【2021人気記事|住宅トレンド編】コロナ禍は戸建てが人気? マンションの間取りや設備のトレンドは?

『ARUHIマガジン』では2021年も毎日さまざまな記事を配信してきました。2021年に配信した1,000を超える記事の中から、特に反響が大きかった記事をジャンル別に紹介していきます。今回は「住宅トレンド」に関する人気記事をピックアップしてお届けします。

コロナ禍に買いたいのは戸建て?

出典:新築マンションは株式会社不動産経済研究所による発売価格の平均、中古マンション・新築戸建て・中古戸建ては公益財団法人東日本不動産流通機構による成約価格の平均
出典:新築マンションは株式会社不動産経済研究所による発売価格の平均、中古マンション・新築戸建て・中古戸建ては公益財団法人東日本不動産流通機構による成約価格の平均

コロナ禍の生活が続いた2021年は「戸建て住宅」の売り上げが好調でした。なぜ今、戸建てが売れているのでしょうか。
最大の要因は、マンションと比べて割安感があることです。上記のグラフは、2010年度から2020年度までの首都圏の住宅について、物件種別ごとに平均価格の推移を示しています。

新築マンションは2010年度の4,686万円から2020年度は5,994万円、中古マンションに至っては2010年度の2,581万円から2020年度は3,668万円と、それぞれ1,000万円以上上昇しています。これに対し、戸建ては新築が2010年度の3,486万円から2020年度は3,575万円、中古が3,008万円から3,199万円と小幅な上昇にとどまっています。

もう1つの理由として、コロナ禍の生活で住宅に対する価値観が変化したことが挙げられます。共用スペースがあるマンションよりも他社との接触を避けやすく、住宅面積がマンションよりも広めの傾向があるため、在宅勤務時にワークスペースを確保しやすい事情も、戸建て人気を加速させていると考えられます。

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コロナ禍で「戸建て住宅」が見直されているわけとは? 専門家が新築・中古それぞれの状況を解説

コロナ禍の住宅は「戸建て」で「中古」が人気?

出典:公益財団法人東日本不動産流通機構『首都圏不動産流通市場の動向』
出典:公益財団法人東日本不動産流通機構『首都圏不動産流通市場の動向

ARUHIとクックパッドの共同調査『料理と暮らしの白書2021』でも、住まいの購入・住み替えを実施・検討している人に物件の形態を問うと「新築戸建て(建売住宅)」が最多で25.7%を占めているほか、「土地付き注文住宅」「注文住宅(建物のみ)」「中古戸建て」を購入・検討する人も多く、戸建て住宅の合計は62.5%に達しています。

また、公益財団法人東日本不動産流通機構『首都圏不動産流通市場の動向』によると、首都圏で2020年度に分譲された新築戸建て住宅の平均価格は3,575万円なのに対し、中古戸建て住宅の成約価格の平均は3,199万円です。加えて新築戸建て住宅の土地面積の平均が121.14平方メートルであるのに対して、中古戸建ての平均は149.63平方メートルです。
コロナ禍による在宅ワークの増加で、郊外や地方に住まいを求める人が増えつつあります。マンションより広い傾向がある「戸建て」、新築より安くて広い住まいが手に入りやすい「中古」が人気のようです。

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コロナ禍でマンションより戸建て、新築より中古を求める傾向に? その要因とは

木材価格の高騰「ウッドショック」が住宅購入にもたらす影響は?

