新年度に社会人デビューを果たし、給料日も間近。「初任給を何に使おうか」とワクワクしている人も多いのではないでしょうか。買いたいもの、やりたいことはたくさんあると思いますが、早いうちからお金を貯める習慣もつけたいところです。どのような方法なら、限られた収入のなかから無理なく貯蓄ができるのでしょうか。
勤務先の福利厚生に「財形貯蓄制度」がある人は積極的に活用を!
「気づいたら手元にあるお金を使ってしまいがち」という人でも無理なく貯蓄できる方法のひとつが、給与から積立金が自動的に天引きされる「財形貯蓄制度」です。正式名称は、「勤労者財産形成貯蓄制度」。あらかじめ決めた金額を毎月コツコツと貯めることができ、普通預金のようにATMで気軽に引き出すことができないため、「気づいたら手元のお金を使っていた」という経験がある人に、特におすすめの貯蓄方法です。
財形貯蓄の種類
財形貯蓄制度は用途に応じて「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3種類があります。それぞれの特徴を把握しておきましょう。
3つの財形貯蓄制度
一般財形貯蓄 | 財形年金貯蓄 | 財形住宅貯蓄 | |
利用目的 | 使途自由 | 老後の年金資金 | 住宅購入やリフォーム |
積立期間 | 3年以上 | 5年以上 | 5年以上 |
中途解約 | 積立開始1年後より自由 | 目的外の払い出しは5年に遡り課税 | 目的外の払い出しは5年に遡り課税 |
非課税措置 | なし | 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄あわせて元利合計550万円までの利子などが対象 | 財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄あわせて元利合計550万円までの利子などが対象(保険型の場合は払込ベースで385万円分) |
一般財形貯蓄
契約時の年齢制限がなく、使い道も自由な財形貯蓄です。積立期間は原則3年以上。マイカーの購入や結婚資金、子どもの教育費用など、いざというときに利用できます。ただし、後述の「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」のような利息に対する非課税の優遇措置はありません。
財形年金貯蓄
60歳以降、5年間にわたって年金として支払いを受けることを目的とした財形貯蓄です。契約時の年齢は55歳未満、原則として5年以上の積立期間が必要です。利子などに対する非課税措置があり、財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を合わせて元利合計550万円分(財形年金貯蓄のうち保険型の場合は払込ベースで385万円分)の利子が非課税となります。
財形住宅貯蓄
マイホームの取得や増改築(リフォーム)を目的とした財形貯蓄です。契約時の年齢は55歳未満、原則として5年以上の積立期間が必要です。財形年金貯蓄同様、利子などに対する非課税措置があります。
財形貯蓄制度は、計画的に貯蓄をするのが苦手な人や、浪費してしまいがちな人にとって、無理なく積み立てができる魅力ある制度です。ただし、用途が限定されていたり、払い出しに時間がかかったりといったデメリットもあります。また、財形貯蓄制度を採用していない会社もあります。収入をどのように運用するか、今のうちに考えてみてはいかがでしょうか。