23区で一番広い大田区のおすすめの街3選! 子育て支援充実、活気あふれる世界に近い街

東京23区最大の面積を誇る大田区は、蒲田などの親しみある商店街、多摩川や東京湾の豊かな自然、各所に残る個性的な銭湯など魅力あふれる街です。高度成長期を支えたモノづくりの街は、世界の玄関口である羽田空港を起点にさらなる発展を遂げようとしています。今回は、その大田区の魅力と住宅事情を紹介します。

多摩川や東京湾の水辺と武蔵野台地の高台からなる歴史ある街

大田区は、東京23区NO.1の61.86平方キロメートルの広さを誇る行政区です。人口は73万人を超え、23区3位の多さ。多摩川と東京湾に面し、武蔵野台地の高台と低地からなる自然豊かな地勢で、京浜工業地帯の一部を形成し、ものづくりの街としても知られています。

多摩川と東京湾に面していて、大森貝塚をはじめ多くの遺跡があるように古くから人が集住した歴史ある場所です。多摩川の河口部という要衝に位置したこともあり、東海道や中原街道といった東西を結ぶ街道も整備されました。

江戸期に農漁村だった大田区は、大正期以降に工場が進出。低地部を中心に商・工業が盛んになり京浜工業地帯の一部となります。一方、内陸部の台地は関東大震災以降に宅地化が進み、田園調布、雪谷、久が原などの住宅地が形成されました。大正から昭和初期にかけて整備された田園調布は、都内有数の邸宅街として美しい街並みが、今に受け継がれています。

田園調布駅前
田園調布の街並み(画像素材:PIXTA)

新橋―横浜間に鉄道が開通した4年後の1876年には、大森駅が開業。当時は、東京近郊の保養地として別荘なども建てられました。さらに京浜電気鉄道(現在の京浜急行線)や目蒲線(現在の東急目黒線)、東急池上線が開業し、鉄道の整備とともに街の市街化も進んでいきました。1947年には大森区と蒲田区が合併し、今の大田区が誕生しています。

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田園調布駅雪が谷大塚駅久が原駅大森駅

大田区の大規模マンション
大田区内の大規模マンション(筆者撮影)

大田区の用途地域を見ると、田園調布のような住居専用地域、蒲田や大森のような商業地域、東京湾に面した城南島のような工業専用地域、第一京浜道路から東側に多く見られる準工業地域・工業地域と地域ごとに街のカタチが大きく異なります。産業構造の変化もあり、大田区内に立地する製造業の事業所数は減少傾向にあり、工場跡地などには大規模マンションも建設されています。人口もこの20年余りで大きく伸びています。

【大田区のデータ】
総面積…61.86平方キロメートル
人口…73万5(2022年7月1日時点)
世帯数…40万1,871(2022年7月1日時点)

大田区の魅力は「交通アクセス」と「生活利便性」

2021年7月に実施された、「大田区政に関する世論調査」によれば、定住意向について、「ずっと住み続けたい」(53.9%)が5割を超え、「当分は住み続けたい」(28.9%)を合わせた数値は8割を超えています。また、現在住んでいる街について、「暮らしやすいと感じている」が61.3%、「とても暮らしやすいと感じている」が15.6%と、合計76.9%に上っています。

生活利便については、「交通の便」(78.1%)、「病院や診療所の便」(78.0%)、「買い物の便」
(76.9%)の3項目が満足・ほぼ満足の合計値が8割近くに。また、「緑の多さ」や「公園や子どもの遊び場」は、不満の割合も高くバラつきのある結果になっています。区の面積が23区最大ということもあり、街の特徴は地域によって異なるのでしょう。

大田区内には、JR京浜東北線をはじめ多くの鉄道路線が通っています。田園調布駅などで利用できる東急東横線、目黒駅と日吉駅を結ぶ東急目黒線、五反田駅から蒲田駅を結ぶ東急池上線、溝の口駅と大井町駅を結ぶ東急大井町線、西馬込駅から五反田駅を経由して都心へアクセスできる都営浅草線、京浜急行本線などのほか、羽田空港へアクセスできる京急空港線、東京モノレール羽田空港線も利用できます。東京都心だけでなく世界へのアクセスも良さも大田区の魅力です。

羽田空港
羽田空港(画像素材:PIXTA)

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蒲田駅西馬込駅

水辺の自然が身近に 活気あふれる商店街も多く、銭湯の数も多い

多摩川や東京湾などの自然が身近にあるのも大田区の魅力です。平和島駅にある平和の森公園にはフィールドアスレチックも設けられており、大田区立公園としては最大級の約9万9,000平方メートルもの広さがあります。テニスコートや弓道場などのスポーツ施設もあり、平和都市宣言をした記念の像も置かれています。

平和の森公園
平和の森公園(画像素材:PIXTA)

