梅雨の時期でも快適生活 ジメジメした湿気を消す除湿方法を解説

長雨が続くことも多い梅雨の季節は、屋内も湿度が高くなりがちです。ジメジメとした空気は不快なだけでなく、カビや食中毒の発生など、生活にも影響を及ぼします。

これから訪れる梅雨を少しでも快適に乗り切るためには、効果的な湿気対策をおさえておくことが大切です。この記事では、梅雨についての基礎知識をふまえつつ、室内の除湿方法を解説します。

梅雨に湿度が高くなるワケ

まずは、「そもそも梅雨とは何か」「なぜ梅雨には湿度が高くなるのか」という基礎知識から改めて見ていきましょう。

梅雨とは

梅雨もまた日本の風物詩

梅雨(つゆ・ばいう)とは、主に日本の5月~7月ごろの時期を指します。夏の直前となるこの季節は、天気が崩れやすく、曇りや雨の日が続きやすいのが特徴です。

梅雨に雨が降りやすい原因は「梅雨前線(ばいうぜんせん)」にあります。

夏が近づくと、南から暖かく湿った空気を持った太平洋高気圧が、日本の近くに移動します。この太平洋高気圧が、冷たい空気を持った北のオホーツク海高気圧とぶつかって発生するのが梅雨前線です。2つの高気圧がぶつかることで上昇気流が生じ、雨雲が発生するため、梅雨前線の近くでは雨が多くなります。

梅雨前線はしばらく日本にとどまりますが、次第に太平洋高気圧の勢力が強まるため、北に移動します。温暖な太平洋高気圧が日本を覆うようになると、夏の到来です。

梅雨は湿度の高い時期

雨が多く、湿度が高い梅雨の時期

梅雨は曇りや雨の日が多くなるため、湿度が高くなる季節でもあります。

東京都を例に挙げてみましょう。1年間で最も湿度の高い期間は、平均で6月11日から9月29日(※)。湿度の快適さをはかる「体感湿度」も6月ごろから急上昇し、8月にはピークに達します。

※ 出典:Weather Spark「東京都における年間の気候および平均気象」

梅雨入り・梅雨明けはいつごろか

気象情報でよく見聞きする「梅雨入り」「梅雨明け」は、具体的にはいつごろなのでしょうか。

梅雨入りの時期

気象庁による令和4年の梅雨入り(速報値)は以下の通りです。

なお、2022年は5月4日に沖縄、11日に奄美地方の梅雨入りが発表されました。どちらも平年より早い梅雨入りとなっています。また、梅雨前線の北上が早いため、その他の各地でも例年よりもやや早い梅雨入りが見込まれています。

出典:気象庁「令和4年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」

梅雨明けの時期

続いて、梅雨明けの時期についても気象庁が発表した速報値を見ていきましょう。

なお、2022年の降水量は「平均並みかそれ以上」との予測です。梅雨前や梅雨入り直後から大雨となる可能性も指摘されています。

出典:気象庁「令和4年の梅雨入りと梅雨明け(速報値)」

梅雨のときの除湿方法1・換気をする

窓を開ける

除湿の基本的な方法は換気です。
梅雨の季節は雨や曇りの日が多く、窓を閉めたままにしがち。しかし、換気を行わないと、家の中に湿気がこもってしまいます。

晴れの日や、湿度が低い日には窓を開け、こまめに空気を入れ替えましょう。この際、クローゼットや押し入れといった、湿気がこもりやすい場所を開けておくとカビの予防にもなります。

また、窓を2つ以上開けると空気の通り道ができるので、より効率的に換気ができます。

同時に扇風機やサーキュレーターを回しておくのもおすすめ。窓を背にして置いておくと、背面から正面に空気が流れるため、外の空気が室内に入りやすくなります。

換気扇を回す

天気が悪く、窓を開けて換気することが難しい場合には、換気扇を回すとよいでしょう。浴室やキッチンなどは特に湿気がこもりやすく、カビが繁殖しやすい場所です。換気扇を回してこまめに空気を入れ替え、湿度を低めに保ちましょう。

また、窓を開けて換気する際にも換気扇を併用すれば、さらに効率的に除湿ができます。

梅雨のときの除湿方法2・エアコンで除湿

エアコンの除湿機能を使用する

「換気をしてもなかなか家の中の湿度が下がらない」というときには、エアコンを活用しましょう。冷房や除湿機能を使えば、手軽に室内の湿度が下げられます。

なぜエアコンの冷房機能で湿度が下げられるのかというと、空気が含むことのできる水蒸気の量は温度によって変わるという性質を利用しています。温度が高い空気ほどたくさんの水蒸気を含むことができ、温度が低くなると水蒸気の量を保てずに放出することになります。

