家の建て替えにかかる期間はどれくらい? 仮住まいの注意点も解説

家を建て替えるというライフイベントは、大きなお金が必要になるうえ、時間もかかるものです。日常生活を送る場である自宅に住めない期間が生じるため、建て替え中の仮住まいをどうするかというのも大きな問題になります。

この記事では、家の建て替えにおける一連の流れと期間を解説するとともに、仮住まいの考え方についても紹介していきます。

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家の建て替えの流れ

まずは、家の建て替えはどのような段取りで進めていくものなのか、大まかな流れをつかんでおきましょう。

準備期間
家を建て替えるにあたっては、建築会社選定や契約など事前準備も時間を要します。

・建築会社を決める
・設計ブランを立てる
・建築会社と工事請負契約を締結する
・住宅ローンを申し込む
・建て替え中の仮住まいを探して引っ越す

工事期間
準備が完了したら、実際に工事を行います。

・既存建物の解体工事を行う
・正式な地盤調査を実施し、必要に応じて地盤改良を行う
・新たな建物の新築工事を行う
・建物の引き渡しを受け、登記手続きを行う
・新居に入居する

準備期間は約4~8ヶ月

建て替えのプランを決定し、仮住まいに引っ越すまでの準備に約4〜8ヶ月かかります。それぞれのプロセスについて詳しく見ていきましょう。

建築会社を決める
建て替えを決めたら、新居の姿をイメージするとともに、予算を考えながら希望を叶えるのにふさわしい建築会社を探します。

建築会社と一口に言っても、大手のハウスメーカーや地域密着で施工を手がける地元工務店など、多くの会社があります。また、設計やデザインにこだわりたいなら、設計を設計事務所に依頼するのも一つの方法です。

気になった会社が出てきたら、複数社に見積もりを依頼しましょう。それぞれの強みや特徴、価格を比較したうえで、自身の考え方にマッチする会社を選ぶようにします。

プランニング
建築会社や設計会社が決まったら、担当者と打ち合わせを重ねながら詳細な設計プランを決めていきます。施主が設計にこだわるほど、プランニングにかかる期間は長くなるものです。

プランニングの際には、並行して資金計画を立てるのも大切です。予算を考えずにプランニングすると、こだわりに従って費用がどこまでも膨らんでしまいます。

既存の住まいの住宅ローンが残っている場合は、建て替え後に月々の返済額が増えてしまうため、より慎重に資金計画を考えなければなりません。

工事請負契約

建築会社が決まったら、工事請負契約を結ぶ

プランニングが決定すると、工事内容に従って見積もりが出ます。各種設備、建材など、詳細な項目まで算出されるので、誤りがないか細かくチェックすることが重要です。

最終見積書を確認して問題なければ、建築会社と工事請負契約を締結します。これで正式に、建て替えに向けた工事がスタートします。

住宅ローン申し込み
建て替えにかかる費用を捻出するため、金融機関に住宅ローンを申し込みます。住宅ローンは、事前審査と本審査の2段階で融資審査が行われるのが一般的です。通常、事前審査では設計書と見積書などを提出し、本審査では建築確認申請書なども必要となります。

なお、既存の住まいのローンが残っている場合には、残りのローンと建て替え費用を一本化できる「建て替えローン」を設定します。

仮住まい先を探して引っ越し
建て替え工事がスタートするまでに、賃貸住宅などの仮住まい先を探して引っ越しをしなければなりません。仮住まい先として考えられる候補については後ほど紹介します。

工事期間は約5~8ヶ月

仮住まい先への引っ越しが完了すると、いよいよ実際の建て替え工事に移っていきます。工事期間は、トータルで5〜8ヶ月程度かかるのが一般的です。

既存建物の解体工事

既存住宅の解体工事

工事期間に入ったら、まずは既存建物の解体工事から始めます。解体工事会社は施主が探す場合もありますが、一般的には建築会社に手配してもらうほうが手間はかかりません。

解体工事に際しては、音や振動、埃の舞い上がりなどで周辺住民に迷惑をかける可能性もあります。建て替え後の関係性を考えて、事前に挨拶をしておくのもいいでしょう。

解体工事が完了したら、建物滅失登記を忘れずに行いましょう。

地盤調査・地盤改良
解体が終わったら、新たな建物を建てるのに地盤が耐えられるかどうかをチェックするため、地盤調査を行います。地盤調査は解体工事前に事前調査を行い、解体工事完了後に正式な調査を実施するという流れが一般的です。

