小学生の子どもを育てている保護者が気になることの1つが中学受験。難関校と呼ばれる私立中学や中高一貫校を受験するなら、小学3〜4年生頃には準備を始める必要があります。そこで、今回は千葉県内の中学受験事情を調査してみました。
千葉県の私立中学に通う子どもの割合は全国よりも低い?
まずは、千葉県内の中学生の総数と私立中学に通う子どもの数を確認してみましょう。
意外にも、千葉県では私立中学に通う子どもの割合が全国平均より少ないという結果に。しかしながら、千葉県には有名私立中学が複数あり、都内の私立中学へのアクセスも良好です。そこで、2019年の小学6年生の総数と、2020年の中学1年生の数を比較してみました。
全員が千葉県内の中学校に進学していれば、転入転出を考慮してもこの数字はほぼ同じになるはずですが、千葉県では減少しています。ちなみに千葉県の月別人口推移をチェックすると、2019年よりも2020年の人口が増加しているため、新中学1年生を持つ家庭が多く転出した可能性は低いと考えられます。
そこで、有名私立中学を多く有する東京都の2019年の小学6年生と2020年の中学1年生数を比較してみました。
東京都では小学6年生の総数よりも、中学1年生の総数が増えています。同じように1都3県で見てみると、東京都以外は小学6年生と中学1年生を比較すると中学1年生のほうが少なくなっています。つまり千葉県を含む首都圏では、中学生が県境を越えて都内の私立中学に通うケースも少なからず存在すると推測されます。これを踏まえると、千葉県の私立中学通学率は6.53%よりは多いと考えられます。
千葉県の私立中学の学費事情を全国&1都3県と比較
続いて、千葉県の私立中学の学費をチェックしてみましょう。通常の公立中学であれば授業料はかからず、給食費や活動費、制服代などの実費のみで済みますが、私立中学は入学金や授業料などが必要です。
千葉県の私立中学の学費の平均は全国平均よりも若干高いものの、東京都や神奈川県の私立中学よりも10万円以上安く、比較的通いやすい印象です。とはいえ、文部科学省が行った「子供の学習費調査」によると、私立中学に通う子ども1人当たりの1年間の教育費の総額は159万8,691円。3年間で479万6,073円にもなります。子どもが私立中学受験を希望している場合は、それなりに準備しておく必要がありそうですね。
千葉県民は教育費にどれくらいお金をかけている?
次に千葉県民の教育費を調査してみました。参考にしたデータは総務省の「家計調査年報 家計収支」(2019年)です。教育費だけでなく、実収入に対する教育費の割合、全国平均と1都3県のデータも掲載しています。
千葉県は全国平均と比較すると教育費、実収入における教育費の割合が高く、近隣都県と同じく教育熱心な県であると言えそうですね。
まとめ
千葉県の私立中学通学率は全国平均と比較すると若干低い傾向でしたが、東京都の私立中学への越境通学もめずらしくなく、これらを考慮すると中学受験に挑戦する子どもはもう少し多そうです。千葉県内には高難易度の中学校が複数ありますので、中学受験を検討している家庭は、教育費を含め早めに準備を進めるとよいですね。