輸入木材の高騰「ウッドショック」
日本の木材自給率は低く、輸入木材に頼っているため「ウッドショック」の影響が懸念されています

戸建て人気は2022年も続きそうですが、木造住宅は値上がりや工期の遅れがあるかもしれません。
実は、2021年に入ってから、日本で木材価格の高騰が顕著になっています。輸入木材の価格が世界的に高騰している現状を指す「ウッドショック」によるもので、原因はアメリカで住宅需要が急増し、北米の木材価格が高騰したことにあります。もともと、アメリカにおける住宅売買のメインは中古物件でしたが、コロナ禍でテレワークが定着し、都市部の集合住宅から郊外の広い戸建てへと引っ越しをする人が増加。それにより、中古住宅の在庫が少なくなり、新築の木造住宅を建てる人が増えました。また、過去最低水準の住宅ローン金利も住宅ブームの一因となりました。これにより、世界的に木材不足となりました。

コロナ禍の生活は未だ終わりが見えないなか、これから住宅を購入予定の人はウッドショックの影響が気になるところです。万が一工事の遅れや住宅価格の値上がりといった事態に陥ってもあわてないよう、予算や日程の余裕をもって計画を進めたいところですね。

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【ウッドショック】木材価格の高騰は私たちにどう影響? 住宅の値上がりより「工事遅れ」に注意

マンションの間取りは時代とともにどう変化した?

3LDKの間取り
3種類の3LDK間取りイメージ ※編集部作成、一部表現を簡略化しています

近年戸建ての人気が上昇している事実がある一方で、「マンション住まい一択」という人も少なくありません。マンションを選ぶ際、間取りで候補を絞る人が多いと思いますが「ベーシックな間取り」は時代とともに変化していることを知っていますか?

日本の共同住宅の先駆けとなったのは、関東大震災後に東京を中心に建設された「同潤会アパート」でした。例えば「代官山アパートメント」の代表的な間取りは、今でいう2K、風呂なしのシンプルな住戸でした。1950年代には各地で大規模な団地が建設されるようになり、親と子の「就寝分離」のために2つの寝室と、「寝食分離」のDKがある、2DKの間取りが採用されました。当時は風呂なしが標準だったようです。

1970年代に入ると「3LDK」の間取りが定着するようになり、以降さまざまなレイアウトの3LDKが生まれました。1980~1990年代にかけて一時的にワンルームや1Kの需要が増えましたが、2000年代以降は再び、3LDKが主流となっています。
コロナ禍の現在は、在宅ワークの増加にともないワークスペースを設けた間取りや、帰宅時にすぐに手洗いできるよう手洗い場の動線を考えられた間取りが注目を集めています。

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マンションの間取りは昔からどう変わった? 間取りの変遷とこれから|マンショントレンド分析

宅配ロッカーや床暖房はあって当たり前? マンション設備の最新事情

出典:株式会社東京カンテイ機関誌「Kantej eye」(Summer 2021)
出典:株式会社東京カンテイ機関誌「Kantej eye」(Summer 2021)を基に作成

マンションを購入する人は、便利な設備も気になるところでしょう。上のグラフは、首都圏のマンションで戸数規模別に調べた設備の設置率です。たとえば「ディスポーザー」は、最近では多くの大規模マンションで採用されている一方、小規模マンションの設置率は設置コストの関係で17.3%にとどまっています。「床暖房」はマンション規模にかかわらず設置率が8割を超え、標準的な設備になったと考えてよいでしょう。

マンションの魅力の1つは防犯性能の高さですが、1970年代にはエントランスのオートロックシステムが広がり、1980年代には大規模マンションで監視システムが定着、電子キーも広がりました。2000年前後には防犯性の高いディンプルキー、ダブルキーなどが採用されるようになりました。

コロナ禍の現在は、非接触型のエントランスキーや住戸キーへの関心度が高まっています。住戸キーについては「玄関ドアの近くにキーを置くとドアが開いてしまう」というリスクがあり、改善が待たれるところです。
そして、2000年に入ってから普及した「宅配ボックス」は今や、マンションに欠かせない設備となりました。最近は冷凍食品を扱える宅配ボックスが開発されるなど、進化を続けています。

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床暖房に食洗機…マンションの部屋設備は時代でどう変わった? |マンショントレンド分析

まとめ

住宅のトレンドは、刻一刻と変化しています。流行りを追う必要はありませんが、自身や家族にとって住みやすい住宅を購入するためには、どのような選択肢があるのか知ったうえで、ベストな選択をしたいところです。まずは住宅トレンドを把握することから始めましょう。

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