東急池上線洗足池駅からすぐにある洗足池は、江戸時代に歌川広重の名所江戸百景にも描かれ、勝海舟が晩年に居を構えた場所。池の周りには遊歩道があり洗足池公園内のサクラ、イチョウ、モミジなど多種多様な植栽を楽しめます。また、多摩川の河川敷には区民広場や野球場、サッカー場などレジャーやスポーツが楽しめるスポットも豊富。自然の中で、健やかに過ごせる広々としたスポットが身近にあるのも魅力です。

池上本門寺大堂
池上本門寺大堂(画像素材:PIXTA)

さらに、にぎわいある商店街など買い物便の良さもいち早く商・工業が発展した大田区ならではの魅力です。駅周辺部に商業ビルが立ち並ぶ大森駅、蒲田駅はもちろん京浜急行線の雑色駅や池上本門寺の門前町として栄えいくつもの商店街が点在する池上駅、全長500メートルを超える商店街が連なる梅屋敷駅など、魅力的な買い物スポットがある街がたくさんあります。

また、大田区では、高度成長期を支えた工場が多かったこともあり、銭湯の多さでも知られます。大田浴場連合会のホームページからは、30を超える銭湯が区内にあることがわかります。近年では、オフタイムのレジャーとしても銭湯が注目されています。こうした昭和の時代を継承する文化が残っていることも大田区の魅力と言えるでしょう。

京急蒲田駅前の商店街あすと
京急蒲田駅前の商店街あすと(筆者撮影)

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平和島駅洗足池駅雑色駅池上駅梅屋敷駅

子育て層は要チェック! 公益施設や子育て支援サービスも豊富

区内には、洗足池図書館をはじめ16もの図書館が設けられています。大田区役所本庁舎は、蒲田駅近くにあり便利な立地です。また、地域文化の創造拠点としてつくられた、大田区民ホール・アプリコ(蒲田)や創作活動やふれあいの場として設けられた大田区民プラザ(下丸子)などの文化施設も各所に用意されています。

東京23区内3位の人口を誇る大田区は、就学前の子どもが多い(2021年4月1日時点で3万1,931人)行政区です。区では、保育所の整備に取り組み、2021年4月1日時点の待機児童数は0人となっています。将来、就学前の児童数は減少することが予測されており、地域差はあるものの保育面では施設が整っていると言えます。

また、大田区では、産後の家事や育児のサポートをする大田区産後家事・育児援助事業やベビーシッター利用支援事業など、さまざまな子育て支援が用意されています。大鳥居駅にある萩中公園など、駅アクセスの良い場所に公園が立地するところも多くあります。商店街などの生活利便性がよく、保育施設や子育てサポート、地域の公園も充実している大田区は、子育て層に暮らしやすい街でしょう。

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予算を抑えた新築戸建ての選択肢も 広い敷地を持つ大規模中古マンションに注目

続いて、大田区の住宅事情について目を向けてみましょう。

大田区の邸宅街と言えば、田園調布や文化人が居を構えた大森の山王などが挙げられます。田園調布の邸宅街であれば、敷地面積が広いため土地だけで2億程度の予算は必要になります。洗足池駅や雪が谷大塚駅周辺など住環境の良い住宅地の戸建て価格も1億前後と高額になります。

馬込文士村のレリーフ
馬込文士村のレリーフ(画像素材:PIXTA)

一方で、蒲田駅などでは容積率の高さから狭小敷地に3階建ての建物を建築する戸建て分譲が活発。駅徒歩圏で5,000万円前後から新築戸建てに手が届きます。予算を抑えて探すなら、JR京浜東北線や京浜急行線沿線で探すのがおすすめです。

なお、新築マンション分譲は大田区内でも流通物件数が限られます。他方、中古マンションは、通勤利便性の高さから価格は大きく上昇していますが、流通件数は一定数あるので都心と比べると選びやすいでしょう。

大田区内には広い敷地を持つ大規模マンションの分譲が目立ち、中古流通市場でも人気があります。下丸子駅の大規模レジデンス「ザ・リバープレイス」や「東京サーハウス」、雑色駅の「プラウドシティ大田六郷」、鵜の木駅の「パークハウス多摩川」、大森駅の「大森プロストシティレジデンス」など、総戸数500戸を超えるマンションも多くあります。共用施設が充実しているマンションもあるので、こうした物件の中から選ぶのも良いでしょう。

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下丸子駅鵜の木駅

多摩川沿いに建つ大規模マンション
多摩川沿いに建つ大規模マンション(画像素材:PIXTA)

次に、大田区の筆者おすすめの街を紹介します。

にぎわいある商店街や公園などのレジャースポットが点在する大森駅

1つ目に紹介するのは大森駅です。JR京浜東北線で、大井町駅へ1駅、品川駅へ2駅の交通利便性の高い駅。アトレ大森などの商業施設のほか、アーケードのある大森銀座商店街ミルパがあるなど駅周辺には、商店や飲食店などが点在しています。

大森駅前
大森駅前(画像素材:PIXTA)

大森駅西口側の高台は古くからの邸宅街で、石垣のある街路など上質感あふれる印象。一方、東口側は商店が連なっていて、生活に便利なにぎわいのある雰囲気です。品川区の区境が近く、しながわ水族館やアスレチックのある平和の森公園など身近にレジャースポットがあります。都心アクセスも良好で、アクティブに暮らしたいカップルにおすすめの街です。

