物件情報を閲覧していると、「平米」という単位を目にすることがあるでしょう。今回は、「平米」をはじめとした面積を表す単位について解説します。平方メートル、坪、畳と平米は何がちがうのか、それぞれの換算表なども記載するので、ぜひ参考にしてください。
平米とは何?
平米(へいべい)とは面積を表す単位です。1平米は1メートル×1メートルの面積で、メートルを基準とした単位です。
メートルは国際単位系(SI)の基本単位のなかの一つです。国際単位系は世界共通の単位系であり、日本だけでなく世界的に使用できます。国際単位系は、1875年に締結されたメートル条約にて確立されました。
そのため、メートルを基準とした平米を使用して面積を表現すれば、多くの国の人にも広さが伝わります。ただ、国によってはメートルではなくヤードやパーチ、マイルなどの単位が主流のところもあります。
平米と平方メートルは同じ
1平方メートルは1メートル×1メートルという面積を表す単位であり、1平米とまったく同じです。
現在では馴染みが薄いですが、昔はメートルを米という漢字で表現していました。日本がメートル法を採用する際に、メートルを「米突」という漢字で当てはめたことが基になっています。そこから1平方メートルを1平米と書くようになり、「へいべい」という読みも定着しました。
坪とは何か
1坪は1間×1間を意味する面積の単位となります。
坪とは尺貫法(しゃっかんほう)で面積を表すときに使用する単位です。日本では、メートル法が導入される前は尺貫法が主流でした。尺貫法では、長さの単位を寸・尺・間(けん)、質量(重さ)は貫、体積(大きさ)は升で表します。1間は6尺で、1尺は10寸。1寸は約3.03センチメートルなので、1間は約1.818メートルとなります。
1885年にメートル条約に加盟してから不動産取引においては、尺貫法は使用されなくなりました。ただし、不動産取引や証明以外では、尺貫法が使用される場合があります。
1坪は約3.306平米
1尺は約0.303メートルで、1間は6尺、つまり約1.818メートルです。1坪は1間×1間であるため、坪を平米に換算すると以下の表のようになります。
畳とは何か
広さを表す単位である畳は、「たたみ」ではなく「じょう」と読みます。畳1枚分の大きさが1畳です。畳は今でも物件の部屋の広さを表すときに使用され、6畳間といった言葉を耳にしたことがある人も多いでしょう。
このように、畳は大きさや面積を表す単位としても一般的ですが、地域によって畳のサイズ(大きさ)が異なっており、全国的に統一されてはいません。
西日本の畳は京間や本間、愛知県・岐阜県・三重県などでは中京間や三六間、関東を中心とした全国各地では江戸間や五八間、また団地でよく使用される規格では団地間といわれています。それぞれの大きさは以下のとおりです。
1畳は1.44平米~1.82平米
1畳の広さは地域によって異なります。そのため、それぞれの1畳は次のように平米に換算されます。
このように、1畳の広さは地域によって異なります。畳は職人が一つ一つ手作りしていて、広さによって大きさを変えられることから、このような地域差がでるようになったとされています。
ただ、「不動産の表示に関する公正競争規約」では、1畳=1.62平方メートル以上と規定されています。
参考:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約」
平米(平方メートル)、坪、畳の換算表
平米は、坪や畳で換算するとどうなるのか、表を記載します。畳は「不動産の表示に関する公正競争規約」を満たす、京間のサイズで換算しています。
平米が使用される場面
平米や平方メートルは主に、土地や建物など不動産関連で使用されます。そのため、物件を探すときは、平米をもとに広さを判断するケースがほとんどでしょう。
日本ではメートル法を採用しているため、日常でもセンチメートルやメートル、平方メートルを利用することが一般的です。そのため、広さを厳密に把握しなければならない不動産業界においては、平米を利用したほうが、齟齬は起きにくいと考えられています。
日本には建築物に関するさまざまな規制がありますが、そういった規則を制定する場面でも、基本的に平米(平方メートル)が使用されています。
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坪が使用される場面
坪も平米と同じく面積を表す単位です。現在の日本では、メートル法が主流であり尺貫法はほぼ利用しませんが、不動産取引の場面以外で土地や建物の面積を表すときだけ坪を使う人は多くいます。
建築物の建設やリフォームの際は、建物の広さに応じて料金が変わるのが一般的ですが、その際は1坪何円で換算する「坪単価」もよく使用されます。ただ、その際には一坪何平米となるのか事前に厳密な数値を確認しておいたほうがよいでしょう。
また、建築面積を坪で表す際は、建築面積ではなく建坪(たてつぼ)という言葉も使用します。ただし、建坪は建築面積ではなく1階部分の面積を表すケースもあるようです。自宅の建設やリフォームで、業者と建坪の話をするときは、何を指しているのか明確にしたほうがよいでしょう。
畳が使用される場面
単位としての畳は、地域によって大きさに差が出てしまうため、物件情報や契約書などで使用するには不向きです。しかし、土地や建物ではなく部屋の大きさを説明するときには、畳を使用することはよくあります。特に、和室の場合は畳の数で部屋の広さが決まるため、「○畳の部屋」など単位としての畳で表記されることも一般的です。
また、単位としての畳は物件の間取りがLDKかDKになるかの基準にも使用されます。「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」で目安が以下のように規定されています。
参考:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」
まとめ
平米(平方メートル)とは面積や広さを表す単位の一つで、国際単位系として採用されています。日本でもメートル法を導入しているため、広さを表すときは平米や平方メートルが広く用いられています。
広さを表す単位としては、平米のほかに坪や畳などもあります。場合によってはこれらも使用されるため、1坪、1畳が何平米なのか把握しておくと便利です。
(最終更新日:2024.04.19)