年収1,700万円ならどんな家に住める? 住宅ローンの借入額や毎月の返済額は?

年収1,700万円以上稼ぐ人の割合は少なく、かなりの高所得といえます。住宅ローンを組む際は、年収が一つの審査基準になりますが、年収1,700万円の世帯ではいくらまで住宅ローンの借り入れができるのでしょうか。また、どのような家に住めるのでしょうか。今回は、年収1,700万円の人が住宅ローンを組む際の借入額や返済額などについて解説します。

年収1,700万円の生活レベル

年収1,700万円の生活レベルはどのくらいなのでしょうか。まずは年収1,700万円程度の収入を得ている人の割合、持ち家率や消費支出、貯蓄額について紹介します。

年収1,700万円の人の割合
国税庁の「令和2年分民間給与実態統計調査結果」では、給与階級別の給与所得者数・構成比を公表しています。この調査では、年収1,700万円の人は「1,500万円超2,000万円以下」の給与階級に含まれます。

同調査によると、給与所得者のうち年間給与が1,500万円超2,000万円以下の人の割合は全体の0.7%です。男女別で見ると、男性が1.1%、女性が0.2%となっています。2016年(平成28年)~2020年(令和2年)の推移を見ても、ほぼ同じ割合が続いている状況です。

このように、年収1,700万円以上の人の割合は低く、全体から見ればかなりの高所得者であることがわかります。

出典:令和2年分民間給与実態統計調査結果|国税庁

年収1,700万円世帯の生活
総務省統計局の「家計調査 家計収支編(全国・二人以上の世帯のうち勤労者世帯)」によると、年間収入1,500万円以上世帯の持家率は90.8%となっています。これは年間収入階級別のなかで、最も高い持家率です。

また、年間収入1,500万円以上で持家の世帯のうち、住宅ローンを支払っている世帯の割合は44.7%となっています。世帯主の1ヶ月当たりの収入は約96万円、配偶者の収入は約35万円、消費支出は約55万円です。

出典:家計調査 家計収支編(年間収入階級別1世帯当たり1か月間の収入と支出)|総務省統計局

年収1,700万円世帯の貯蓄額
金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」によると、年間収入1,200万円以上世帯の金融資産保有額は平均で5,379万円、中央値は1,900万円となっています。

ただし、金融資産を保有していない世帯が8.9%、金融資産保有500万円未満の世帯は約13%であることから、約2割の世帯は十分な貯蓄ができていない可能性があります。

出典:「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」|金融広報中央委員会

年収1,700万円なら住宅ローンをいくらまで組める?

住宅ローンの借入可能額は、基本的に年収が高いほど多くなります。ここでは、年収1,700万円で住宅ローンを組む場合の借入可能額と、理想的な借入額・返済額について解説します。

借入可能額
住宅ローンの借入可能額は、年収のほか、返済負担率(返済比率)や勤務先、勤続年数などによって決められます。年収1,700万円の世帯であれば、金融機関で定められている上限額まで借りられる可能性があります。

なお、【フラット35】の借入限度額は8,000万円、財形住宅融資は4,000万円、民間銀行は1億円程度です。

理想的な借入額・返済額
住宅ローンの理想的な借入額は返済負担率が一つの指標となります。返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合を指します。計算式は「年間返済額÷年収×100」です。

金融機関での返済負担率の目安は25~35%程度とされていますが、低いほうが家計の負担は軽くなります。

年収1,700万円、借入金利1.5%、返済期間35年、元利均等返済で諸経費を考慮せずに計算した場合の返済負担率と毎月の返済額は次のとおりです。

出典:返済負担率の計算|一般財団法人 住宅金融普及協会   総支払額の計算|一般財団法人 住宅金融普及協会

このように、年収1,700万円の場合、借入限度額まで借りても返済負担率は25%以内に収まる可能性が高いでしょう。

ただし、世帯年収が同じでも夫婦それぞれの年収や家族構成などによって手取り収入は変わってきます。そのため、手取り収入をもとに返済負担率を計算する方法もあります。また、住宅ローン以外の借り入れがある場合は、その分も含めて返済負担率を計算することも大切です。

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年収1,700万円世帯はどんな家が買える?

年収1,700万円で住宅ローンを組む場合、8,000万円以上の物件を購入することも可能です。ここでは、どのような物件が購入できるのかを紹介します。

都心の新築マンション
予算が8,000万円以上あれば、都心の新築マンションも視野に入れられます。都心の新築マンション価格は上昇傾向にあるものの、たとえば東京都の新築マンションの平均価格は3DK・3LDKで7,649万円です。予算8,000万円で購入できる物件は多いと予測できます(※2022年10月時点)。

なお、東京都の新築マンション、専有面積の平均価格に関しては、70平方メートル以上80平方メートル未満で7,140万円です(※2022年10月時点)。

出典:東京都の新築分譲マンションの購入情報探し|SUUMO

駐車場付きの戸建て
都心の駐車場付きの戸建てに関しても、8,000万円以上の予算なら購入できる物件が多いでしょう。戸建ての場合は駅からやや遠くなりますが、車2台分の駐車場やガレージ、庭が付いている物件もあります。

ほかにも、広々としたLDK、対面式のシステムキッチン、太陽光発電システム付きなど、好条件の物件が見つかる可能性もあります。

出典:8,000万円台の東京都の一戸建て購入情報|三井のリハウス

こだわりの注文住宅
すでに土地がある場合や郊外に住む場合は、8,000万円以上の予算によって、こだわりの注文住宅を建てることができます。注文住宅は自由度が高いため、自分好みの設計や素材で家を建てられます。海外ブランドやオリジナルキッチンなど、デザインや素材にこだわった家づくりが可能です。

基本的に5,000万円以上の予算があれば、充実した注文住宅を建てやすいといえます。

年収1,700万円世帯が住宅ローンを組む際の注意点

年収1,700万円世帯が住宅ローンを組む際の注意点として、金利と収支の変化があるので解説していきます。

金利の変化
高額な住宅ローンを組むと完済までにかかる利息も高額になります。たとえば、1,000万円の0.3%は3万円、0.5%は5万円ですが、8,000万円の場合は0.3%で24万円、0.5%だと40万円になります。

特に変動金利で借りた場合、将来金利が上昇すれば負担になる可能性があります。固定金利を選択するという方法もありますが、逆に将来、金利が下がった場合も、同じ金利で払い続けることになるため、状況に合わせて総合的に判断することが大切です。

収入や支出の変化
住宅ローンは契約時の年収を基準に借入額を決めるケースが多いのですが、長期間ローンを組んだ場合、収入や支出の変化によって、将来返済に困る可能性もあります。

たとえば、子どもの学費がかかる時期や退職後など、収入や支出が変化しても返済が可能かどうかを判断する必要があるでしょう。リストラで失業したり、病気や怪我で働けない期間が長引いたりといった可能性もゼロではありません。最悪のケースも想定しながら、住宅ローンを組むことが大切です。

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まとめ

年収1,700万円なら住宅ローンを上限まで組める可能性があります。都心の新築マンションや戸建て、注文住宅なども視野に入れられるでしょう。

ただし、高額な住宅ローンを組む場合は、金利の変動、収入や支出の変化などに注意が必要です。住宅ローンの返済を無理なく継続できるかどうか、といった観点から考えてみてください。

(最終更新日:2024.04.19)
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