引越し時の掃除はどうする?退去時と入居時のポイント解説

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引越しで賃貸から退去する際は、ほとんどの人が部屋全体の掃除をするだろう。その際、それぞれのスペースをどの程度掃除すべきか、悩む人もいるのではないだろうか。賃貸から退去する際の掃除は、原状回復のルールを踏まえて行うことが大切だ。
そこで今回は、引越し時に知っておきたい原状回復のポイントや、場所別の掃除のコツを紹介する。併せて、入居する前の新居の掃除についても見ていこう。

 

賃貸からの退去時に掃除は必要?

賃貸から引っ越すときに、掃除は必ずしなければならないのか疑問に思う人もいるだろう。
通常、賃貸から退去したときは新しい人が入居する前に、ハウスクリーニング業者が清掃を行うことが多い。そのため、借主は必ず退去時に掃除しなければならないというわけではない。
しかし、ある程度の掃除をして退去するのは、管理会社や大家など、貸主に対するマナーといえるだろう。

また、一切掃除をしていないと、高額なクリーニング費用が請求されてしまう可能性もある。自分でできる範囲は掃除をしておき、後から高額な費用を請求されないようにしたい。

 

賃貸からの退去時に行われる原状回復とは?

賃貸から引っ越す際の掃除は、原状回復を踏まえて行うことも重要だ。
原状回復とは、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改定版)」(2011年8月)で定義されている。

賃貸の設備などのうち、借主の故意・過失によって生じた傷や汚れは、借り手がその修繕費用を負担しなければならない。一方、経年劣化であれば貸主が修繕費用を負担するため、退去時に費用は請求されない。
原状回復の対象となる例には、次のようなものがある。

<原状回復の対象となる例>
・壁の結露を放置して発生したカビやシミ
・雨の吹き込みなどによるフローリングの色落ち
・手入れを怠ったことで生じた浴槽の水垢やカビ
・手入れを怠ったことで生じたコンロや換気扇のススや油汚れ など

 

退去時の掃除のポイント

賃貸物件から退去する際に掃除をしないと、不要な原状回復費用を請求されてしまうおそれがある。そのような事態にならないためにも、できる掃除はしっかりしてから退去したい。
ここからは、賃貸から退去する際に、家の各場所のどこを重点的に掃除すべきなのかを見ていこう。

壁・天井
壁と天井は、素材に注意して掃除しよう。一般的に使われているビニールクロスの場合は、掃除機でほこりを吸い取った上で、家庭用中性洗剤を薄めた水で雑巾を固く絞り、汚れを拭き取ろう。


フローリングの場合は、溝に沿って掃除機をかけて、拭き掃除をしよう。固く絞った雑巾で拭くと、だいたいの汚れは除去できるだろう。
畳の場合は、畳の目に沿って掃除機でほこりを吸い取り、熱めのお湯で絞った雑巾で拭き掃除をしよう。


窓に付着した手垢やたばこのヤニは、水で濡らした新聞紙で拭くと良い。汚れが落ちにくい場合は、窓拭き用のクリーナーなどを活用しよう。

キッチン
キッチンの油汚れには効果的なのは、アルカリ性の洗剤だ。洗剤をかけてマイクロファイバークロスなどで汚れを落とそう。
一方、水垢にはクエン酸などを含む酸性の洗剤が有効。洗剤をかけて、油汚れと同じようにマイクロファイバークロスなどでこすって汚れを落とそう。

浴室
浴室は壁や床、浴槽、鏡などが、石鹸かすや水垢、カビなどで汚れがち。市販の浴室用洗剤を使って掃除しよう。

洗面所
洗面所も浴室と同様に、石鹸かすや水垢、カビなどで汚れやすい場所だ。浴室用洗剤をかけてスポンジなどでこすって掃除しよう。

トイレ
トイレの貯水タンクに水垢が付着している場合は、専用の洗剤で軽く拭き取掃除をすると良い。壁や床も意外と汚れているため、ウェットシートなどを使って掃除しよう。

 

新居へ入居するときの掃除のポイント

新居へ入居する際は、家具や家電を運ぶ前に掃除しておきたい。ここでは最後に、新居の掃除のコツを場所別に確認していこう。

天井・壁
天井や壁は、家具や荷物を運び入れてしまうと掃除がしにくくなるため、家具などの搬入前に全体を掃除しておきたい。
まずは、ハタキや掃除機で上からほこりを落として吸い取ろう。照明器具やカーテンレールにほこりが溜まっていないかどうかも、忘れずに確認したい。

水回り
キッチンや浴室、トイレといった水回りは、汚れやすい場所だ。入居前に水回りが汚れていないか確認し、必要に応じて掃除をしよう。
なお、水回りを掃除するときは、換気扇や換気口、排水口も確認しておきたい。もし、入居前にもかかわらず、あまりにも汚れがひどかったら、貸主に対応してもらおう。

キッチン
流し台に水垢がついていたら、マイクロファイバークロスでこすって掃除しよう。落ちにくいときは、酸性の洗剤が有効だ。

浴室
浴室は浴室用洗剤を使って、全体のこすり洗いをしよう。

トイレ
トイレは掃除シートを使って、床や便器を拭き掃除しよう。


床は掃除機やモップでほこりやゴミを取った上で、水に濡らして固く絞った雑巾で拭き掃除をしよう。畳の場合は、畳の目に沿って乾拭きすれば良い。

なお、掃除中に傷や汚れを見つけたときは、写真に残して日付も記録しておこう。退去時に修繕費を請求されたとき、写真や日付が残っていれば、入居前の傷や汚れと証明できる。

その他
掃除の仕上げとして、入居前に市販のアルコール除菌剤を使って、部屋全体を除菌しておこう。
なお、アルコールなどで傷まないよう、除菌剤を利用する前に、除菌する部分の素材と除菌剤の相性も確認しておきたい。

 

引越し時の掃除はスケジュールに余裕を持って進めよう

賃貸から退去する際には、家の中のさまざまな場所を確認したり掃除したりする必要がある。新居に入居する前の掃除も含めると、それなりの時間や手間がかかるため、スケジュールに余裕を持って進めることが大切だ。
きちんと掃除をすれば、退去時の追加費用のリスクも軽減できるだろう。

 

※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。

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