建て替えにかかる解体費用の相場はいくら? 費用を抑える方法も解説!

家の建て替えを検討する場合、古い家屋の解体費用も加味して資金計画を立てる必要があります。実際に建て替えの際にかかる家屋の解体費用の相場はいくらなのでしょうか。また、解体費用を安く抑える方法や、建て替え時にかかる解体費用以外の費用にはどのようなものがあるのかについても解説します。

建て替えにかかる解体費用の相場はいくら?

建て替えにかかる解体費用の相場は、その建物の構造によって異なります。木造住宅の1坪あたりの解体費用は2~5万円程度、軽量鉄骨造の場合は3~6万円程度、鉄筋コンクリート造となると4~8万円程度です。同じ構造の建物でも相場に幅があることからわかるように、依頼する業者や立地など、その他の諸条件によっても大きな差が生まれます。
また、解体費用には家屋の取り壊しにかかる費用や、それによって発生した廃材の処分費用のほかに以下の費用が発生するケースがあることも覚えておきましょう。

・建物付帯設備(倉庫や塀、庭石など)の撤去費用
・整地にするための費用

>住宅ローン・お借り換え・ご返済・お住まいに関わるお困りごとは 「ビデオチャット相談」で無料受付中

解体費用は何で決まるのか?

一般的に解体費用は、その建物の構造、立地のほか、どの解体業者を利用するか、さらに付帯工事の有無によって決まります。建物の構造や立地は変えることができませんが、解体業者の選択や付帯工事の有無については自分で調整することが可能です。

構造
上でも述べたとおり、建物の構造によって解体費用は異なります。木造が一番解体費用を安く抑えることができ、軽量鉄骨造、そして鉄筋コンクリート造の順で高くなっていきます。
国土交通省が発表している「令和3年度 住宅経済関連データ」によると、持ち家の一住宅当たり延べ床面積は平成30年時点で約120平方メートルとなっており、坪数に換算すると約36坪になります。このデータを基に構造別の解体費用を求めた結果は以下の表のとおりです。

立地
また、建物の立地によっては特殊な工事方法を取らなければならないケースもあります。例えば重機が搬入できない場合、人の手で解体作業を行う必要が発生し、その分工期が延びるため、人件費が多くかかることになります。
また、交通量の多い道に面している場所であれば、工事に伴い、通行整備などにかかる交通整理員なども必要となります。立地条件によっては特殊な対応が必要となり、その分費用が多くかかることを覚えておきましょう。

解体業
解体費用はどの解体業者を選ぶかによって異なります。業者によって保有している重機は異なりますし、業者が重機を保有していない場合はそのレンタル費用も負担しなければなりません。解体業者を選ぶ際には、ホームページなどで解体に携わっている実績などを確認し、専用の重機や特殊重機などを自社で保有している解体業者を選ぶようにすることをおすすめします。

付帯工事
解体業者のホームページを見ると、通常は解体費用が坪単価で掲載されています。しかし、これはあくまでも建物の坪数であり、上で紹介した倉庫や塀などの建物付帯設備の解体費用は含まれていないケースが多く見られます。もし、建物以外の付帯設備についても撤去する予定であれば、それらを含めた費用がどのくらいになるのか事前に確認しておくようにしましょう。

解体費用を安く抑える方法

高額になりがちな建物の解体費用ですが、工夫することでその費用を抑えることができます。ここからは、解体費用を安く抑える具体的な工夫の内容についてご紹介します。

相見積もりを取る
解体工事を行う際には、複数の解体業者から見積もりを取るようにしましょう。その際、建物以外の撤去が発生する場合はその旨も伝え、解体費用の総額を提出してもらうことが大切です。依頼する解体業者によって最終的な解体費用は大きく異なることが予想されるため、必ず複数の業者から見積もりを取って比較検討するようにしてください。
また、ホームページにこれまでの解体事例を載せている会社もありますので、自分のケースに近い解体工事で実際にかかった費用がどのくらいなのかを把握しておくことも大切です。その解体業者が信頼できる会社かどうかもあわせてチェックしておきましょう。

家庭内のごみは自分で処分する
家庭内のごみ(家財や電化製品)などもあわせて処分してもらうとなると、その分費用がかさみます。できれば解体工事の前に、自治体に粗大ごみの回収を依頼したり、民間の不用品回収業者を利用したりして、自分で廃棄できるものは処分しておきましょう。大型ごみでも、自分で運べるものであれば県や市が設置している粗大ごみ破砕処理施設に持ち込むことで、廃棄費用をさらに節約することができます。

補助金や助成金を活用する
自治体によっては、自宅建物の解体に補助金や助成金を設けているところもあります。例えば横浜市では「住宅除却補助制度」が用意されており、耐震性が不足する住宅を取り壊す際の費用を補助してもらえます。補助額は対象となる建物や申請する人の収入要件などで異なりますが、東京都の場合でも複数の自治体が補助制度や助成制度を導入しています。解体を考える際には、家屋が所在する自治体のホームページなどで、利用できる補助金や助成金がないか調べてみることをおすすめします。

建て替え時期を調整する
建て替えの際に考慮したいのが建て替え時期です。固定資産税には、住宅用地の特例があり、固定資産税が3分の1(1戸につき200平方メートルまでの部分については6分の1)に減額されます。固定資産税はその年の1月1日の状況で判断されることから、解体後、新しい住宅が建つ時期が1月2日以降になってしまうと、その土地が住宅用地とみなされず、この特例の適用を受けることができなくなってしまいます。そのため、解体から新しい家屋の建築までの一連の流れは1月1日から12月31日までの1年間の間に完結させておくことがポイントです。

ただし、12月31日までに建設工事が完了しなくても、土地と建物の所有者が変わらないなどの条件を満たすことで、住宅用地の特例が適用できる場合もあります。該当する場合は、役所などに相談してください。

建て替えにかかるその他の費用一覧

2,000万円の家屋を建てると仮定した場合の、建て替え時にかかる費用(解体費用以外)とその相場について、以下のとおり表にまとめましたので参考にしてください。

※参考値であり金額・かかる費用の種類は実際と異なる可能性あります。

これはあくまでも参考額ですが、合計すると約2,400万円の資金が必要になることがわかります。さらに解体費用が約200万円かかると想定すると、合計2,600万円の資金が必要です。
また、建物を建てるにあたり、住宅ローンの利用を考えるならば、それらの契約にかかわる手数料や諸費用も考えておく必要があります。特に注文住宅の場合、融資は住宅が完成した後に行われるケースが多く、着手金や中間金などは自分で用意しておかなければなりません。それらの支払額がいくらになるのか、そしていつ必要になるのかも考えながら資金計画を立てるようにしましょう。

まとめ

家を建て替える際の解体費用については、1坪あたり2~8万円と幅が大きく、取り壊す建物やその立地、さらに依頼する解体業者によっても異なります。そのため、費用を抑えるためには、複数の解体業者から見積もりを取ることはもちろん、家庭ごみの廃棄処分など自分でできるものは積極的に行うなどの工夫が必要です。

建て替えに関しては解体費用以外にもさまざまな費用がかかります。実際にどのくらいの金額が必要なのか、全体的な金額や支払い時期を把握し、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。また、建て替える時期によっては固定資産税額の負担が大きくなることから、建て替えのスケジュールについてもしっかりと考えておきましょう。

【PR】今なら無料の住み替えガイドブックがダウンロード可能!「詳細を見てみる」

(最終更新日:2023.10.26)
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア