軽量鉄骨造のメリット・デメリットとは? 木造住宅と何が違う?

注文住宅を検討する際、木造と軽量鉄骨造のどちらにしようかと迷う人もいるでしょう。しかし、一般的には木造住宅が多く、軽量鉄骨造について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、木造と軽量鉄骨造の違いを解説するとともに、軽量鉄骨造のメリット・デメリットを紹介します。

軽量鉄骨造とは

建物の骨組み部分に、鋼材を使用するのが鉄骨造です。スチール(Steel:鉄)の頭文字をとって「S造」とも呼ばれています。鉄骨造は、さらに鋼材の厚みで種類が分かれます。厚さ6mmを超える鋼材を使用するのが重量鉄骨造、6mm未満が軽量鉄骨造です。

軽量鉄骨造では柱や梁などの骨組み部分に軽量鉄骨を、壁や床には木質系や窯業系などのパネルを使用します。軽量鉄骨造は一般住宅やアパートでよく利用され、あらかじめ工場で部材を製造して現地で組み立てるプレハブ工法が用いられることが一般的です。

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木造との違い
木造では、柱や梁などの主要構造部に木材を使用します。

木造住宅の特長は通気性や吸湿性に優れていることです。さらに木材は鉄よりも断熱性能が高いため、夏は涼しく冬には暖かい空間となります。軽量鉄骨造に比べると材料費は安く、建築コストを抑えられる点もメリットといえるでしょう。設計の自由度も軽量鉄骨造より高く、こだわりの注文住宅を建てたい人におすすめです。

デメリットには、シロアリの被害に遭いやすいという点があげられます。軽量鉄骨造でもリスクがないわけではありませんが、シロアリの大好物は腐った木材です。主要構造部が木材の木造住宅では、特に注意する必要があるでしょう。

重量鉄骨造との違い
厚み6mm以上の鋼材を使用する重量鉄骨造は、3階建て以上のビルや集合住宅などで用いられることが一般的です。大手ハウスメーカーのなかには重量鉄骨を扱うところもありますが、戸建て住宅で鉄骨造といえば多くは軽量鉄骨と考えてよいでしょう。

重量鉄骨造のメリットは耐震性や耐久性に優れていること。頑丈な鋼材で骨組みを作るため、柱や壁が少ない大空間も実現可能です。ただし、軽量鉄骨造よりも建築コストは高めとなります。材料に重量があるため、地盤工事や基礎工事には特に費用がかかります。

コンクリート造との違い
コンクリート造には、鉄筋コンクリート造(RC造)と鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)の2種類があります。RC造は鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたもの、SRC造は鉄骨の柱の周りに鉄筋を組んでコンクリートを打ち込んだものです。

大規模なマンションや高層ビルなどに用いられる構造で、耐震性・耐久性・耐火性・遮音性に優れています。そのぶん建築コストも高額で、個人の戸建住宅に使われることはほとんどありません。

軽量鉄骨造のメリット

軽量鉄骨造の特徴やほかの構造との違いを押さえたところで、どのようなメリットがあるのかを確認しましょう。ここでは、軽量鉄骨造の主なメリットを3つ紹介します。

耐用年数が長い
国税庁が定める法定耐用年数は以下のとおりで、一部を除いた軽量鉄骨造の住宅は木造住宅よりも長めの対応年数が設定されています。

出典:耐用年数(建物/建物附属設備)|国税庁

耐用といっても建物の寿命を表すものではありません。法定耐用年数は資産価値をはかる基準で、売却価格を決める際に参考にする数値の一つでもあります。たとえば、立地や間取りなどの条件や築年数が同じ住宅を比較した場合、木造よりも残耐用年数が長い軽量鉄骨造は売却に有利といえます。

耐震性、耐久性が高い
軽量鉄骨造の建物は、木造に比べて耐震性や耐久性に優れています。柱が鉄骨のため地震の揺れは木材より伝わりやすいものの柱が折れるようなことも滅多になく、倒壊のリスクはほとんどありません。また、シロアリ被害で柱が折れてしまうという心配も不要です。

定期的にメンテナンスを行うのであれば、木造住宅よりも長い年月建て替えなくても済むでしょう。

職人の腕に左右されず品質が安定する
軽量鉄骨造の住宅は、あらかじめ工場で作った部材を現場で組み立てる「プレハブ工法」で建てられることが一般的です。部材は規格化されていて、職人の腕に左右されることもなく、比較的品質が安定しています。組み立てるだけなので工期も短くて済みます。

軽量鉄骨造のデメリット

主に木造と比較しての軽量鉄骨造のメリットを紹介しましたが、すべてにおいて木造よりも優れているわけではありません。ここからは、軽量鉄骨造のデメリットに触れていきます。

木造に比べ断熱性は低い
木材と鉄とを比べた場合、断熱性は木材のほうが上です。鉄には熱が伝わりやすい性質があるため、軽量鉄骨造の建物は「夏は暑く冬は寒い」といった住みにくい環境になりやすいです。とはいえ、断熱材や窓の工夫で断熱性能を高めることはできます。暑さ寒さの感じ方には個人差もあるため、モデルハウスなどで確認するとよいでしょう。

防音性が低い
木造は防音性が低いといわれていますが、軽量鉄骨造でも大差はありません。鋼材を伝って音が響くので、建て方によっては木造よりも音が気になる可能性があります。生活音が近隣とのトラブルにつながりかねないため、壁に遮音性のある素材を使用するなどの配慮が必要です。

間取り変更しにくい
骨組みを鋼材で作る軽量鉄骨造は、木造のように自由に間取りを変えることができません。柱の位置変更はもちろん、建物の強度を高めるために筋交いをいれた壁を撤去することも不可能です。将来的にリノベーションを考えている場合は、設計の段階で考慮する必要があるでしょう。

まとめ

軽量鉄骨造は、骨組みに厚さ6mm以下の鋼材を使用します。主なメリットは、木造住宅に比べて耐震性・耐久性に優れていることや、品質が安定していること。デメリットには断熱性・防音性の低さや、間取り変更のしにくさがあげられます。

木造と軽量鉄骨造それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分たちのライフスタイルに合っているかどうかも考えて選ぶことが大切です。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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