくらいなのでしょうか。条件を変えながら試算してみましょう。

借入限度額と余裕を持って返済できる額
住宅ローンを借り入れる際には審査を受ける必要があります。審査では、年齢や勤務状況、勤務年数、他社からの借り入れ状況などを総合的にみて判断します。

一般的に借入限度額は年収の5倍~7倍といわれています。そのため、9,000万円を借り入れようと思った際に必要な年収は1,286万円~1,800万円くらいです。

ただ、余裕を持って返済できるのは、年収に対する年間のローン返済額の割合である返済負担率(返済比率)が25%以下であることが望ましいといわれています。

9,000万円を以下の条件で借り入れる場合、余裕を持って返済できる年収はいくらになるのか計算してみましょう。

借入金額:9,000万円
固定金利:1.880%
借入期間:35年
元利均等返済
ボーナス返済なし

この条件で計算してみると、毎月の返済額は29万2,623円となり、返済負担率が25%以下になる年収のボーダーラインは約1,405万円です。

頭金別に試算
住宅ローンの借り入れ時に頭金を入れることで、借入金額を減らせます。そうすると、必要な年収も必然的に下がってくるでしょう。準備する頭金の額ごとに、借入限度額そして返済負担率を25%と考えた際の年収を計算します。試算の際の条件については、以下のとおりです。

固定金利:1.880%
借入期間:35年
元利均等返済
ボーナス返済なし

借入限度額まで借りる場合の年収については、年収の5倍~7倍で計算しています。頭金を用意できれば借り入れる住宅ローンの額が減るため、上の表のとおり必要な年収も下がることがわかります。

返済期間別に試算
ではさらに返済期間別に試算してみましょう。返済期間以外の条件は以下のとおりとします。必要な年収については、返済負担率が25%以下になるボーダーラインとします。

借入金額:9,000万円
固定金利:1.880%
頭金:0円
元利均等返済
ボーナス返済なし

返済期間が長いほど毎月の返済額を抑えることができ、必要な年収も下がります。逆に返済期間が短いと毎月の返済額が上がり、必要な年収も上がることがわかります。

【今の年収でいくらまで借りられるの?】

借入可能額や毎月の返済額をチェック!

9,000万円の住宅ローンを契約したときの毎月の返済額

では、9,000万円の住宅ローンを契約した際の毎月の返済額を、ボーナス払いの返済額別に比較してみましょう。
試算条件は以下のとおりとします。

借入金額:9,000万円
固定金利:1.3%
頭金:0円
返済期間35年
元利均等返済

ボーナス払いを利用することで、毎月の返済額の負担は下がります。ただし、ボーナスは必ず出るとは限りませんし、支給額が下がることも考えられますので、過度にボーナス払いに頼ることなく、余裕を持った返済計画を立てるようにしましょう。

9,000万円の家を買うときに注意すること

この章では9,000万円の家や億ションを購入するにあたり、注意すべき点について解説します。これから9,000万円の物件を購入しようと考えている人は参考にしてください。

ペアローンにはデメリットもある
ペアローンとは夫婦2人で一つの物件に対して二つの住宅ローンを組むことです。2人の収入を合わせた世帯収入で契約するため、住宅ローンの借入金額を上げられるというメリットがあります。ただし、ローンが2本になることから諸費用も2倍になるほか、産休や育休などによる休職で収入が減った際にどう対応するかを考えておく必要があります。

またペアローンの返済中に離婚するとなると、ローンをどうするかを考えなければなりません。どちらか一方がその家に住み続けるなら、住み続ける人のローンに1本化しなければなりませんが、ひとりで夫婦2人分の住宅ローンを支払えるだけの収入がなければ審査に通らない可能性があります。

また、売却するにしても、売却した金額でローン残債全額を完済できなかった場合は、自己資金で返済しなければなりません。

収入だけではなく支出にも注意
住宅を購入する際には、どのくらいの年収が必要かばかりが気になりますが、支出にも注意しなければなりません。なぜなら、いくら年収が足りていても、収入より支出が多ければ住宅ローンの返済は難しいからです。

子どもがまだ小さい家庭では、今後高額な教育費がかかることもあります。そういった場合は、より収入と支出のバランスを考える必要があります。

金利が上がる可能性がある
変動金利を選択した人は、金利が上がると毎月の返済額が上がります。借入金額が大きければ大きいほどその分金利の負担分も上がることになります。

仮に借入金額が9,000万円で0.3%(最初の10年の金利)の変動金利(ボーナス払いなし、元利均等返済)で借りていたものが、1.3%(残機関)まで金利が上がった場合を想定すると、0.3%のときの毎月の返済額は22万5,759円ですが、1.3%に金利が上がると25万4,842円と毎月の返済額が約3万円も上がることになります。※(借入額9000万、元利均等返済、返済期間35年、金利タイプ「期間選択」、当初金利0.3%・10年間、1回目見直し1.3%・残期間・住宅支援機構:返済額試算

毎月3万円ということは年間で36万円の増加です。これはかなりの負担増といえるのではないでしょうか。

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まとめ

9,000万円の家を買える人の年収は1,286万円~1,800万円くらいです。住宅ローンの返済期間を長くしたり、頭金を多く準備したりすることで必要な年収は下がりますが、無理な借り入れは禁物です。

また、ペアローンを組む場合は休職中の返済負担が増えること、変動金利で借りる場合は金利上昇リスクがあることも考えておかなければなりません。

9,000万円の家を購入するにあたっては、無理なく返済できるよう、家族構成や年齢そして毎月の支出額も踏まえて最適な借入金額を算出するようにしましょう。

(最終更新日:2024.05.13)
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