既存建物の建築から時間が経過し、地盤が劣化しているケースもあります。地盤調査で地盤の強度が足りないという結果が出れば、地盤改良工事が必要になることもあるので意識しておきましょう。

新築工事
ここまで完了したら、いよいよ新たな建物の建築工事がスタートです。着工時や工事期間中に、着工金や中間金といった工事費の一部の支払いを求められることが一般的なため、あらかじめ支払いのタイミングを確認しておきましょう。

日本の住宅で多く見られる木造在来工法や2×4(ツーバイフォー)工法、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、採用した建物構造や工法によって工期は異なります。一般的に、工場で事前に部材が加工される2×4工法や鉄骨造などは工期が短く、木造在来工法や鉄筋コンクリート造は比較的工期が長めとなる傾向にあります。

工事中も定期的に現場を訪れ、現場の様子や進捗状況をチェックしておくのがおすすめです。

引渡し・登記手続き
建物が竣工したら引き渡しを迎えます。通常、引き渡しと着工金や中間金を除いた残りの工事代金の精算、各種登記は同じ日に行われます。

建て替えで必要になる登記は、新たな建物を建設した際の「建物表題登記」、住宅ローンを借り入れたときの「抵当権設定登記」、住宅の所有者を明確化するために行われる「所有権保存登記」です。

新居に入居
引っ越しの段取りを決め、電気・ガス・水道が開通したら、晴れて新居へ引っ越し・入居して建て替えが完了します。仮住まいの種類によって、退去手続きが必要になるケースもあるので注意しましょう。

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仮住まいはどこがよいのか

準備期間と工事期間を合わせると、建て替え期間はおおよそ9ヶ月〜1年4ヶ月程度かかります。建て替え期間の長さを考慮して、適切な仮住まいを決めなければなりません。

ここからは、仮住まい先として考えられる候補ごとの特徴を紹介していきます。

民間賃貸住宅
仮住まい先として多くの人が思い浮かべるのは、民間の賃貸住宅ではないでしょうか。しかし、賃貸住宅は2年の普通借家契約を結ぶのが一般的です。また、敷金や礼金といった初期費用がかかる場合もあります。

1年未満の短期契約は、普通借家契約だと断られるケースが多くなっています。仮住まい先を探す際には、1年未満で契約可能な定期借家契約の物件を探すとよいでしょう。

URの賃貸住宅
UR(独立行政法人都市再生機構)が運営する賃貸住宅は、礼金や仲介手数料といった初期費用がかからず、短期契約も可能なため、仮住まいとしておすすめです。ただし、希望のエリアに空きの物件があるかどうかはタイミングによります。

マンスリーマンション・ウィークリーマンション
仮住まいとして手軽に利用できるものとして、月単位で入居期間が決められるマンスリーマンションがあります。合わせて、さらに細かく週単位で入居期間が決められるウィークリーマンションもおすすめです。

初期費用もほとんど発生しませんが、借りる期間が短い分、賃料は割高となる傾向にある点は注意が必要です。

ホテル

長期割引があればホテルで仮住まいという方法も

手頃な賃貸住宅が見つからない場合には、ホテルを仮住まいとするのも手です。

ただし、ホテルは家具や家電といった備品を持ち込めないので、仮住まい中の置き場としてトランクルームなどを別途契約しなければなりません。普通に長期間宿泊すると高額になってしまうため、月単位での宿泊プランをはじめとした長期割引があるかどうか要確認です。

民泊
そのほかの方法としては、最近話題になっている民泊を長期で利用するというやり方もあります。ただ、民泊業のルールを定める住宅宿泊事業法(民泊新法)では、人を宿泊させる日数を1年間で180日以内とする「180日ルール」が設けられています。

民泊を長期間借りると「180日ルール」に抵触することが考えられるため、定期借家契約にするなどの手立てが必要です。

まとめ

家の建て替えは大きなお金が動くのと同時に、自宅に住めない期間が5〜8ヶ月程度見込まれます。建て替えの際には、スケジュールを見越した仮住まいの選定などを行うようにしましょう。

(最終更新日:2023.10.26)
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