山口県では、県外からの移住希望者に向けた相談窓口を設置し、求人や生活情報を提供したり、具体的な移住支援体制を説明したりしています。山口県への移住を検討するなら、支援制度を活用するのがおすすめです。今回は、山口県への移住について、どのような支援を利用できるのか詳しく解説します。
山口県はどんなところ?
山口県は本州の西端にあり、島根県と広島県との県境を除いた北・西・南の三方が海に面しています。山口県を囲む日本海と瀬戸内海には大小合わせて20を超える有人島があります。平地は少なく、海と山の雄大な自然が魅力の土地です。
秋吉台や秋芳洞といった景勝地のほか、錦帯橋や瑠璃光寺、防府天満宮などの歴史的建造物も多く、観光業も盛んです。産業は、稲作や果樹栽培、水産業のほか、石油化学、鉄鋼業も発達しています。
県内は大きく瀬戸内海沿岸地域、内陸山間地域、日本海沿岸地域の3つに分けられますが、全域を通して概ね温暖であり、自然災害が少なく住みやすい土地といえるでしょう。
山口県での移住先を探そう
山口県では市町村単位の自治体でも、移住者に向けたさまざまな制度を設けて移住を推進しています。移住におすすめの市と、それぞれの特徴や移住支援制度などについて紹介します。
下関市
下関市は、山口県の西端にある山口県唯一の中核市です。県下最大の都市であり、九州の福岡県へは関門橋や関門トンネルを使って、車なら約5分で行き来できます。
下関市には大型ショッピングセンターのほかに、スーパーやディスカウントストア、百貨店などがあり、買い物には不便を感じないでしょう。大規模の総合病院をはじめ、内科や小児科、産婦人科などの医療機関もそろっています。学校や保育所なども多く生活環境が整っているため、子育ての不安も少ないでしょう。
東京圏から移住・就業した人は、移住支援金の支給対象の要件を満たせば最大100万円が受け取れます。また、下関市在住者に向けた子育てや住まいに関する支援制度も利用できます。定住奨励金や移住者向け住宅購入支援事業補助金などの支援もあるため、移住における経済的負担を軽減できるでしょう。
岩国市
岩国市は山口県の最東部に位置し、島根県と広島県に隣接しています。岩国藩の城下町として発展したまちで、日本三名橋の一つである木造5連アーチの錦帯橋が全国的に有名です。
市内には、複数のショッピングモールのほかに、スーパーやディスカウントストア、ドラッグストアなどがあり、車でアクセスするのに便利です。
岩国市は特に子育て世帯におすすめの支援制度が充実しています。市内には幼稚園・認定こども園・保育園・認可外保育施設が多数あるため、希望する施設に入りやすいでしょう。また、保育所の待機児童数ゼロを実現しており、親が働きやすい環境が整っています。いわくに子宝給付金や出産祝い金、乳幼児医療費助成、こども医療費助成、学校給食費無償化など、さまざまな子育て支援が用意されていることも特徴です。
萩市
山口県北部の萩市は日本海に面しており、世界遺産に登録された松下村塾や萩反射炉などのある観光都市としても有名なエリアです。小京都と呼ばれる、島根県の津和野町にも隣接しています。
江戸時代には長州藩の城下町として栄え、現在も堀内伝建地区や菊屋横町などの町並みが色濃く残ります。木戸孝允(桂小五郎)や高杉晋作、伊藤博文など幕末の偉人ゆかりの地として歴史好きには魅力的なまちです。
萩市では、移住創業支援補助金として、萩市民が求めるサービスの創業・継業者に対する支援を行っています。また、萩市ビジネスチャレンジサポートセンター(はぎビズ)や農林漁業スタートアップ応援事業、セカンドキャリア就農支援事業など、創業や就業に関する支援も豊富です。
山口市
山口市は山口県の県庁所在地で、県のほぼ中央部に位置します。室町時代に大内氏が京都に似せたまちづくりを進め、今も商業や観光業が盛んです。行政機関が集まり新幹線の停車駅がある一方、市の南は瀬戸内海に面し、都市部と自然豊かな田舎の両方の顔を持ち合わせているのが特徴です。
市の中心部には百貨店やスーパーが集まり、若者の起業による店舗なども増え、魅力的なまちづくりを進めています。
また、山口市しごと体験ツアーとして、移住者の希望に合わせたツアーを開催し、交通費や宿泊費を助成しています。UJIターンの場合は、創業支援補助金や就業・創業交通費補助金など、仕事に関する支援が受けられます。
光市
光市は山口県の南東部に位置し、山口県の南東部に位置する瀬戸内海に面した市です。鉄鋼業や製薬会社の大企業を中心に工業都市として発展してきました。瀬戸内式気候に属し温暖で、山口県内で最も雨が少なく日照時間が長い、居住環境に優れたまちです。
光市は、2015年に「全国移住ナビ」サイトのキャンペーン動画が評価され、応募した全国の自治体のなかから「地方で子育てしたい賞」に選出されました。子育てしやすいまちづくりの一環として、光市内に移住する保育士や幼稚園教諭に保育士等就労促進給付金を支給しています。
また、ひと・しごと定住総合支援事業として、市外から移住して農業や漁業に就業する人のために、移住奨励金・定住奨励金の支給、家賃助成などを行っています。
山口県への移住に活用できる支援事業
市町村ごとの支援事業以外にも、山口県ではさまざまな形で移住希望者をサポートする仕組みが設けられています。利用できる支援があれば、積極的に活用するとよいでしょう。ここでは、主な移住支援事業について解説します。
仕事探しに活用できる支援事業
・やまぐち移住就業マッチングサイト:山口県内での求人をエリアから、または職種から効率よく検索できます。詳細を確認して気に入った仕事があれば、そのまま応募シートに必要項目を入力するだけで応募可能です。
・やまぐち農林振興公社の就農支援:山口県で農業を始める人を対象に、就農相談や農業体験、技術取得研修などを行っています。県の支援などの情報提供、ツアーや相談会なども開催しています。
・漁業就業支援制度:オーナー漁師や漁船乗組員を目指す人に向けた、漁業研修や経営自立化支援などの制度です。漁業就業支援フェアを開催したり、漁船での2泊3日程度の漁業体験を無料で実施したりしています。また、長期漁業研修の受講者への賃金支給や、就業後の給付金受給などの制度も利用可能です。
・やまぐちふるさとワーキングホリデー:山口県で一定期間働き、田舎暮らしを体験できる取り組みです。本格的な移住の前段階として、普通の旅行では味わえない地域との交流や、地域の繁忙期の人手不足などを解消し、将来的な移住を促進するねらいがあります。
移住準備に活用できる支援事業
・YY! ターン(UJIターン)パスポート:山口県と協賛企業の連携により、移住に伴う経済的負担に対する支援を行う制度です。パスポートの提示で協賛企業のさまざまなサービスが受けられます。たとえば、引っ越し代割引やローン金利優遇、車のサブスク割引、レンタカー割引、宿泊代割引、賃貸住宅の初期費用値引きなどがあります。
・YY! ターン支援交通費補助金:移住ツアーなどに参加する際の交通費を補助する制度です。移住ツアーのほか、就職時の面接、セミナーやフェアなどのイベントへの参加、暮らし体験や下見などの際にかかった交通費も含まれます。
まとめ
山口県では移住者向けに、仕事や移住先探しに活用できるさまざまな支援事業を行っています。各市町村でも、独自の移住支援制度を策定し、住みやすいまちづくりを推進しています。
山口県での定住を決めた人だけではなく、検討段階からでも活用できる支援制度もあります。ここで挙げたサポートや支援を活用しながら、移住先を決めるとよいでしょう。