また、エアコンの冷房や除湿運転では、室内の空気を取り込んで冷却し、再度送り出します。この際、空気中の水分が結露して取り除かれるため、乾いた空気が吹き出されるのです。

気温が高いときには、室温を同時に下げられる冷房、湿度のみが気になるときには除湿(ドライ)機能を使うのがおすすめです。

参照元:DAIKIN 「冷房と除湿はどう違う?」

弱冷房除湿と再熱除湿

エアコンの除湿機能には、「弱冷房除湿」と「再熱除湿」があります。弱冷房除湿は、「湿度を目標の値まで下げるために弱い冷房運転を続ける」というもの。ゆるやかに冷房をかけつつ、除湿もしたいときに使用しましょう。

これに対し、再熱除湿は「エアコンの中で空気を冷やして除湿し、乾いた空気を再加熱して室内に戻す」というもの。室温は下げず、湿度のみを下げたいときはこちらを選びます。

ただし、除湿機能についてはないエアコンもあります。その場合は、温度を低く設定して除湿を行い、寒くなったら一旦エアコンを切るか、設定温度を上げることで室温をコントロールしましょう。

梅雨のときの除湿方法3・除湿機をかける

除湿機の利用も有効

梅雨の時期は除湿機が大活躍

脱衣所や洗面所、クローゼットなど、湿度が高くなりやすくエアコンがない場所では除湿機をかけるのも効果的です。室温を下げずに除湿ができるので、気温が低い日や冬にも使えます。

また、洗濯物を室内干しする際にも、近くに除湿器を置いておきましょう。洗濯物の湿気をピンポイントで取り除けます。

除湿機の3つのタイプ

除湿機には、「コンプレッサー式」「デシカント式」「ハイブリッド式」の3つのタイプがあります。

コンプレッサー式は、エアコンと同じく冷媒を利用した仕組みです。ガスが液化したり、液体が気化したりする際の熱移動によって、空気中の水蒸気を結露させて除湿します。消費電力が比較的小さいため、電気料金が気になる人にもおすすめです。

デシカント式(ゼオライト式)は、除湿材を充填した本体内部に空気を通して除湿します。気温が低い冬場でも、除湿効果が高いのがメリットです。ただし、除湿剤をヒーターで加熱して乾燥させるため、消費電力が比較的大きくなります。また、室温が上昇しますので梅雨の時期の使用は向いていません。

コンプレッサー式とデシカント式を組み合わせたのがハイブリッド式です。本体価格はやや高い傾向にあるものの、周囲の温度・湿度に応じた効率的な運転ができます。

梅雨のときの除湿方法4・それ以外の方法

最後に、窓や換気扇がなかったり、エアコンや除湿器が置けなかったりする場合の除湿方法を紹介します。

市販の除湿剤を置く

まずおすすめなのは、塩化カルシウム製やシリカゲル製などの市販の除湿剤です。市販の除湿剤には、広範囲の除湿がかなう置き型タイプや、クローゼットに便利なハンガータイプ、タンスの引き出しや寝具の下に敷くシートタイプなどがあります。目的や用途に応じて購入しましょう。

炭・竹炭を除湿剤代わりに

炭や竹炭を使うのも一つの方法です。これらには吸湿性があるため、除湿剤として利用できます。干して繰り返し使える点もメリットです。さらに、炭や竹炭には消臭効果があるのもポイント。下駄箱や冷蔵庫など入れておけば、除湿と消臭の両方が行えます。

バーベキュー用の炭などを流用する場合は、砕けても汚れないよう、不織布などのカバーを付けましょう。

新聞紙を敷く

パルプ由来の新聞紙にも吸湿性があります。読み終えた新聞を、下駄箱や押入れの布団の下に敷いて使いましょう。元手がかからず、汚れたら気軽に処分できるので、なるべく費用をかけたくない人にもおすすめです。ただし、除湿能力はあまり高くないので、しっかり除湿したい場合は他の方法と併用しましょう。

すのこを敷く

竹やヒノキなどを、間隔を空けて並べた「すのこ」も、湿気対策に役立ちます。たとえば、押し入れやクローゼットの布団や衣類などの下にすのこを敷くと、隙間に空気の通り道ができるため、湿気がこもりにくくなります。

「木材にカビが生えないか心配」という場合には、プラスチック製のすのこもおすすめ。用途や目的によって使い分けてみましょう。

まとめ

ジメジメとした湿気が気になりがちな梅雨。カビなどのトラブルに見舞われやすい季節ですが、夏の訪れを予感させる日本の風物詩でもあります。

今回紹介した除湿方法を実践して、湿度がもたらすデメリットを抑えられれば、季節の変化を楽しむ余裕が生まれるかもしれませんね。

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