分譲マンションとは? メリット・デメリットと賃貸マンションとの違い

マンションに住むとしたら、分譲マンションと賃貸マンションのどちらを選びますか?引っ越しをするときに、このようなことに悩む人は多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、マンション暮らしを検討中の人に向けて、分譲マンションと賃貸マンションの違い、分譲マンションのメリット・デメリットなどを紹介します。

分譲マンションとは

分譲は、「分割譲渡」を略した表現で、分譲マンションとは1棟を区分けして1戸ずつ販売されているマンションを指します。

分譲マンションと賃貸マンションとの違い

賃貸マンションはそのマンションの所有者と賃貸契約を結び、部屋を借りて住む形式のマンションです。分譲マンションは購入が必要なため、部屋を買うか借りるか、といった点に違いがあります。ただ、分譲マンションの所有者が部屋を貸し出すこともあり、分譲マンションを借りることも可能です。

また、分譲マンションは、購入者がマイホームとして長く住むことを前提としているため、魅力的な住宅設備・共用施設を備えている物件が多くあります。

一方、賃貸マンションは第三者に営利目的で貸し出すことが前提であるため、収益性が重視されます。利用者の居住期間も、分譲マンションほどの長期ではないと想定しているため、集会スペースなどの共用施設はないことが多く、設備も標準的なグレードなものが多いでしょう。

分譲マンションのメリット

分譲マンションの主なメリットを4つ紹介します。

設備が充実している
分譲マンションは快適な居住性を重視しており、共用施設が充実しているのが一般的です。マンションの規模にもよりますが、共用施設として次のようなものを備えているところが多いでしょう。

・駐車場、駐輪場
・宅配ロッカー
・24時間利用可能なゴミステーション
・集会室やラウンジなどのコミュニケーションスペース
・キッチン付きパーティールーム
・キッズルーム
・来客が宿泊できるゲストルーム
・フィットネススタジオ
など

また、駅から遠いマンション場合は住民専用のコミュニティバスを備えていることもあります。こういった充実した設備は賃貸マンションや戸建てにはないメリットです。

セキュリティ性が高い
分譲マンションではセキュリティ性を重視して、オートロックや防犯カメラなどが標準装備されていることが多いです。大手デベロッパーによるマンションでは、コンシェルジュが常駐していることもあります。

マンションコンシェルジュとはホテルのフロントのような存在で、共用施設の利用や宅配便の受付など、入居者の暮らしをサポートする業務を行います。エントランスに常にコンシェルジュがいるマンションでは不審者も侵入しづらく、防犯面でも安心です。

自分の資産となる
分譲マンションを購入すれば、その物件は自分の資産になります。将来的に子どもに遺すこともできますし、売却して現金化することも可能です。住宅ローン完済後は、毎月の支払いが管理費・修繕積立金だけになるため、家賃を支払い続ける賃貸マンションに比べ、月々の経済的負担が軽くなる点もメリットといえます。

リフォームができる
分譲マンションは、規約で禁止されている、構造上不可能である、といったケースを除き、壁紙や床の張替え、水回り設備の交換、間取りの変更など自由にリフォーム可能です。購入したマンションは自分の所有物であるため、自分の好きなようにできるからです。

一方、賃貸物件は現状維持が基本であるため、自分好みに部屋をリフォームすることはできません。部屋に対するこだわりが強い人は分譲マンションのほうが向いているでしょう。

分譲マンションのデメリット

メリットの多い分譲マンションですが、デメリットもしっかり把握しておく必要があります。ここからは、分譲マンションを購入する際に注意したい点について解説します。

住宅ローンや多額の資金が必要
分譲マンションを購入するには多額の資金が必要です。物件そのものの価格以外に、購入時には次にあげるような諸費用が発生します。

・税金(登録免許税、不動産取得税、印紙税)
・仲介手数料(中古物件を購入する場合)
・司法書士報酬
・頭金
・住宅ローン保証料
・火災保険料
など

なお、近年は住宅価格の上昇が続いていて、首都圏の新築マンションは平均的な会社員には購入できないほどの価格帯になっています。詳しくは以下に示す記事を参考にしてください。

参考:首都圏新築マンション価格はやっと頭打ち感、中古は上昇続く どこまで上がる? いつ下がる?

維持費がかかる
分譲マンションの所有者には、毎月の管理費・修繕積立金のほか、固定資産税の支払い義務が生じます。また、給湯器など住戸内設備の故障や交換は、自分で費用を負担しなければなりません。その点、賃貸マンションは家主が維持管理を行うため、これらの費用を入居者が負担することは基本的にありません。

管理組合に参加する必要がある
管理組合は、マンションの住環境と資産価値を守るために適切な管理を行う組織です。マンション管理について定めた区分所有法で、区分所有者全員で構成することと定められているため、分譲マンションを購入すると自動的に管理組合員になります。

管理組合では「管理規約の作成」「共用部分の管理」「管理費・修繕積立金の徴収と管理」などを行い、区分所有者は輪番制で役員になるのが一般的です。役員になると、定期的に開かれる会合に出席しなくてはならず、負担に感じるという声も少なくありません。

ちなみに、2021年以降、管理組合の業務を第三者に委託する「第三者管理方式」を導入するマンションが増えています。気になる場合は、どのような管理方式を採用しているのか、購入前に確認してみるとよいでしょう。

住み替えがしにくくなる
マンションをはじめとした不動産は、売却して現金化するまでに時間がかかります。不動産売却の一般的な流れは以下のとおりで、売却活動を始めてから決済までの期間は早くて3ヶ月です。

1.不動産会社へ査定依頼
2.不動産会社と媒介契約を締結、販売活動開始
3.購入希望者の内見や条件交渉に対応
4.売買契約締結
5.引渡し・決済

もちろん売却前に引っ越すことはできますが、所有者でいる間は管理費・修繕積立金を支払い続けなくてはなりません。住宅ローンが残っている場合は、毎月の返済も必要です。賃貸マンションのようにライフスタイルの変化に合わせて気軽に住み替えられるものではないということは、意識しておいたほうがよいでしょう。

分譲マンションに住むまでの手順

分譲マンションは購入が必要であるため、住むまでには賃貸マンションよりも多くの工程が必要です。分譲マンションに住み始めるまでの流れは以下のようになります。

1.チラシやインターネットなどを利用してマンションを探す
2.内見あるいはモデルルーム見学会で室内を確認する
3.購入したいマンションが決まったら、書面で購入申し込みを行う
4.金融機関に住宅ローンを申し込み、審査を受ける
5.審査通過後、売買契約を締結する
6.新築の場合は説明会に参加する
7.引渡し・決済

ちなみに、売買契約時には新築・中古ともに手付金として物件価格の5~10%程度を支払うことが一般的です。

まとめ

分譲マンションは、購入して維持し続けるには多額の資金が必要ですが、購入後は自分の資産になります。賃貸マンションは気軽に住み替えができるものの、資産にはなりません。現在の資産状況やライフスタイル、将来のライフプランまでしっかりと検討して、自分に合った住みやすいマンションを選ぶようにしましょう。

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