住まい選びは、中古マンションが中心になりますが、2LDKタイプなら5,000万円台で十分検討可能です。生活利便性を考慮すると求めやすい価格帯と言えます。東側には、幹線道路である国道15号線が通っており、大・中規模のマンションが沿道に建てられています。交通量はあるので、二重サッシなどの防音対策は確認すべきでしょう。

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商店街が広がる交通アクセスの良い街 羽田空港も利用しやすい蒲田駅

続いては蒲田駅です。蒲田駅は、JR京浜東北線、東急多摩川線、東急池上線の3路線利用できるターミナル駅。徒歩で行ける京浜急行線京急蒲田駅も利用可能で、羽田空港方面へもスムーズにアクセスできます。

蒲田駅前
蒲田駅前(画像素材:PIXTA)

蒲田駅の魅力は、大田区でもトップクラスの街のにぎわい。グランデュオ蒲田、東急プラザ蒲田といった商業ビルが駅前に立地。さらに、蒲田西口商店街や蒲田東口商店街など多くの商店街があり、物販店や飲食店など多彩なお店がそろっています。蒲田駅と京急蒲田駅間の人の行き来も多く、京急蒲田駅前にもアーケードのある京浜蒲田商店街 あすとがあります。

蒲田駅にある商店街
蒲田にある商店街(画像素材:PIXTA)

このJR蒲田駅、京急蒲田駅間の接続は長年議論に挙がっていましたが、2022年に東京都と大田区で費用負担案分などが合意し、この2駅を結ぶ新空港線(蒲蒲線)整備に向けて計画が進んでいます。

蒲田駅前には、大田区役所本庁舎が立地。大田区民ホール・アプリコ(現在改修工事中で休館)など公益施設もそろっています。もともとは、松竹キネマ蒲田撮影所があった場所であり、移転前はとても華やかな雰囲気だったようです。

西六郷公園
西六郷公園(タイヤ公園)(画像素材:PIXTA)

蒲田駅周辺には、遊具のある西六郷公園や西蒲田公園、本蒲田公園など小さい子どもを遊ばせられる公園がいくつもあります。繁華街はあるものの、買い物に便利で交通アクセスも良い場所なので、子育てしながら働く共働き夫婦にも暮らしやすい街でしょう。

新築戸建ての価格は、3LDKタイプだと6,000万円台から7,000万円台のものが中心ですが、なかには5,000万円台で購入価格なものも。駐車場付きの物件も見受けられるので、子育て層には好適です。中古マンションは、3LDKタイプなら5,000万円台から、2LDKタイプなら4,000万円台から検討できます。戸建てもマンションも予算に応じて検討できるのは、蒲田で住まいを探すメリットでしょう。

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商店街や東京工業大学のキャンパスが広がる大岡山駅 洗足池など自然も身近に

3つ目におすすめしたい街は、東急目黒線大岡山駅です。

大岡山駅は、東急大井町線と東急目黒線が利用できるターミナル駅。駅北口からは、約500メートルにわたって延びる大岡山北口商店街がある、親しみやすい雰囲気の街です。東京工業大学大岡山キャンパスのある学生の街でもあります。

大岡山駅前
大岡山駅前(画像素材:PIXTA)

2路線が交わるターミナル駅で、東急大井町線の自由が丘駅や二子玉川駅、東急目黒線の武蔵小山駅、武蔵小杉駅などの商業スポットへアクセスしやすいのが魅力。駅南側には、洗足池のある洗足池公園もあり、大田区洗足池図書館も生活圏。週末などのオフタイムに、さまざまな過ごし方ができます。

洗足池
洗足池(画像素材:PIXTA)

生活利便性が高く、かつ住環境も良好で交通アクセスも優れていることもあり、マンション、戸建てともに流通件数は限られています。3LDKタイプの中古戸建て、中古マンションともに7,000万円台程度から検討可能です。戸建てを選ぶには、1億円以上の予算は見ておいたほうが良いでしょう。とはいえ、自由が丘などと比べると求めやすい価格です。オフタイムを充実させたいファミリー層におすすめです。

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将来性も期待できる大田区 水害リスクはハザードマップでチェックを

交通アクセスが良好で、人口が多く生活関連施設も整った大田区ですが、留意すべきポイントは水害リスクです。多摩川が近く、埋め立て地の多い大田区は低地も多くあり、多摩川の洪水の際に浸水するエリアが広範囲にわたります。大田区のハザードマップを確認して、よく調べたうえで住まいを検討しましょう。

昔ながらの商店街や活気ある街の多い大田区は、住拠点として魅力的です。羽田空港に近い立地環境は、蒲田駅と京急蒲田駅の2駅を結ぶ新空港線(蒲蒲線)の整備など将来性も期待できるでしょう。まずは、商店街めぐりも兼ねて、訪ねてみてはいかがでしょうか。

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(最終更新日:2024.04.19)
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